2016.02.17更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


・マーカス・ガン現象って?
マーカス・ガン現象」は「下顎眼瞼連合運動現象(かがくがんけんれんごううんどうげんしょう)」ともいわれ、水分を吸ったりあくびをするなど口を開けたときに下アゴを動かす行為と同時に、上まぶたがピクピクと上方に意識とは無関係に動く症状を示します。

 

アゴの運動が、片側の目だけに症状として現れる「片眼性(へんがんせい)」が一般的ですが、両側の上まぶたに同じ症状が現れる場合もあるようです。

 

また、周囲の家族に同じような症状が見られない散発性のケースがほとんどですが、これについても染色体や遺伝子の変異によって起こる遺伝性の場合が報告されています。

 

いずれにしても先天性で特に新生児期や乳児期に目立つ症状であるため、母親が授乳中などにこの症状に気づくことが多いようです。


この現象の原因は、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」と「咀嚼筋(そしゃくきん)」である「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)」のそれぞれを支配する神経が先天性に異常な連絡をもつことによるとされています。

 

しかし、まれに「眼瞼挙筋」と、やはり「咀嚼筋」の「内側翼突筋(ないそくよくとつきん)」との異常な連絡が生じることがあり、この場合には下アゴを動かすときではなく、口を閉じるのと同時に上まぶたが上がります。

 

いずれも安静時には元の位置に戻ります。


・治療について
「マーカス・ガン現象」は、1883年にイギリスの眼科医であったR.マーカス・ガンが診察した15歳の少女の症例として発表されたため、その名が付けられています。当時は調査チームも組織され上記の原因もおよそ明らかになりました。

 

しかしながら、これまで述べたように症状はもちろん、さまざまな観点で例外も多くみられ、「先天性眼瞼下垂」をもつ新生児のさらに数%にみられるまれな症例でもあり、決定的な治療方法は見つかっていません。

 

ただ、この現象は年齢と共に自己矯正されていきますので、重度の場合は手術という選択肢もあるようですが、一般的には医師と相談しながら推移を見守るケースが多いようです。

 

しかしこの現象は、片方の目が正しい方向を向いているのに、もう片方の目がズレて向いている「斜視」や、眼球を上に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」の麻痺、左右の度数が違う「不同視(ふどうし)」や乱視でないのに物が二重に見える「複視」を伴うこともありますので、そうした疾患についても十分に注意を払うことが大切になります。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

2020.8.5 記事内容を更新


 ■偽眼瞼下垂とは、なに? 眼瞼下垂症との違いを分かりやすく説明します。


 


偽眼瞼下垂症に悩む女性の画像

 「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」は、「まぶたが重く開けづらい」など、眼瞼下垂と似たような症状をもつため、そう呼ばれます。

まぶたを上げる筋肉や腱自体には問題がないため、まぶたを開けようと思えばしっかり開くのですが、皮がたるんでたり、自然と目を細めて見てたり、また、眼がへこんでしまっているなどで、一見、まぶたが下がって見える状態です。


まぶたは、脳からの信号が主に動眼神経を介して、眼瞼挙筋につたわり、眼瞼挙筋の収縮によって発生した力が、眼瞼挙筋腱膜→瞼板→まぶた全体に伝わることで開いているわけですが、

通常の眼瞼下垂であれば、その系統に異常が発生し、まぶたが上がりにくくなり下がります。

偽眼瞼下垂症は、そういった動眼神経、眼瞼挙筋、眼瞼挙筋腱膜、瞼板軟骨などに異常が認められない眼瞼下垂に似た状態ということです。

言ってしまえば、眼瞼下垂症ではあるのですが、医学的には分けて考えてます。
 

偽眼瞼下垂症は、原因によって、次のようにいくつかに分けられます。

 

「眉毛下垂(びもうかすい)」は、加齢によって眉毛が自然に下がってしまった状態です。

 

「眼瞼けいれん」は、まぶたを閉じる筋肉が過剰に緊張して開きにくくなった状態を示します。

 

「眼球陥凹(がんきゅうかんおう)」は、眼球が陥没したような症状を見せますが、外傷や甲状腺の病気から起きる場合もあります。

 

「小眼球症(しょうがんきゅうしょう)」は、先天的に眼球が小さい疾患で、ときには全盲の場合もあります。

 

「眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)」は、加齢によってまぶたがたるんで視界が狭くなる症状です。

