2016.07.19更新

※2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎治療の効果


加齢と共に上まぶたの皮膚がたるんで伸びたように垂れ下がり、まぶたが開きにくくなって特に上方の視野が制限されてしまうのが「老人性眼瞼下垂(ろうじんせいがんけんかすい)」です。

 

昔は「もう年だから仕方ない」という理由で眼科に相談されずに放置されていた方がほとんどでしたが、最近は高齢の方の意識も変わって手術される方が増えてきています。

 

そして、高田眼科でも、当院で手術された結果をみて、自分も受けたいとの相談を頂くことが多くなりました。

 

老人性眼瞼下垂で手術を行うメリットは主に次の3点が挙げられます。


(1)目の印象アップによる美容効果:年齢に関わらず目の印象は、顔全体のイメージにつながります。そして、若々しさを取り戻すことができます。

 

(2)視野の向上:まぶたが下がる眼瞼下垂は、視野が狭くなるのが避けられません。上下の視野が制限されますので、頭をぶつけるなど思わぬ怪我をする恐れがありますし、1番のメリットは、下方視界の改善により、転倒のリスクが下がることです。

転倒は、老人の寝たきりの原因として最大限気をつけないといけない事故だと思います。

 

(3)同様に上側の視野が制限されるため、アゴが出た姿勢をとることが多くなり、姿勢が悪くなるため、健康面や見た目のイメージに影響を及ぼします。



◼︎手術方法

手術方法は、主に次の3つの方法が挙げられます。



(1)上まぶた余剰組織切除術:まぶたを上げる際の動力となる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」は機能しているのに、皮膚のたるみが強くてまぶたがたれ下がっている場合に有効です。

 

たれ下がった余分な皮膚と皮下組織、眼輪筋や脂肪を切除します。二重まぶたのラインに沿って切除するため、傷跡が目立ちにくいというメリットあります。



(2) 眉毛下余剰組織切除法:まぶたを切開せず、眉毛の下のラインに沿って切開し、たるみを除去します。手術後の腫れが少ないのが特長ですが、眉毛の下の切開線をなるべく残さないことが重要になりますが、まぶたを切開する方法と比べて、傷跡が目立ちやすいというデメリットがあります。



(3) 眼瞼挙筋前転法:皮膚のたるみに加えて、眼瞼挙筋の機能が不十分な場合に取られる方法です。挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すことを目的として行われますが、詳しい方法は、眼瞼ブログ:〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」で説明しています。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 ◼︎原因と治療について

 

先天性外眼筋線維症は眼筋麻痺による斜視や眼瞼下垂を主な症状とする稀な先天性の疾患で、1型、2型、3型に分類されます。

 

動眼神経 (CN3), 滑車神経 (CN4)やそれらを刺激する神経筋の全部または一部に機能異常が起こると考えられております。

 

本疾患は外眼筋の非進行性で限定的な眼筋麻痺と先天性眼瞼下垂を特徴とする。家族性先天性外眼筋線維症はいくつかの表現型が報告されている。


非進行性(病状が現状以上に悪化しない)で眼球運動が制限され、ほとんど眼球が動かない場合も多いのが、「外眼筋線維症(がいがんきんせんいしょう)」です。

 

特に上下の物を見る場合に見づらく、頭を動かして対象を追う動作により補償しようとします。

 

主な症状としては、先天性の眼筋麻痺による斜視と「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が挙げられますが、眼瞼下垂については、併発する場合としない場合の両方の可能性があります。


この疾病の原因は、動眼神経によって支配される上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋に加え、まぶたの開け閉めでご説明した眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の一部あるいは全てに異常がある場合、あるいは滑車神経によって支配される上斜筋の一部に異常がある場合に、筋肉が弾力性を失って外眼筋線維症が発症します。

 

眼瞼下垂は眼瞼挙筋の異常が原因で発症しますが、麻痺性の斜視は、上で述べたそれ以外の6本からなる外眼筋(がいがんきん)の異常によります。


この疾病は、根本的な治療方法はまだ発見されていませんが、次の項で紹介するように治療に向けた研究は続けられています。


◼︎治療と研究成果

外眼筋線維症は、1型、2型、3型に大きく分類されます。このなかで、3型には知能障害がみられるケースもあります。

 

さらに3型に分類されるCFEOM3は、(細胞の運動や形の保持に関わる)微小管を構成するタンパク質であるチューブリンの遺伝子変異によって微小管形成の異常が引き起こされることが分かってきました。

 

