2016.04.11更新

「動眼神経再生過誤(どうがんしんけいさいせいかご)」という、この聞き慣れない疾病の言葉の意味を一つ一つご説明します。
まず「動眼神経」は「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と密接に結び付く神経で、外眼筋(がいがんきん)を支配する以外に、まぶたを挙げるために働く「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」を司っています。
次に「再生過誤」とは、再生(この場合は、動眼神経が麻痺した後の神経再生)が過誤(誤り・過失)してしまうことを意味し、それが原因となって眼瞼下垂が発症します。

では、なぜそのような事態が引き起こされてしまうのでしょうか。

原因としては、赤ちゃんが産道を通過する際や子宮腔内での胎児の位置(胎位)などにより頭部が圧迫されたりする出産時のトラブルや、成人になってから頭部に受ける外傷、(血液を臓器や組織に届ける)動脈にできる瘤(脳動脈瘤/のうどうみゃくりゅう)などにより、動眼神経が傷ついたり圧迫されたりすることで生じる麻痺が挙げられます(この場合に特筆すべきは、脳動脈瘤の破裂は、クモ膜下出血から命に関わる事態も予想されるため、MRIなど頭蓋内の精密検査や脳神経外科による処置が緊急に求められるということです)。


さて、動眼神経再生過誤は、こうして麻痺した神経が再生する過程で、本来、支配している筋肉とは異なる筋肉を誤って支配してしまうことにより生じます。神経線維は、線維束と呼ばれる長いケーブルが、接触しながらまとまって走っているイメージを浮かべていただけるとよいと思います。ここで、障害が生じた神経が再生する過程で、正常なケーブルではなく隣接する別のケーブルに誤って接続される「迷入再生」を引き起こす場合があります。こうした状況が動眼神経再生過誤と呼ばれ、前述の症状に結び付きます。

再生過誤そのものの治療は困難で対症的な療法しかないといわれてきましたが、リハビリや投薬による症状の改善が報告されています。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

2020.3.29 記事内容を修正・更新しました。


眉毛下垂って?


アンチエイジングという言葉が、特に女性向けに盛んに発信されています。

 

これは、老化の進行を遅らせる"抗老化"を意味しますが、この場合に老化を表す現象の一つに挙げられるのが肌のたるみです。

 



肌は、手で触れることができる外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。

 

化粧品の広告でよく出る(肌の保湿とバリア機能をもつ)角質層は、この表皮の最も上層にあり、これもよく目にするコラーゲン(繊維状タンパク質)は、真皮内にあって肌を支えています。

 

したがって、この真皮が肌を支えハリや弾力を保つ働きを果たしているのです。

 

20代の肌は、きめ細かなコラーゲンが豊富で、3次元的で厚みがあります。

 

歳を重ねるごとに、肌のコラーゲン組織は荒く硬くなり、平面的で薄くなります。

 

例に挙げると、鶏肉は、若鳥であれば、プリプリとしていて弾力がありますが、噛み切れる柔らかさがあると言えますが、逆に、親鳥では、その肉質は硬く噛み切れにくい状態となります。

 

年齢が高くなるに従い、皮膚組織は、薄く硬くなり、硬化したゴムのようになります。

 

当然、復元力がなくなり、伸びた状態となるわけです。

 

「眉毛下垂(まゆげかすい)」は、血行や代謝が悪くなって真皮内のコラーゲンや(水分を保持する)ヒアルロン酸が減ってしまう肌の老化と大きく関係します。

 

こうしてコラーゲンの繊維が肌を支える力が衰えることで前額部の皮膚のたるみが生まれ、これに筋肉のたるみも加わって眉毛が下がり、まぶたを押し下げることが「眉毛下垂(まゆげかすい)」の原因となります。



眉毛が下がる症状

「眉毛下垂(まゆげかすい)」は、「まぶたが重く開けづらい」など、眼瞼下垂と似たような症状をもつ「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」の一つで「眼瞼下垂は3タイプとは」で詳しく説明しています。