⑥「外斜視における片目つむり」は、外斜視では、両眼視では焦点が合わないため、患者は片目をつぶって、両眼で見ることでの不快感を緩和させようと無意識に行います。結果として、眼瞼下垂のようにみえます。治療は斜視の手術です。


これらのほかに、抗精神薬の服用によってまぶたが下がるケースもあるようです。

 

いずれにしても、目が開きにくい状態は、肩こりや頭痛、眼精疲労などを引き起こしますので、偽眼瞼下垂も早めの治療をおすすめします。


■偽眼瞼下垂症に対しての治療について


 学問的には、眼瞼下垂症と偽眼瞼下垂症とを区別して考えるようになっておりますが、実際には眼瞼下垂症と偽眼瞼下垂症は合併することが多いです。

例えば、腱膜性の眼瞼下垂症も、皮膚のタルミによる偽眼瞼下垂症も、ともに、原因の大部分が「加齢」であることを考えれば、分かりやすいと思います。


したがって、治療としては、眼瞼下垂症による挙筋腱膜などの異常があれば、腱膜へのアプローチが必要であると同時に、偽眼瞼下垂症による皮膚のたるみがあるのであれば、皮膚切除が基本となります。 

しかしながら、術者によっては、眼瞼下垂症の治療と偽眼瞼下垂症の治療を別々の概念として分けて考えます。

結果として、1次手術として、眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)を行い、2次手術として、偽眼瞼下垂症に対しての手術(皮膚切除)を行うこととし、始めから2度の手術を計画する場合もあります。

高田眼科(ひとみ眼科)では、ほとんどの症例で、TKD切開・ファシアリリース法(厳密には、眼瞼挙筋前転法に分類される手術方法)をお勧めする理由として、

このTKD切開・ファシアリリース法であれば、偽眼瞼下垂症の原因である皮膚の余剰を切除しつつ、同時に、眼瞼挙筋腱膜の異常を直すことが出来るからです。

言い換えれば、眼瞼下垂手術が一回で終わる可能性が高いからと言えます。

逆に言えば、眉下切開法(アイリフト)を単独で行うことをお勧めしないのは、この手術方法では、純粋に偽眼瞼下垂症の要素、特に皮膚の弛緩の状態のみの治療となり、眼瞼挙筋腱膜への治療が出来ず、ひたすら皮膚だけを切除するという的を得ない手術となる可能性が高いと言えるからです。

せっかく、手術を覚悟して受けられるのであれば、一番成功率の高く、理にかなっている手術を選ぶべきだと考えます。


▶︎▶︎▶︎もし、偽眼瞼下垂症なのか?眼瞼下垂症なのか? を悩まれてる方は、眼瞼下垂症治療専門の高田眼科にまで、お気軽に相談ください。



次に、純粋な偽眼瞼下垂症を前提として、治療のアプローチを説明させていただきます。

 

眼瞼下垂のような症状でありながら眼瞼下垂ではない偽眼瞼下垂は、アゴを上げて見たり、眉毛を上げたりするよう になるのも後天性眼瞼下垂と似ています。

そこで、単に皮膚がたるんでいるだけなのか、原因となるほかの病気があるかについての検査から始めます。

 

それによって当然、治療法も違ってきます。大まかにいうと、皮膚のたるみがまぶたにあるのか、それともおでこにあるのかによって区別され、それぞれ症状によってふさわしい治療が選ばれます。


まぶたのたるみがまぶたにある場合は、皮膚のたるみを折りたたんで視野を広げる「埋没法」が軽度の症状の場合には検討されます。

 

たるみが重度の場合は、手術による「切開重瞼(せっかいじゅうけん)」「単純皮膚切除術」を行います。

 

もともと二重まぶただったのに奥二重になった、などの方には眉の下で切開するため「眉毛下切開」ともいわれる「上眼瞼(じょうがんけん)リフト、アイリフト」があります。


次に、おでこにたるみがある場合は、眉毛の上のたるんだ皮膚を切除する「ブローリフト」があります。

 

また、おでこ全体が下がってしまってまぶたに影響を与えている場合は生え辺りを切開する「前頭部リフト」も行われていますが、ご自身の症状と効果、手術後の経過などについて、さまざまな点を考慮に入れて、経験豊富なドクターと相談されたうえで決定してください。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

※2020.3.12 記事内容を修正・更新いたしました。


・後天性眼瞼下垂とは?


