2016.06.24更新

眼瞼下垂の古典ともいえる書籍

専門家向け・患者さん向けを問わず、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関する情報が得られる書籍を3回にわたってご紹介する3回目。入手が難しい書籍も含まれますが、今回は、医師向けの眼瞼下垂に関する古典ともいえる書籍と、一般向けの書籍の2冊を紹介します。眼瞼下垂の情報収集の一助となればと思います。

■「BEARD'S PTOSIS 眼瞼下垂」
メディカル葵出版/井出 醇 訳

Michel Beard博士によって1969年に初版が著されたという、いわば眼瞼下垂の古典といってよい書籍です。眼瞼下垂手術の原点がここにあり、当時は、わずか450例の経験から、この歴史的な取組みが行われました。眼瞼下垂治療の歴史を感じることのできる内容になっていますので、興味のある方は手にとってみてください。300ページに迫る大型本でメディカルイラストや白黒写真による術式の説明が満載です。

改定を担当した当時のCallahan博士の序文には次のように記されています。「多くの眼形成手術の中で、眼瞼下垂は一定した結果を得るのが難しいという理由で、最も興味をそそられるものだった。」
このような時代を経て眼瞼下垂治療は現在も進歩し続けていますが、この書籍は初版から数えて第四版(1990年)にあたる内容を、現役の眼科医である井出醇さんが翻訳されたものです。
専門的な内容を含みますが、患者さんと医師の間の話し合いの必要性、つまりインフォームドコンセント(手術などに際し、医師が正しい病状や治療方針を分かりやすく十分に説明したうえで患者との合意を得る)についても語っている点は一般の方にも興味深いでしょう。



眼瞼下垂のセミナーをまとめた内容

著者が行った眼瞼下垂のセミナーの内容をまとめたもので、編集スタイルに新しい試みが行われているのが特長である書籍をご紹介します。
■「眼瞼学 眼瞼下垂症手術」
メディカル葵出版/栗橋 克昭 著

現役の眼科医である栗橋克昭さんが、学会で眼瞼下垂のセッションを開催し、発表した内容をまとめたのが本書です。患者さんの生の声を通して手術の画像を把握できるという新しいスタイルをとっています。一つひとつの症例のエビデンス集でもあり、うつ病が眼瞼下垂症手術後に改善し治療薬が不用になった症例や、自律神経症状が改善した症例などが紹介されています。また、眼瞼下垂の検査に適した睫毛クリップ負荷テストについても説明されており、一般の方にも興味深い内容にふれることができます。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

3学会合同の診療ガイドライン

専門家向け・患者さん向けを問わず、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関する情報が得られる書籍を3回にわたってご紹介する2回目。入手が難しい書籍も含まれますが、今回は関連学会の共同編集による医師向けの書籍と、目の老化に関わる一般向けの書籍の2冊を紹介します。眼瞼下垂の情報収集の一助となればと思います。

■「形成外科診療ガイドライン」(6)頭頸部・顔面疾患: 頭頸部再建/顔面神経麻痺/眼瞼下垂症
金原出版/日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会 編
形成外科領域において、EBM(Evidence-Based Medicine=根拠に基づく医療)の視点で作成された「形成外科診療ガイドライン」シリーズ全7冊中の一冊に、眼瞼下垂についてまとめられた書籍があります。基本診療を明確化する意図のもとで国内外の論文からエビデンスを収集してまとめた、医師向けの一冊です。
日本初ともいわれる日本形成外科学会、日本創傷外科学会、日本頭蓋顎顔面外科学会の三学会合同による診療ガイドラインです。



一般向けに語られた自らのアプローチ.
現役の眼科医が表した眼瞼下垂関連の書籍、2冊を紹介します。それぞれに、自身の視点に忠実にまとめられています。

■「目は若返る 50歳からの眼科治療」
幻冬舎メディアコンサルティング/佐藤 香著

現役の眼科医である著者が提唱する「トータルアイケア」をベースとして、50歳を過ぎた方たちを対象に"目の老化"を防ぎ視力を取り戻すことをテーマにまとめられました。このなかで、白内障や緑内障、加齢黄斑変性とともに加齢による目の疾患の一つとして眼瞼下垂が取り上げられています。日常生活で使える目の老化予防ノウハウ(目の老化を未然に防ぐ50代からの予防のポイントQ&A)も紹介されています。 自分の目に関心がもてるような内容は、眼瞼下垂に関しても親しみやすく語られています。

