2016.02.17更新

2020.3.28 記事内容を修正・更新しました。


 

・重症筋無力症って?

「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」は、末梢神経と筋肉のつなぎ目としての役割を果たす「神経筋接合部(しんけいきんせつごうぶ)」の障害によって筋力低下が引き起こされ、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の原因になります。


そのメカニズムをさらに詳しく説明します。


通常、筋肉は、脳からの指令で神経繊維の末端から出た記憶や学習などに関わる情報伝達物質「アセチルコリン」AChを、筋肉側の受け皿である「アセチルコリン受容体」AChRで受けて収縮し動きます。

 

重症筋無力症

 

 

ところが、末梢神経 と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、この筋肉側の受容体(AChR)が 自己抗体 により破壊されることのよって脳からの情報伝達を妨げられ、筋力の低下を引き起こすのが重症筋無力症です。

全身の筋力低下、 易疲労性 が出現し、特に眼瞼下垂、 複視 などの眼の症状をおこしやすいことが特徴です。

 

 

眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます。

 

眼球を動かす「外輪筋(がいりんきん)」、まぶたにも関わる「外眼筋(がいげんきん)」、そしてまぶたを上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」などの「眼筋(げんきん)」の筋力低下を引き起こすことで眼瞼下垂にもつながります。

 


重症筋無力症になると、筋力の低下に伴って通常よりも疲れやすい「易疲労性(いひろうせい)」の症状として現れ、日常で不通にできていたことも難しくなります。

 

また、朝よりも夕方になるにつれて症状が悪くなる「日内変動(にちないへんどう)」があることが多いようです。

 

これら、易疲労性と日内変動は、重症筋無力症において特徴的な症状であり、診断にあたっての大事な手掛かりとなります。



・症状と治療について

重症筋無力症は、眼瞼下垂をはじめ、物が二重に見える「複視」などの眼の症状を引き起こしやすく、症状が眼だけに限って現れる場合は「眼筋型(がんきんがた)」と呼ばれます。

 

一方、全身の症状がある場合は「全身型」と呼ばれ、歯磨きや整髪の際に腕がだるかったり、階段の上り下りでとても疲れたり、食べ物をうまく飲み込めない「嚥下障害(えんげしょうがい)」や発音がしづらい「構音障害(こうおんしょうがい)」も引き起こし、症状が重くなると呼吸困難に陥ることさえあります。


重症筋無力症の診断において、眼や顔面の筋肉に症状が出ているかどうか、特に眼瞼下垂があるかどうかは、重要な判断材料になります。

 

治療方法は、薬剤を飲む内科的な治療と手術による外科的な治療に分かれます。

 

薬剤は、筋肉への情報伝達を強める薬剤コリンエステラーゼ阻害薬や、抗体を抑制するステロイド薬、免疫抑制薬などがありまが、対症療法と根治的な 免疫療法に別れます。

 

対症療法として使われる代表的な薬剤がコリンエステラーゼ阻害薬であり、神経から筋肉への信号伝達を増強する薬剤です。

 

ただ、これはあくまでも、一時的な対症療法であり、第一選択とはなりません。

 

治療の基本は 免疫療法で、この病気の原因である抗体の産生を抑制したり、取り除く治療になります。

 

抗体の産生を抑制するものには、ステロイド薬、免疫抑制薬があり、ステロイド薬は内服で行ったり、点滴行ったりします。

 

その他には、

血漿成分を交換して、血液中の好ましくない抗体を取り除いてしまう血液浄化療法 、大量の抗体を静脈内投与する大量ガンマグロブリン療法、補体C5を特異的に阻害する抗体製剤があり、患者さんの症状や状態に応じて、治療方法が選択されています。

 

これらは、体内の抗体を区別なく除去したり、抗体の作用を特異的に押さえたりする治療ではなく、これもまた、根治できるものではありません。

 

手術には、「胸腺摘除(きょうせんてきじょ)」があります。

特に、胸腺というリンパ組織に 胸腺腫を合併する場合は、まず外科的にこれを取り除く必要があります。

 

胸腺腫は早期に発見されば場合は、一括して切除でき、 生命予後 の良い腫瘍です。

 

眼瞼下垂症に対しては、通常の眼瞼下垂症で主に用いられる手術も施されますが、症状をみながらまず内科的な治療から始めるのが一般的です。

 

 

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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