「後天性眼瞼下垂(こうてんせいがんけんかすい)」とは、普通にまぶたが開いていた人が、徐々に、あるいは急にまぶたが下がってきた状態です。

 

ほとんどの場合は、目の「腱膜(けんまく)」が伸びたり、ゆるんでしまうことにより、まぶたが少しずつ下がる「腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)」です。

 

まぶたは、「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきん)」の収縮によって上がりますが、この筋肉が、途中から薄い膜状になるのが腱膜です。

 

加齢で筋力が落ちることで起きる場合が多いようですが、目を強くこする癖のある人にも起きます。

 

そのほかにもハードコンタクトレンズを長期間、装用した場合や、白内障や緑内障手術などの経験者に生じてくることもあります。

 

ハードコンタクトレンズ装用に伴うのは、ハードコンタクトレンズは外す際に、まぶたを引っ張ることで、眼瞼挙筋腱膜が断裂するからです。

 

白内障や緑内障手術後に起こるのは、手術の際に、開瞼器というまぶたを強制的に開く器具を使うのですが、無理やり開き過ぎて、眼瞼挙筋腱膜を傷つけられたことで起こります。

 


後天性眼瞼下垂は、このほかにも、神経や筋肉の異常によって起きる場合もありますので生活するうえで注意が必要です。

 

神経の原因としては「動眼神経(どうがんしんけい)」や「交感神経(こうかんしんけい)」の麻痺や異常、筋肉は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」や「ミュラー筋」に異常がある場合です。

 

眼瞼挙筋は動眼神経の刺激で作用し、ミュラー筋は交感神経の刺激で作用する関係にありますが、

 

まぶたに関しては、ブログ記事「まぶたの仕組みを知ろう」をご覧ください。


神経が原因の場合の眼瞼下垂症は、外眼筋の麻痺も合併することが多く、結果、斜視になることで、乱視でないのに物が二重に見える「複視(ふくし)」を自覚することが多いです。

 

その一方で、筋肉・腱膜が原因の場合は複視が悪化することがありません。


・症状と治療について

後天性眼瞼下垂の症状は、数年間かけて徐々に現れるため、自分では気づかぬ内に症状が悪化してしまうこともあります。

 

ただ、眼瞼下垂による見えづらさをカバーするために眉を持ち上げたり、アゴを上げたりするようになると要注意です。

 

長期間、繰り返してしまうと、額のシワが増えてしまうこともあります。

 

逆に、額のシワがヒドい人は、眼瞼下垂症である可能性が高いとも言えます。

 

さらに日常生活のなかで、上まぶたが重い感じがあり、目が開きづらい状態になっているので

 

肩こりや頭痛、視力の低下など、さまざまな症状を引き起こします。

 

したがって、後天性の眼瞼下垂と診断された場合は、早めに治療を受けたいものです。

 


治療では、眼瞼挙筋を切除して短縮する「挙筋短縮法(きょきんたんしゅくほう)」が昔から行われてきましたが、ミュラー筋を傷つける危険性が高いため、最近は重度の眼瞼下垂に実施されるようです。

 

現在、ゆるんでしまった腱膜を、筋肉を傷つけずにまぶたの内にある「瞼板(けんばん)」に再固定する「挙筋前転法(きょきんぜんてんほう)」が主流になっています。

 

高田眼科での手術も、ほとんどがミュラー筋を傷つけることを避けるために、眼瞼挙筋前転法を選択しております。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

※2020.3.12 記事内容を修正・更新いたしました。


 

・先天性眼瞼下垂って?

「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」とは、 生まれた直後から、上まぶたが下がって開きにくくなっている状態を言います。

眼瞼下垂症の分類


その多くは、まぶたを引っ張り上げている「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」という筋肉の発育不全によるもので9割を占めるともいわれ、「単純性下垂」と呼ばれています。生まれつきまぶたを上げる筋肉が働かないことや、力が弱いために眼瞼下垂になってしまいます。

この筋肉は、自分の意思で動かすことのできる随意筋で、骨格を動かす骨格筋でもあります。また、表情筋ではなく眼球の周りにつく外眼筋に含まれます。

このほか、眼筋と呼ばれる筋群の大部分を支配し、眼球の運動に関わる「動眼神経(どうがんしんけい)」が麻痺した「先天性動眼神経麻痺(せんてんせいどうがんしんけいまひ)」、あくびや水を飲むなど、口を開くと共に上まぶたが上がる「マーカスガン現象」などの神経の異常があります。