■「眼瞼下垂診療アップデート」
星雲社/柿崎裕彦 著
柿崎裕彦・愛知医科大学病院教授が表した眼瞼下垂診療に関する解説書です。著者は、軽度の眼瞼下垂まで全て手術になる現状と距離を置き、マスコミの報道を含め、適正でない情報が飛び交うなかで眼瞼下垂という疾病の「本質」を冷静に見つめようとします。眼瞼下垂の実態を知ってもらおうという意図を明らかにし、確固としたエビデンスに基づいた眼瞼下垂手術を説明しようと試みています。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

眼科と形成外科のコラボレーション

専門家向け・患者さん向けを問わず、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に関する情報が得られる書籍を3回にわたってご紹介します。入手が難しい書籍もあり、医師向けの術式が記述された書籍も含まれますが、眼瞼下垂の情報収集の一助となればと思います。

■「超アトラス眼瞼手術―眼科・形成外科の考えるポイント―」
全日本病院出版会/村上正洋・鹿嶋友敬/編

村上正洋・日本医科大学武蔵小杉病院形成外科部長と、鹿嶋友敬・群馬大学眼科研究室リーダーの両名が編者となって、形成外科と眼科の相互理解を目指してまとめられています。それは、形成外科医に対し眼科的知識と感覚を、眼科医には形成外科的知識と感覚を理解し知ったうえで治療に当たってほしいという願いが込められています。もちろん医師のために編集された内容なのですが、これから眼瞼手術を始めようとする医師を想定した内容にもなっており、眼瞼下垂についての知識を得たいという方にも有意義な書籍となっています。
症状別に、あるいは患者さんの年代別に術式をオールカラーの連続写真と詳しいメディカルイラストで解説される部分は、専門的かもしれませんが、眼瞼下垂手術以前の「目の基本」から、眼瞼下垂の基本知識などの情報は一般の方にも知ってほしい組み立てになっています。


医師向けと患者さん向けにまとめられた2冊もあります。
上記と同じように、医師向けに術式をまとめた書籍と、患者さん向けの基本知識がまとめられた書籍の2冊をご紹介します。

■「眼瞼下垂」
文光堂/久保田 伸枝著

著者の久保田伸枝さんは、帝京大学医療技術学部視能矯正学科客員教授。眼瞼下垂の手術について網羅された書籍のなかった2001年に出版されました。挙筋腱膜前転法を中心とする手術経験の集大成としてまとめられた医師向けの書籍です。眼瞼下垂の診断から治療まで、多数の症例がカラー写真とメディカルイラストで詳しく解説されています。実際の治療に役立つよう、症例の要約を付けている実践的な一冊になっています。

■「白内障 眼瞼下垂―日帰り手術でこう治す まるまるわかるQ&A」
JPS出版局/高田 眞智子 著
眼瞼下垂の基本的なQ&Aからスタートし、手術に関して、患者さん向けの基本的な知識を現役の眼科医が語っています。


投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

◼︎眼瞼下垂の患者さんの会

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」という疾病は、まだまだ認知されているとはいえません。しかし、啓蒙と援助などを目的とした患者さんたちの組織は多くはありません。ここでは、神奈川県藤沢市に本拠地を置く「特定非営利活動法人眼瞼下垂の会」と、関連する医師の学会について紹介します。

「特定非営利活動法人眼瞼下垂の会」は、「眼瞼下垂の当事者さん同士、眼瞼下垂の子を持つ親御さん同士当事者さんと親御さんとお医者さんをつなぐために、そして、世の中の人たちに『眼瞼下垂症』という症状を知ってもらうために発足した患者会です。」と、WEBサイトでその経緯を語っています。さらに「眼瞼下垂の会は、当事者さんと親御さんが『眼瞼下垂とともに生きるお手伝い』を目指しています。」として、次の8項目を掲げています。

1.当事者とその親に眼瞼下垂の症状を正しく理解してもらう
2.正しい知識を持って納得のいく治療方法を選択してもらう
3.よりよい治療が受けられる病院情報の提供
4.当事者同士の交流と情報交換
5.当事者の親同士の交流と情報交換
6.一般層への認知度を上げて症状を正しく理解してもらい 就学・就職をしやすく、そして差別やいじめをなくす
7.医師とのネットワークを通じ眼形成の医療技術の向上8.眼瞼下垂についての調査・研究。