このチューブリンというタンパク質は、全ての真核細胞にあり、神経細胞の形成や維持にも重要な役割を果たしています。今後のさらなる研究によって、画期的な治療法の開発にも期待ができます。 


外眼筋線維症は、大半が両方の目に症状が出る両眼性を呈しますが、稀に片眼性となる場合もあります。

 

その場合も眼瞼下垂になることはありますが、いずれにしても眼瞼下垂を発症した場合の治療に関する情報は〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」、〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。


眼瞼下垂とともに発症する眼筋麻痺による斜視は、特に先天性の場合、放置しておくと片方の目でしか物を見られなくなる可能性もあり、医師と相談のうえ早めの治療が必要です。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

※2020.3.14 記事内容を修正・更新しました。


 治療について


「先天性筋強直性(せんてんせいきんきょうちょくせい)ジストロフィー」は、筋強直性ジストロフィーの母親もしくは父親をもって生まれた子どもに、身体がふにゃふにゃしているように見える「筋緊張低下(きんきんちょうていか)」などの症状がみられる疾病です。

 

正常な筋肉は、ゴムのように弾性があって適度に伸び縮みさせることで筋力を発揮します。

 

そのために筋肉は常にある程度の緊張状態にあるのですが、筋緊張低下とは、私たちの活動に必要な筋肉の緊張が全身で低下するという症状です。

 

この症状自体は、年齢を重ねるとともに軽くなります。しかし、残念ながら筋力の低下が回復することはなく、大半が知的障害を伴ってきます。


呼吸器や心臓、消化器、中枢神経などにみられる先天性筋強直性ジストロフィーの多くの合併症のひとつとして「眼瞼下垂(がんけんかすい)」も発症しますが、この疾病であると気づかないまま麻酔・手術を行い、術後合併症を起こした後に気づく場合もありますので治療には注意が必要です。

 

眼瞼下垂の治療は、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。


根本的な治療方法ですが、残念ながら現在のところ、まだ見つかっていません。

 

筋力の低下に対しては、股関節から足先までの下肢の各所に装着する短下肢装具(たんかしそうぐ)や車いすの使用、あるいはリハビリテーションを行うことで対応する方法が取られており、そのほか筋強直が非常に強いときには薬物投与を行うこともあります。



◼︎難病治療へ

厚生労働省が指定する難治性疾患などに関する調査研究の推進、情報収集および知識の普及啓発など、難病における医学研究の積極的な振興を図るために設立された「公益財団法人難病医学研究財団」という機関があります。

 

ここで、2010年度から「筋チャネル病および関連疾患の診断・治療指針作成および新規治療法開発に向けた基盤整備のための研究班」として行われている研究が、先天性筋強直性ジストロフィーの治療と関わっています。


筋強直性ジストロフィーは希少な疾病のため、治験に必要な患者数や情報収集を行う目的で、国際的な共同治験が行われる動きがみられます。

 

そこで日本でも「神経・筋疾患患者登録センターRemudy( レムディー)」で筋強直性ジストロフィーの患者登録が行われています。患者登録という手段は、臨床試験や治験に協力する意思があることを示すものです。

 

こういた地道な努力が、いつか先天性筋強直性ジストロフィーの治療の革新につながるはずです。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 ◼︎治療について


上まぶたと下まぶたの裂け目の部分を指す「眼瞼裂(がんけんれつ)」の横や縦の長さ、またはその両方が縮小して狭くなる「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」。

 

まぶたを上げる筋肉に何らかの異常があるために発症します。



眼瞼裂狭小症候群の診断では、精密検査や遺伝子レベル・染色体レベルの検査を行いますが、それでも異常が認められない場合が多くみられます。

 

どちらか一方の親から 原因遺伝子を受け継いだだけで発病する常染色体優性遺伝による疾病といわれていますが、散発例、つまり家族には全く発病者がみられないのに突発的に発病者が現れるケースも少なくなく定義が定まっておりません。

 

また、症例が少ないため、検査方法が確立されていないのも事実です。

 

治療方法は手術で治すのが一般的ですが、ほかの「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」と同様に、どの時期に手術を行うかは、さまざまな見地があります。

 

しかしながら、眼瞼裂狭小症候群の場合は、視機能の発達には注意することが求められます。


◼︎手術について

一般的には3~4歳以降をすすめるケースが基本なのは、ほかの先天性眼瞼下垂と同様ですが、眼瞼裂狭小症候群は、重度の場合、視野が狭くなって視機能の面で障害が生じるリスクについて考える必要があります。

 

特に横の瞼裂が狭小となるケースでは、弱視につながる可能性が高くなります。

 