また、全身の疲労感が伴う「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」、左と右の目の間隔が特に離れたように見える「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」などによっても生じます。



・症状と治療について

先天性眼瞼下垂の症状は、どちらか片側の目の方に出る「片眼性(へんがんせい)」をとることが多いようで、約8割を占めるという数字もありますが、両側に症状が現れる「両眼性(りょうがんせい)」の可能性もあります。


視力に障害を及ぼすケースは多くはないものの、「斜視(しゃし)」や「弱視(じゃくし)」を伴うこともあります。斜視は、片方の目が正しい方向を向いているのに、もう片方の目がズレて向いている状態。

弱視は、視覚情報が伝わる経路上に支障があることで視力が弱まった状態を指します。眼鏡やコンタクトレンズを使っても視力が十分に出ない場合に弱視と判断されます。

通常は、弱視の程度はそれほど重くはないのですが、眼瞼下垂の症状が重くなればなるほど、弱視になる可能性が高まるといわれます。

治療は、瞳孔が完全に隠れてしまっている場合は早めの治療が必要になりますが、一部のまぶたの被りに過ぎず、赤ちゃんが見ようとしているのであれば、あわてて手術をせず視力を観察しながら成長を見守り、3歳を過ぎてから行うのが一般的です。

審美的な観点からも、ある程度、体の成長が安定する時期まで待ってから、手術する方が望ましいとも言えます。


いずれにしても先天性眼瞼下垂は、視力とも関わりますので眼科受診を継続することが大切。

さまざまな原因や症状が考えられるため、医師と相談しながら慎重にすすめてください。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

※2020.3.12 記事内容の修正・更新を行いました。


 

◼︎まぶたの働き

私たちは普段、特に意識することなく、まぶたを開いたり閉じたり、まばたきを繰り返していますが、このまぶたの働きや構造に問題が生じている際に、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が発生するのです。


まぶたは、上まぶたと下まぶたで一組になっていて、表面は薄い皮膚で覆われ、裏側は結膜とつながっています。
物を見るときはまぶたを開き、眠るときはまぶたを閉じますが、ホコリや光などを感じたときは、瞬時に閉じて眼球にフタをするように保護する役割があります。

また、閉じたり開いたりしてまばたきをすることで、塩分を含む液体でもある涙を出して汚れを洗い流したり、目の表面に涙の膜を作って、目が開いた状態でも目が乾かないように保護する働きも行っています。


人がこのように、まぶたの開け閉めを行う際は、主に「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」、「ミュラー筋」、「前頭筋(ぜんとうきん)」、「眼輪筋(がんりんきん)」の4つの筋肉を使っています。

特に眼瞼挙筋は、まぶたを上げる際の動力となる筋肉で、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の重要な要因となります。



◼︎まぶたの開け閉め

まぶたを上げる(あける)ときに大きな力になる筋肉が眼瞼挙筋で、この筋肉はまぶたの後ろにあって、まぶたの先に近づくにつれて「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」という薄くて堅い膜になり、まぶたの先端部分にある「瞼板(けんばん)」という板状になった軟骨の前面に付着しています。

まぶたは、まず脳から眼瞼挙筋に信号が送られ、この筋肉が縮んで挙筋腱膜を介して瞼板が上へ引っ張られることによって上がります。例えるなら、マリオネット人形のようなイメージです。


また、眼瞼挙筋の裏側で瞼板に直接つながっているのが「ミュラー筋」で、この筋肉も補助的にまぶたを上げる働きをしています。体全体につながる筋肉で、肩こりや腰痛などの原因ともなると言われております。

ミュラー筋は、びっくりした時や怒った時に、目を見開く際に使われる筋肉です。


前頭筋は、眉毛の上から頭頂部付近まで縦に伸びている筋肉で、眉毛を上げる役割を果たし、同時に額にシワを作ることになります。目を見開くようにまぶたをあける場合がありますが、このときは前頭筋を使っているのです。

眼瞼下垂症になった際には、一般的に、この前頭筋による代償が働きます。

結果として、眼瞼下垂症になると、眉が上がり、額にシワが入ります。


一方で、まぶたを閉じる際に使う筋肉が、眼輪筋です。

上まぶたから下まぶたにかけて、その名の通り輪のようにまぶたの周囲をくるくると同心円状に取り囲むようについていて、これが収縮することでまぶたが閉じられます。


眼球を上に回転させ白目をむくようなときに使われる「上直筋(じょうちょくきん)」を、まぶたを上げる筋肉に含ませることもあります。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

※2020.9.17 内容を更新


 ■「眼瞼下垂」とは?