セミナー開催をはじめ、SNSを通じた多角的で積極的な情報発信を行っています。


◼︎眼瞼下垂関連の学会

次に、眼瞼下垂に関わる医師の学会について紹介します。
「日本眼科学会」は、「眼科学の進歩発展を図り、もって人類・社会の福祉に貢献することを目的として」1897(明治30)年に設立されました。事業内容として、次の10項目が挙げられています。
1. 学術集会の開催
2. 学術論文集・学術図書の刊行
3. 学術の振興および奨励
4. 眼の疾患に関する調査・研究の実施
5. 市民公開講演会の開催
6. 内外の関連学術団体との連絡及び協力
7. 専門医及び各種認定
8. 専門医生涯教育の推進
9. 臓器移植に関する運動の推進
10. その他目的を達成するために必要な事業

また、毎年、開催される「日本臨床眼科学会」では、特別講演、招待講演、シンポジウムなどが展開されています。
また、「日本小児眼科学会」は、「子どもの眼の疾患に関する医療と学問の発展を目的として設立」された学会で、ここでも眼瞼下垂が取り上げられています。

一般社団法人「日本形成外科学会」は、その事業として
1.学術集会の開催、
2.機関誌の編集、
3.発行、学術講習会の開催、
4.専門医の認定および更新、
5.認定施設、教育関連施設の認定を挙げています。

また、形成外科で扱う疾患として眼瞼下垂を取り上げています。
主に以上のような組織が、それぞれの立場で眼瞼下垂の患者さんへの支援や啓蒙、眼瞼下垂の治療へのアプローチを行っています。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。

2020.3.23 記事内容を修正・更新しました。


■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」の手術治療法は、大きく分けて「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に行われる「眼瞼挙筋短縮術」「眼瞼挙筋腱膜前転術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」に分けられます。

 

眼瞼挙筋短縮は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を短く切断して「瞼板(けんばん)」に縫合する手術、そして、眼瞼挙筋腱膜前転法術は眼瞼挙筋を切断することなく折りたたむようにして瞼板に縫合する手術ですが、ここでは後者の前頭筋吊り上げ術についてご紹介します。

 

瞼を引き上げられる筋肉には、3つの筋肉があります。①眼瞼挙筋 ②ミュラー筋 ③前頭筋 です。

 

①眼瞼挙筋は、読んで字の如く、瞼を挙げる筋肉で主役となる筋肉になります。動眼神経という脳神経によりコントロールされております。

 

②ミュラー筋は、交感神経という自律神経に支配されている筋肉で、どちらかと言えば、眼瞼挙筋を補佐する筋肉です。交感神経は、感情と関わりがある神経で、精神的に興奮した際に活発になる神経です。

 

例えば、怒ったり、びっくりしたときに、目をパッと見開くと思うのですが、その僅かに瞼を持ち上げているのがミュラー筋となります。

 

③前頭筋は、前頭、つまり額(オデコ)の筋肉で、額にシワを作る筋肉ですが、眉を上に挙上する役割があります。

 

人は眉を持ち上げると、繋がっている(連なっているとも言えますが)瞼も上がります。

 

人は歳をとると、オデコにシワが出来る人が多いと思いますが、歳をとることで、瞼が上がりにくくなる、つまり眼瞼下垂症を発症することで、上がりにくくなった瞼をなんとかして上げようとするために働くためだと言えます。

 

眼瞼下垂症手術を受けると、オデコのシワが消えたりするのは、その代償が必要なくなったためだと言えます。

 

先に述べたように、眼瞼挙筋は、まぶたを上げる(開ける)ときにメインとなる大きな力になる筋肉ですが、その機能がほとんど機能していないか、極端に少ない場合に、前頭筋つまり眉毛を上げるおでこの筋肉によってまぶたが上がるようにする手術が前頭筋吊り上げ術です。

 

太ももの外側にある (だいたいきんまく)か、こめかみ辺りにある側頭(そくとう)筋膜を使用するため、「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれます。最近では、人工素材:ゴアテックスなどを使用しているケースが増えております。




◼︎前頭筋吊り上げ術の実際は?