老化に伴う眼瞼下垂というと、([後天性眼瞼下垂]の症状「老人性眼瞼下垂」が挙げられますが、眉毛下垂は、まぶたの開け閉めに関わる筋肉や神経には障害が起きていない点などが、眼瞼下垂とは違います。



また、単に眉毛が下がる症状のみを取り上げると、事故などによる外傷や手術後に顔面神経麻痺が発症するケースがありますが、これについては[後天性眼瞼下垂]の症状「機械的眼瞼下垂」、[後天性眼瞼下垂]の症状「外傷性眼瞼下垂」に述べているとおり、偽眼瞼下垂ではなく、後天性眼瞼下垂になります。



皮膚の老化に伴う症状のため対策といっても限界がありますが、例えば眉毛を無造作に抜くことは皮膚のたるみにつながるので避けた方が無難です。

 

眉毛を抜くと、どうしても皮膚が引っ張られてしまいますが、何度も繰り返すと皮膚が伸びやすくなり、肌のたるみにつながってしまう可能性があると言われております。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 

「外傷性眼瞼下垂(がいしょうせいがんけんかすい)」は、外傷(体外から加えられた物理的な力によってできた傷)が原因で眼瞼下垂が発症するタイプの眼瞼下垂です。

 

この場合に外傷の原因となるのが「白内障」、「緑内障」などの眼科手術を受けた際や事故などです。



「白内障」「緑内障」は、いずれも視力悪化に大きな影響を与える疾病ですが、これらについては  [後天性眼瞼下垂]の症状「内眼手術後眼瞼下垂」でも詳しく説明しています。


これは、眼科において「白内障手術」、「緑内障手術」が「硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)」と共に、まとめて「内眼手術(ないがんしゅじゅつ)」と呼ばれていることによりますが、いずれにしても手術が契機となって眼瞼下垂の症状が生まれます。

 

これらに事故を原因とする外傷が加わって外傷性眼瞼下垂と呼ばれます。

 


外傷性眼瞼下垂における3タイプ

外傷性眼瞼下垂は、前述の原因によって発症する「動眼神経麻痺(どうがんしんけいまひ)」と「腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)」、さらに「ホルネル(Horner)症候群」の3つの疾病にさらに分けられます。

これらの疾病については、それぞれ[後天性眼瞼下垂]の症状「後天性動眼神経麻痺」、[後天性眼瞼下垂]の症状「腱膜性眼瞼下垂」、[後天性眼瞼下垂]の症状「ホルネル(Horner) 症候群」にまとめられていますが、その原因について簡潔に説明しましょう。

動眼神経麻痺とは、眼球を鼻側(内側)方向に向ける「内直筋(ないちょくきん)」、上下に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」と「下直筋(かちょくきん)」、外方向に回転させる「下斜筋(かしゃきん)」を支配するほか、まぶたを上げる「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」も支配しているため動眼神経に麻痺が生じることで、眼瞼下垂が生じます。

次に腱膜性眼瞼下垂ですが、この「腱膜」とは、まぶたを上げる際に大切な「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」を指します。腱膜性眼瞼下垂は、この挙筋腱膜とまぶたを引き上げる「瞼板(けんばん)」との付着部分が外れたり、挙筋腱膜が伸びたり薄くなったり、切れたりし、瞼板が自然に持ち上がらなくなって、まぶたが開きづらくなることで、眼瞼下垂になります。 

最後に「ホルネル(Horner)症候群」は、脳から体の末梢に向かう交感神経遠心路のどこかに障害が起きて生じる疾病で、やはり眼瞼下垂につながる場合があります。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

※2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 

「機械的眼瞼下垂(きかいてきがんけんかすい)」の「機械的」とは、「機械的刺激」のことを指し、何らかの物理的な力や摩擦を意味します。

 

こうした刺激によってまぶたの開け閉めに関わる「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」やミュラー筋などが変化し引き起こされる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」を、機械的眼瞼下垂と呼んでいます。