 眼瞼下垂症に悩む女性の画像

 眼瞼下垂(がんけんかすい)とは読んで字の如く、まぶたが垂れ下がる状態、つまり、まぶたが通常の位置より下がり、目が開けづらくなるような状態のことを眼瞼下垂(がんけんかすい)といいます。

したがって、瞼(まぶた/目蓋)を引き上げる構造に異常が発生し、結果として、瞼(まぶた)を上げようとしても瞼が上がらなくなる状態のことです。

人の体というのは、脳からの命令が神経を介して伝わり、筋肉が動き、そして、筋肉の力が、腱を介して、骨に伝わり動きます。

まぶたに置き換えると、脳→動眼神経→眼瞼挙筋→眼瞼挙筋腱膜→瞼板(軟骨)→まぶた と伝わることとなります。


つまり、眼瞼下垂症というのは、この経路の何処かで障害が起きてしまい、瞼が上がらなくなることとなります。

神経系統に異常が出るパターン、腱膜に異常が出るパターン、筋肉系統に異常が出るパターン、瞼(まぶた)の皮膚などに異常が出るパターンに分かれます。

一番多いのが、筋肉系統の眼瞼挙筋腱膜に異常がでるパターンです。つまり、眼瞼挙筋腱膜と瞼板軟骨との接着が外れてしまったり、眼瞼挙筋腱膜が過剰に伸びてしまったり、断裂したりする状態で、後天性腱膜性眼瞼下垂症と呼びます。

これは、スポーツ外傷で、よく見受けられるアキレス腱断裂みたいもので、アキレス腱も複数本あるので、少し切れたとしても問題がないように、眼瞼挙筋腱膜も部分的に断裂をしていって、断裂が激しくなりに連れて、眼瞼下垂症も重症化するイメージです。

後天性というのは、年齢を重ねることで段々と進んでくる状態と言えますが、生まれながら、瞼(まぶた)が上がりにくい状態のことを先天性眼瞼下垂症と言います。

また、瞼の皮膚の余剰、目を閉じる筋肉(眼輪筋)による不調などによって引き起こされる眼瞼下垂症を偽眼瞼下垂症(ぎがんけんかすいしょう)と分類されます。

眼瞼下垂症によって、引き起こされる身体的異常は、視野の狭窄化に伴う視力の低下、ドライアイ、眼精疲労、肩こり・頭痛などの慢性疲労症状などが挙げられます。


■隠れ眼瞼下垂、[代償性眼瞼下垂とは?]


MRDの測定方法の画像 眼瞼下垂症の診断について、もの凄く難しいように思えますが、実は、意外に単純で、物差し一つで、ある程度の診断の見通しが出来たりします。

(※最終的な診断行為というのは、医師が行うものではありますので、その点はご理解をください。)

先ず、眼瞼下垂症の医学的な診断基準は、目安として"MRD(margin-reflex distance)"が3.5mm以下になった場合と定められています。

これは、"上まぶたの縁と黒目の中央部の距離"がおよそ3.5mm以下になったら、眼瞼下垂と診断される”ことを意味します。

 

正常に目が開いている場合でも、黒目の上の方に上まぶたが少しかかっていて、"上まぶたの縁と黒目の中央部の距離"は3.5~4.0mm程度です。

軽度の眼瞼下垂では、上まぶたは瞳孔にかかり、この場合の距離は1.5mm前後、中程度では0.5㎜前後。重症になると上まぶたが瞳孔をふさぎ、距離の数値はマイナスとなります。

しかしながら、人間の身体は、よく出来ていて、眼瞼挙筋などに問題が発生し、まぶたが上がらなくなったら、前頭筋(ぜんとうきん)というオデコ(額)の筋肉を使って、眉を上げることで、眼瞼挙筋の働きを助け、一見して眼瞼下垂症がないような状態になります。