前頭筋吊り上げ術は、眉毛や額を上げる前頭筋とまぶたをつないで、眉毛の動きによってまぶたを上げる方法です。

 

前頭筋とは、目や口、鼻、アゴなどを動かす眼輪筋(がんりんきん)、頬筋(きょうきん)、口輪筋(こうりんきん)、頤筋(おとがいきん)を主な筋肉として構成される表情筋の中の一つです。

 

主に、眉を挙げる筋肉で、緊張するとオデコに何本も横じわが出来ます。



前頭筋とまぶたをつなぐ際に筋膜を移植して使うため「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれるのは前述のとおりですが、筋膜の代わりにゴアテックスやナイロン糸、シリコーンのような人工糸を使用する場合もあります。

 

人工糸を使用する場合は、(大腿筋膜を使う場合に起こる)太ももの傷が残らない、動きが制限されることがないなどのメリットがあります。

 

一見、自分の体の筋膜を使用した方が拒絶反応が起こらず、良いように思われるかもしれませんが、長期間で見ると、周囲と癒着したり、拘縮(こうしゅく)して短くなり、瞼に歪みや兎眼、過矯正になったりし、問題を起こすことがあります。

 

高田眼科では、可能な限り人工ゴアテックスを使用した吊り上げ術を行っております。



具体的な手術方法は、まつ毛の上のまぶた部分と眉毛の上の部分をそれぞれ切開し、その間に筋膜、ゴアテックス、人工糸を通すためのトンネルを開けます。

 

その後、一方をまぶたの先端部分にある「瞼板(けんばん)」に掛け、もう一方は骨膜上の前頭筋に固定し、まぶたの開き具合を調節します。

 

切開した後の傷は、丁寧に縫合しますが施術直後に腫れの症状が現れます。

 

ただ、眼瞼挙筋の機能がほとんど機能していないか極端に少ない場合でも、まぶたを開けることができるようになる点は、大きなメリットです。

 

しかしながら、メリットだけでなく、デメリットも多い手術です。

 

まず、目を開けた際には自然ではありますが、動的な要素を含めての審美面では、言い換えれば、まばたきを含めた見た目では圧倒的に劣っている手術だと思います。

見た目上、目は開くようになるのですが、瞬き(まばたき)という動的な動きでは、パチクリパチクリするような大袈裟な動きの不自然な状態となります。

 

加えて、目が閉じなくなる兎眼は、かなりの割合で起こる合併症です。つまり、目が閉じないことで、目の表面(角膜)に傷が出来たり、大きくなると角膜潰瘍になってしまい、角膜に白色の濁りを引き起こす可能性があります。



■前頭筋吊り上げ術に対しての高田眼科の考え方


 

ここからは、高田眼科の見解ですが、挙筋機能が不足しているから・・・と吊り上げ術は行わずに、その他の手術をしっかり検討した方が良いと思います。

 

実は、挙筋機能のない先天性眼瞼下垂症において、眼瞼挙筋腱膜の繊維化が過剰になっており、そのことが引っ掛かることで、眼瞼下垂症手術を困難にしているケースが多いです。

 

高田眼科では、この繊維化している挙筋腱膜を外し、眼瞼挙筋腱膜前転を行うことで、吊り上げ術よりも自然な状態に持っていけております。

 

結果、高田眼科では、めっきり吊り上げ術を行うケースがなくなってしまいました。

 

当院で吊り上げ術を行うのは、専ら、他院の修正おいて行うのみとなっております。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.5.23 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法にはさまざまなアプローチがありますが、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に、この筋肉を短くして「瞼板(けんばん)」に縫合する「挙筋短縮術」、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に、「前頭筋(ぜんとうきん)」と瞼板の間に腱を移植する「前頭筋吊り上げ術」の2つに代表的な手術を分ける考え方があります。


この2つの方法に、ゆるんだ眼瞼挙筋腱膜を折りたたんで瞼板に再固定する「挙筋前転法」を加えた3つが、主な手術の方法です。


改めて、これらの手術の違いについて、ご理解いただきたいと思います。



眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに、主役となって、大きな力になる筋肉です。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨です。

 

そして、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。

 

つまり、体の骨格の基本である、筋肉→腱→骨と繋がって動いているイメージと同様です。


このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋や、挙筋腱膜を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」を行う場合もあります。


 

◼︎眼瞼挙筋短縮術とは?

「眼瞼挙筋短縮術」は、眼瞼挙筋の機能が残されている場合に行われますが、延びてしまった眼瞼挙筋を短くして瞼板に縫合する方法です。


この眼瞼挙筋短縮法には「経皮法(けいひほう)」と「結膜法(けつまくほう)」があります。

 

経皮法は、まぶたの表側つまり皮膚側から眼瞼挙筋を切除し瞼板と重ね合わせて縫い付ける方法で、結膜法は、まぶたの裏側つまり(まぶたの内側を覆う薄い膜である)結膜側から同様の方法で処置する手術です。