この物理的刺激を与える原因となるものに、まず最初に、眼瞼(がんけん)、つまりまぶたや、眼窩(がんか)の腫瘍が挙げられます。まぶたに生じる良性および悪性腫瘍の重みによって、まぶたを動かす筋肉が耐えられず下垂してしまうケースです。

 

眼瞼腫瘍によって眼瞼下垂が引き起こされる疾病は、眼瞼下垂ブログ記事:[先天性眼瞼下垂]の症状「眼瞼腫瘍」にも詳しく書かれています。

 

眼窩腫瘍の「眼窩」とは、眼球が入っているくぼみのことです。眼窩腫瘍による眼瞼下垂は、この眼窩上緑(上部)に腫瘍ができることで、眼瞼腫瘍と同じ経緯によって発症します。

次に挙げられるのが、頭蓋骨の前頭部を形成する前頭骨の骨折です。

 

交通事故や転倒・転落、殴打などが原因となって生じる主に額の部分の骨折により、その範囲が眼窩壁(眼窩の奥にある薄い骨)にまで及んだ場合に、まぶたや眼球の運動障害を生じさせ眼瞼下垂を引き起こします。


異物による刺激は、主にハードコンタクトレンズが原因となって起こります。

 

眼瞼下垂を生じさせる理由としては、一日に2万回程度も行われるまばたきの際に、角膜上に装着されたハードコンタクトレンズ(ときにはソフトコンタクトレンズでも)と、まばたきによるまぶたの上下運動の間で摩擦が生じることによるとも言われております。

 

これらの物理的な障害によって、まばたきする際の動力となる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」が徐々に伸びてしまったり、その先にある「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」やミュラー筋が伸びたり、場合によっては線維化するなどして、眼瞼挙筋の力がまぶたに伝わりにくくなって眼瞼下垂が発症します。

 

また、ハードコンタクトレンズを装着するとき、あるいは取り外すときに、上まぶたを引っ張りすぎる行為が何度も繰り返されることで、挙筋腱膜と瞼板の接合部に負担がかかって外れやすくなることで同様の事態が引き起こされ、眼瞼下垂が発症します。

 

そのため、ハードコンタクト専用ですがスポイトを使用することで、まぶたをひっぱることなくレンズを外すことができるため、まぶたのたるみ対策として効果的です

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

※2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


 ミオパチーとは、「Myo-(筋肉)」と「-pathy(病、苦痛)」からなる単語であり、一般的には筋肉の疾患の総称を指し、非常に多くの病気を含んでいます。

 

主に、筋肉(骨格筋)が萎縮することによる筋力の低下に関連するものが症状の主になります。

 

筋肉が萎縮する原因には大まかに2つあります。

 

1つは筋肉自体に問題がある場合であり、もう1つは筋肉を動かす神経に問題がある場合です。

 

前者を筋原性疾患(ミオパチー、Myopathies)といい、神経障害とは関係なく、筋肉そのものの障害のために筋肉がやせて萎縮し、筋力の低下を引き起こす疾患を指します。

 

後者は、筋肉を支配する神経に障害が生じる疾病、「神経原性疾患(ニューロパチー、Neuropathies)」と区別しております。

 

いずれも極度の筋力低下を伴う重篤な難病ですが、ミオパチーの中では筋ジストロフィー (Muscular Dystrophy)が代表的な疾患であり、ニューロパチーでは筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis、ALS)が代表的な疾患としてされております。

 

そして、眼瞼下垂症の症状を合併するものとして、「遠位型ミオパチー」があります。

 

遠位型ミオパチーは、厚生労働省によって「指定難病」に指定されている非常に稀な疾患群です。

 

この「遠位型」とは、体幹(人間の体で頭部と手足を除いた胴体部分)から 遠くに位置する筋肉である遠位筋のことで、例えば指先や足首を動かすような筋力から能力の低下が生じるという意味になります。

 

遠位型ミオパチーは、遠位側の筋肉を主体に萎縮する特殊なミオパチーの9つの疾患の集合体で、日本では「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」(常染色体劣性)、「三好型ミオパチー」(常染色体劣性)、「眼咽頭遠位型ミオパチー」(遺伝形式不明)の3疾患しか見いだされておりません。