これを眼瞼下垂症の代償期といいます。

これは、いわゆる「隠れ眼瞼下垂症」と言える状態です。

代償期の眼瞼下垂症においては、MRDは、実際の病態よりも、少なく見積もられた数値となってしまうので注意が必要です。

前頭筋の働きによる眼瞼下垂の代償作用は強く、眼瞼下垂症が重度になってきて、初めて、MRDによって、眼瞼下垂症の診断が可能となるようなケースも多々あります。

ちなみに、眼瞼下垂症の伴う代表的な付随症状のほとんどが、この代償の働き、前頭筋の過緊張によって引き起こされるものだと言えます。

肩こり・頭痛・眼精疲労などの症状で眼瞼下垂症を疑って、眼科を受診したものの、代償期の眼瞼下垂症だったため、瞼(まぶた)が下がってないということで診断を否定されることもあり得ます。

そこで、眼瞼下垂手術を行うかどうかを考える上でも、代償を考慮に入れた眼瞼下垂の診断が大事になるわけです。

代償期を加味した眼瞼下垂症のの自己診断・セルフチェック方法


 眼瞼下垂症の代償とは、前頭筋の働きで眼瞼下垂症を軽減する状態ですので、前頭筋の働きが関与しなかった場合の瞼の挙がり幅(MRD)を測定することで調べられます。


そのやり方を提示しましょう。(参照:ひとみ眼科のどの手術方法がおすすめ?美容外科手術との違いなど眼瞼下垂手術の全て教えます!

 

眼瞼下垂症の自己診断で使用するのは、iphoneなどのスマートフォンのカメラ機能と物差しです。

 

STEP.1


眼瞼下垂セルフチェックの画像

 

 洗面所などの鏡の前に立ち、定規を眉から垂らすように指先を固定します。

代償作用を抑えるという意味で、額の力を抜くことを意識して、必ず目を閉じた状態で行ってください。

 


STEP.2:


眼瞼下垂症セルフチェックの画像
 定規で押さえつつ、眉を出来るだけ持ち上げないように、そっと目を開けてください。


眼瞼下垂症がある方は眉が上がろうとするので、しっかり指で眉を固定しましょう。

 

STEP.3:


眼瞼下垂セルフチェックの説明画像

 STEP.2の状態を維持しながら、スマートフォンの写真機能で、洗面所の鏡で確認しながら、瞳(黒目のこと)の位置を正面にした状態で写真を撮影。

 

STEP.4:


 撮影した画像をスマートフォンで表示し、拡大して、瞳の中心から瞼の縁までの距離を確認。


瞳の中心から、瞼の縁までの距離 marginal reflex distance(MRD)を用います。眼瞼下垂症を診断する際には大事な要素となります。

 

さきに、説明しましたが、MRDの正常値は3.5mm以上となりますが、眼瞼下垂症の方ではMRDが3.5mm以下になった状態になります。

 

一般的に、MRDが3.5mmから瞳孔上縁までを軽度、瞳孔上縁からMRDが-0.5mmまでを中等度、MRD:-0.5mm以下を重度と分類します。

 

つまり、先ほどのスマートフォンで撮影した写真から測定できるMRDから、ご自身が眼瞼下垂症なのかを判断することができます。

 

そして、眼瞼下垂は、片側の目のみに現れる「片眼性(へんがんせい)」と、両目共に出る「両眼性(りょうがんせい)」がありますが、一般的には、左右差はあっても両眼性のパターンが多いため、手術は両眼に対して行い治療することが多いです。



■「眼瞼下垂」手術の判断基準について


眼瞼下垂に悩む方から、「どの程度から手術の適応となるのですか?」と質問をいただきます。

高田眼科(ひとみ眼科)としては、眼瞼下垂(がんけんかすい)が軽度であっても、眼瞼下垂症特有の症状に悩まされており、かつ、眼瞼下垂手術により改善される見込みがあるのであれば、手術適応とさせて頂いております。

ただし、眼瞼下垂症手術は、あくまで最終手段であり、術前の診察、手術の説明等を行った上で、手術のメリットだけでなく、デメリットも理解して頂いた上で選択すべきだと考えております。




■「眼瞼下垂」の代表的な症状


 