手術方法の流れについて、イラストを用いて、説明をさせていただきます。

STEP01:皮膚切除、眼瞼挙筋腱膜、瞼板の露出
眼瞼挙筋短縮法の挙筋腱膜の露出のイラスト

当院では、このように、最初に眼瞼挙筋腱膜を綺麗に露出させます。
その際に、眼輪筋切除、眼窩脂肪の処理、瞼板前脂肪(ROOF)の処理も行いますが、
行わずに、いきなりStep02に進む行う施設もあります。

STEP02: 眼瞼挙筋腱膜とミュラー筋
眼瞼挙筋短縮法でのミュラー筋と挙筋腱膜との剥離操作のイラスト

次に、Step02で露出した瞼板と眼瞼挙筋腱膜との付着部位を基準に、ミュラー筋を露出させるようにして
眼瞼挙筋腱膜をめくっていきます。

 STEP03:フリーにした眼瞼挙筋腱膜の縫着(ほうちゃく)
眼瞼挙筋短縮法での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

図のように、眼瞼挙筋腱膜を瞼板に縫合して、固定いたします。
緩み(ゆるみ)が出にくいので、強力に瞼を上げることができると考えられております。

ただし、どちらにしても、ミュラー筋への負担が大きいため、通常の「眼瞼挙筋腱膜前転術」では改善が見込めないような、重症の眼瞼下垂を治療する場合に一般的に用いられます。

 

古くから行われている手術方法で臨床データも豊富なので、もちろん重症の眼瞼下垂の改善には有効です。

 

ただ、交感神経に支配され体全体とつながっているミュラー筋を傷つけてしまうと、さまざまな障害が発生するリスクも想定しなければならないため、医師に十分に相談することが必要です。

 


 

高田眼科の見解としては、ミュラー筋は、眼瞼挙筋よりも非常に薄い筋肉で脆い筋肉ですので、安易に手術操作を加えると壊れてしまうので、触らない方向で考えております。

 

ミュラー筋の過緊張が、さまざまな眼や体の不調の原因となるということで、 ミュラー筋を操作する手術をメインで行っている施設もあります。

 

ミュラー筋への操作というのは、眼瞼挙筋とミュラー筋との間の結合織を剥がすことで、眼瞼挙筋とミュラー筋を分離する操作のことです。

 

血流が豊富な筋肉への操作となりますので、術中の出血も多く、また、術後の創傷治癒の過程で瘢痕組織が出来てしまい、逆に、ミュラー筋の拘縮が起こることで、

 

術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の原因となったり、瞼のヒキツレ、ビックリ目になったりすると考えております。

 

その理由として、他院でミュラー筋への操作を加えられた方の修正手術を多く手掛ける中で、そのような考え方になった背景があります。

 

そういう他院修正のケースでは、ミュラー筋どころか、眼瞼挙筋の瘢痕化も著しく、修正手術後においても、満足のいく結果にならないこともありますことから、

 

高田眼科としては、可能な限り、ミュラー筋を操作しない眼瞼挙筋前転法を可能な限り選択するようになりました。

 

当然、眼瞼挙筋前転法では、重度の眼瞼下垂症への対応が問題となることが予想されております。

 

しかしながら、眼瞼下垂症が重度で、挙筋機能がないとされる症例でも、実は、眼窩脂肪、眼輪筋などの組織量の多さ(言うなれば、瞼の厚み)、高田眼科が提唱するファシアの癒着による眼瞼挙筋の運動制限により過小評価されている場合が多いと考えております。

 

結果として、それらへの対処により、眼瞼挙筋前転法で殆どの眼瞼下垂症の症例において対応が出来るようになっております。

 

詳しくは、▶︎▶︎高田眼科眼瞼下垂症ブログ「ファシアリリース法」をご覧になってください。


 

 




投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

※2020.3.14 記事内容を修正・更新しました。

※2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法のなかで、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」がゆるんでしまって「瞼板(けんばん)」を上げる力が弱まった状態のときに行われるのが「挙筋腱膜前転法(きょきんけんまくぜんてんほう)」です。

 

まぶたを上げるためには、この眼瞼挙筋と瞼板がしっかりと付着している必要があります。

 

ところが、何らかの原因によって眼瞼挙筋と瞼板を介する挙筋腱膜が、延びたり緩んだりしてしまうと、まぶたを上げる力が弱まってしまうのです。

 

そこで、挙筋腱膜前転法は、挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すことを目的として行われます。



この手術のほかに、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に実施される「挙筋短縮術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」の2の手術方法があります。


改めて基本用語をチェックすると、眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに大きな力になる筋肉。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。



このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」などを行う医院もありますが、

 

高田眼科としては、ミュラー筋を眼瞼下垂症手術において、術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)を引き起こす可能性もあり、避けるべきだと考えております。




◼︎眼瞼挙筋腱膜前転術とは?