 

その中でも、「眼咽頭遠位型ミオパチー」は、通常成人期~老年期にかけて発症し、眼瞼下垂、眼球運動障害、嚥下障害に加えて、特に前脛骨筋を侵すミオパチーを呈します。

 

先に述べたように、ミオパチーの代表的な疾病として、皆さんもよく目にすることがある「筋ジストロフィー」があります。

 

ジストロフィーとミオパチーは、ほぼ似通った疾患に別々の用語が使われていて紛らわしいのですが、筋ジストロフィー自体は「遺伝性があり進行性の筋力低下がみられるミオパチー」と定義されます。

 

実際に、「眼咽頭遠位型ミオパチー」の一部の患者は、実際には、臨床病理学的に類似する、進行性である眼咽頭型筋ジストロフィーに罹患しているといわれております。

 

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」との関連で言えば、この遠位型ミオパチーのほかに、先天性筋強直性ジストロフィーも含まれます。

 

眼瞼下垂症ブログ:後天性眼瞼下垂]の治療「筋強直性ジストロフィー」を参考ください。

 

したがって前述の筋強直性ジストロフィーは進行性ですが、この眼咽頭遠位型ミオパチーも同じく進行性で筋肉そのものの障害となります。


いずれにしましてもミオパチーは、患者数が極めて少なく、「指定難病」にも指定されています。

 

結局、遺伝による筋肉の疾患とされているものの、ミオパチーに該当する疾患は多様なため、症状と遺伝との関連もさまざまで、なかには遺伝とのつながりを見い出せない疾患もみられます。

ミオパチーの多くは肩や腰をはじめ体幹部に近い筋肉(近位筋) から発症するため、遠位型はミオパチーのなかでもさらに希少な疾病ということができます。

 

何れの疾患も現時点では根本的治療法はありません。

 

結果として、合併する眼瞼下垂症についても、治療方法は確立していないといえます。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新


日本国内でみられる遠位型ミオパチーのなかでも、「縁取り空胞(ふちどりくうほう) 型)、「三好(みよし)型」と違って「眼咽頭遠位型(がんいんとうえんいがた)ミオパチー」は確かな原因が明らかになっておりません。また、難病情報センターのWEBサイトに「『超』希少疾病」と記されているように、同じ遠位型ミオパチーのなかでも患者数からみて最も希少な「指定難病」と言うことができます。
中高年世代の男女で発症し、両側(まれに片側)の目の「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関わる緒症状や、食物が飲み込みにくくなる「嚥下困難(えんげこんなん)」が生じます。また、咽頭筋が弱くなるため、言葉がはっきりしなくなることで気づく場合もあります。さらに10年以上経過して症状が進行すると、眼球運動を司る外眼筋(がいがんきん)、目・鼻・口・耳の開口部に広がる顔面筋(表情筋)の能力低下、舌の萎縮や脚の筋力の低下までを伴うようになり、歩行障害に陥る事態も引き起こされます。歩行がしづらくなる場合は、前頸骨筋(ぜんけいこつきん)に障害が生じています。前頸骨筋とは、膝下の外側から土踏まずまで続いている長い筋肉で、歩く際につま先を持ち上げる役割を果たしています。


一方で眼咽頭遠位型ミオパチーは、光の量を調節する虹彩筋(こうさいきん)と、目のレンズともいえる水晶体で遠近調節をする役目のある毛様体筋(もうようたいきん)の2つを総称する内眼筋(ないがんきん)や、全身に血液を送るポンプの機能を果たす心筋が侵されることはなく、視力や生命の危険に晒されることはないとされています。


遺伝性疾患ですので、原因となる遺伝子に変異がある方が発症しますが、現在のところ対症療法しかありません。眼瞼下垂については、重症になった場合は手術が行われます。待たれるのは新薬の開発などですが、患者数が少なくあまりに希少な疾病のため非常に困難なのが現状です。

投稿者: 高田眼科

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な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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