眼瞼下垂症の代表的症状のリスト


 眼瞼下垂になると、まぶたが下がるため、物が見えにくくなります。また、まぶたが下がることによって、周囲からはいつも眠たそうな表情にみえてしまいます。

目が開きにくく、まぶたが重いと感じて上げるのが難しくなると、代償によって、まぶたを上げようとするために額に力が入ります。

すると、眉毛が高く上がったり、おでこに深いシワがよってしまうことも。

まぶたを動かす筋肉も関係しているため、二重まぶたの幅が広がったり、まぶたが三重になって、メイクをする際にアイライナーがうまくひけないこともあります。


また、視野が狭くなるため、アゴを上げて周囲や下の方を見るようになり、動作も不自然になります。このような見た目だけの問題だけでなく、眼精疲労や頭痛、肩こりを引き起こすこともあります。


■眼瞼下垂症の意外に盲点になる症状:睡眠障害



メラトニンとセロトニンの分泌の図

日本においては約5人に1人が、不眠の症状で悩んでいるとされています。

不眠症は、小児期や青年期にはまれですが、20~30歳代に始まり加齢とともに増加し、中年、老年と急激に増加します。

不眠症の原因には、心理的な要因、身体的な要因、薬理的な要因、環境的な要因など、さまざまなものがあります。

意外なことに思われるかもしれませんが、眼瞼下垂症は、睡眠障害の原因となり得ると言えます。

それは、光によって、覚醒ホルモンであるセロトニンと睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がコントロールされているからです。

 

人は、目に光をしっかり浴びることで、脳を覚醒させることが出来ます。

それは、光刺激により、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌がリセットされ、覚醒ホルモンであるセロトニンが分泌されるからです。

睡眠障害の治療として、起床時に、しっかりと光を浴びることを推奨されているのは、このホルモンサイクルに対してプラスに働くと考えられているからです(高照度光照射療法)。

つまり、眼瞼下垂症になると、常に、瞳孔に瞼が被さってる状態になるため、光が網膜に十分届かなくなり、メラトニン分泌優位な状態になります。

メラトニンが分泌されると体温が低下し、人間は睡眠の体制に入り、眠くなります。

眼瞼下垂症になると、睡眠障害がひどくなり、仕事や勉強などの集中力の低下などに繋がります。

夜の長距離の運転、深夜の受験勉強の際、眠気を覚まそうと、瞼を擦って、目を見開くようなことをしたことはありませんか??

人は瞼をしっかりと見開くことで、覚醒状態を維持しやすくなることを本能的にわかっているからです。

眼瞼下垂症を治療することで、睡眠障害が治り、1日の活動性が上がるということは、特段、当たり前のことだと考えます。




■「眼瞼下垂」のタイプと原因


 眼瞼下垂は、先ず、大きく3つに分られます。

 生まれつきの「先天性眼瞼下垂」と、大人になってから何らかの原因でまぶたが下がる「後天性眼瞼下垂」に分類されますが、
まぶたを上げる筋肉や腱には異状がないけれども、瞼が下がってるようにみえる「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」というタイプのものもあります。

偽眼瞼下垂は、眼瞼挙筋や眼瞼挙筋腱膜に異常がないということもあり、それぞれの原因に対応した治療が必要となります。


眼瞼下垂症の種類のリスト
 眼瞼下垂の原因は、まぶたを動かす神経に何らかの異常が生じた場合、または、まぶたの筋肉に異常がある場合、さらにまぶたの一部である「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」の異常が原因で起こる場合の3つに大きく分けられます。

神経性の眼瞼下垂症については、糖尿病による一時的な外眼筋麻痺(罹患神経は動眼神経より外転神経や滑車神経の方が多い)による眼瞼下垂症、重症筋無力症による眼瞼下垂症、脳動脈瘤による動眼神経麻痺が原因の眼瞼下垂症などが代表的となります。

これらは、通常に行われる眼瞼下垂症手術では治らず、それぞれの原因疾患へのアプローチが必要となります。

腱膜性眼瞼下垂症については、花粉症やコンタクトレンズを使うときなどに、まぶたを強くこする行為がずっと続くだけで、眼瞼下垂症になってしまうので、注意が必要です。

眼瞼下垂症については、詳しい原因や程度により、それぞれにふさわしい治療法・手術方法があります。


>>高田眼科(ひとみ眼科)オリジナル眼瞼下垂手術方法:TKD切開・ファシアリリース法については、こちら!!




投稿者: 高田眼科

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