 

手術の手順としては、一般的には、局所麻酔を行なってから、皮膚・眼輪筋の切開切除から始まり、次に「眼窩脂肪(がんかしぼう)」を包んでいる薄い膜である「眼窩隔膜(がんかかくまく)」の切開へと進み、眼瞼挙筋腱膜の前面を露出させます。麻酔が正常に効いていれば手術中の痛みはそれほどありません。


(STEP:01)
  TKD切開法では、自然な幅狭の二重ラインを作る基本となる切開です。
  余剰皮膚を全く取らない施設もありますが、日本人は皮膚が余っているケースが殆どですので、
  切除する方が自然な術後デザインとなります。




高田眼科オリジナルTKD切開の切開線

 

 

 


(STEP:02)

  眼瞼挙筋腱膜を傷つけないように、丁寧に露出させる。

眼瞼下垂症手術において眼瞼挙筋腱膜前面の露出したイラスト

 

 

 


 

(STEP:03)
  切開後は、挙筋腱膜を確認して適正な位置まで前に引き出し(前転)、挙筋腱膜を瞼板に縫い合わせて再度、固定します。
  当然、眼窩脂肪と眼瞼挙筋腱膜との接着組織(ファシア)を剥がすことは非常に大事だと高田眼科は考えております。
  (ファシアリリース法)

眼瞼下垂症手術での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

 

 

 


(STEP:04)

  皮膚縫合
眼瞼下垂症手術での皮膚縫合のイラスト

 

 

 

この手術方法は、ミュラー筋などの筋肉を傷つけるリスクを減らすことができるため、安全性が高く負担を最小限にする手術といわれています。

ただ、まぶたの切開を伴いますので腫れを避けることができず、1週間から10日前後まで、ダウンタイム(手術してから回復するまでの期間)が長引くことがあります。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.3.31 記事内容を修正・更新しました。


 

■外斜視片目つぶりって?

「外斜視(がいしゃし)」とは、何かを見つめているときに、片眼がその対象を注視しているのに、もう片方の目が外側(耳側)へズレている状態をいいます。

 

つまり、視線が片方だけズレてしまっているような状態になります。

 

両目の視線が合っている状態では、両目を同時に使って見る機能(両眼視機能)は正常ですが、片方の目が外側へズレてしまうと、片目でしか対象を見ていない状態となります。


常に片方の目が外斜視となっている場合を「恒常性外斜視(こうじょうせいがいしゃし)」、外斜視が発症する場合と発症しない場合がある斜視を「間欠性外斜視(かんけつせいがいしゃし)」と呼んで区別しています。

 

「間欠性」とは「ときどき」という意味です。また、この両者は、間欠性から恒常性に移行する場合もありますが、日本人に多いのは間欠性外斜視です。



「外斜視片目つぶり」とは、この間欠性外斜視を発症しているときに、戸外の明るい場所や、まぶしい場所で、ズレている方の目をつぶるウインクのような症状を発する疾病を指します。

 

このウインクのような症状を「片目つぶり」と呼んでいます。

 

このような状態で、まぶたがたれ下がったような「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が現れる場合があります。


 

◼︎診断と治療方法

外斜視の治療は大きく分けると、手術による方法と手術以外の方法とがあります。

 

どちらの方法が良いかは、斜視のタイプや患者さんの状況により異なります。具体的には、眼位(目の向き)のズレや、目の向きを変える「外眼筋(がいがんきん)」の働きなどを調べたうえで、どちらの方法が適切であるかを判断します。

軽度の場合は、コンタクトレンズやメガネによって両眼視機能を確保する方法もありますが、ズレている幅が大きく、両眼視ができにくい場合は斜視手術を行います。

手術では、外眼筋の付いている位置を調整することで、眼の位置を改善することを目的とします。

 

外斜視は、外を見る筋肉が強いことを意味するので、(眼球を外転させる)外直筋を弱めるか、(眼球を内転させる)内直筋を強めることで、斜視の改善を目指します。

 

筋肉を弱める場合は、筋肉のついている部分で一度切り離し、眼球の後ろの方に付け直すことで筋肉の張りを弱め、その作用を弱めます。

 

強める場合は、余分な筋肉を切ってから眼球の前の方に付け直し、張りを強くします。

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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