斜視や乱視の発症リスクも含め、その重大性を認識することも大切です。

 

もうひとつ、容姿を理由とする昨今のいじめ問題を危惧する声は大きく、本人が抱くであろう劣等感などを考慮すると、早期の治療について相談される意義は大きいでしょう。

 

また、早期の手術を行った場合、成長に伴って将来、改めて手術する必要が生じるのですが、傷跡などをご心配されることはありません。


具体的な手術方法については、眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3方法を通してそれぞれご説明しています。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


◼︎診断のすすめ

成人で最も頻度の高い筋ジストロフィー症で、その名のとおり筋強直(きんきょうちょく)や筋萎縮(きんいしゅく)を特徴とする「後天性筋強直性(こうてんせいきんきょうちょくせい)ジストロフィー」。

 

この疾病は、症状が軽い場合は症状や機能障害に対する自覚が乏しいため、対応が後手に回りがちなことも問題です。



また、この疾病だと医師が気付かずに手術を受けてトラブルになるケースや、呼吸障害が認識されずに単なる風邪が深刻な呼吸不全を発症してしまうこともあります。

 

この疾病であるかどうかは、筋力の低下や筋強直、顔つきなどの臨床での変化、白内障などの病歴、ご家族の病歴、そして遺伝子検査などから診断が可能です。



ただ、症状の軽い患者さんの場合は、臨床症状で診断するのは簡単ではありませんが、[後天性眼瞼下垂]の症状「後天性筋強直性ジストロフィー」の説明をよく読んで、医師の診断を早めに受けられることをおすすめします。


◼︎診断方法・治療方法は?

診断は、主に次のようなステップで行われます。


後天性筋強直性ジストロフィーは、筋肉が一度収縮した後、もとのように弛緩するのに時間がかかる ミオトニーと呼ばれる症状を特長とします。

 

ミオトニーは、手を強く握ったあと、スムーズに手が開かず時間がかかったり、診察用ハンマーで手のひらの母指球(親指の付け根のふくらんだ部分)や舌を叩くと筋収縮が見られることで分かります。

 

さらに、進行性の筋委縮(筋肉自体が小さくなってやせていく)が起きている場合は、より可能性が高くなります。


診断ではさらに(どちらか一方の親から 原因遺伝子を受け継いだだけで発病する)優性遺伝による親族の病歴を確認。

 

さらに針筋電図検査により、特徴的な波形図とスピーカーからの爆撃音に似た音が聞かれるミオトニア放電の検出と、遺伝子検査における異常が認められることによって、後天性筋強直性ジストロフィーと診断されます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」は、筋力低下の症状や多くのほかの合併症の一つとして発症しますが、この疾病自体の根本治療法は見つかっていませんでした。

 

ただ、数年前に日本で、核酸を筋肉細胞に導入する治療方法のマウス実験による有効性が発表されるなど研究は進んでいます。

 

また、眼瞼下垂とは直接関係がありませんが、リハビリテーションによって筋力低下を予防し、歩行機能を維持することも大切になります。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.6.26  記事内容を修正・更新しました。


◼︎治療について

 水分を吸ったりあくびをするなど、口を開けたときに下アゴを動かす行為と同時に、上まぶたがピクピクと上の方に意識とは無関係に動く「マーカス・ガン現象」。(参考動画

 

顎を動かす神経と瞼を動かす神経が先天的に混線した状態によって起こると考えられております。

脳から発せられた顎を動かす信号が、神経の混線によって、まぶたに伝わり、顎の動きに合わせて、まぶたがピクピクと動いてしまう状態です。

 

動画でもわかるように、先天性で特に新生児期や乳児期に目立つ症状であるため、母親が授乳中などにこの症状に気づくことが多いようですが、生後数年を経過するうちに 自然治癒につながる場合があることも知られています。

 

したがって、積極的に手術をせず、そうした自然治癒に結びつくような傾向がないか見守るというアプローチを選択することもあります。

ただし、必ず自然治癒するという保証がないことも事実です。

 

弱視を合併することが多く、眼瞼下垂症手術よりも、この弱視に対しての対応を積極的に行うことが必要で、手術をしないとしても、定期的に弱視治療を受けるための通院が必要となります。

 

行われる治療としては、屈折性弱視の治療であり、症状のない目をカバー(アイパッチ)を行います。

 

このアイパッチ治療は、良い方の目(健眼)にアイパッチをすることで悪い方の目(弱視眼)の視力発達は促す治療です。

 

適正な時期(7〜10歳まで)に対処しなければ、弱視は治療不可能になったり、治療効果が十分出ずに、一生、弱視が固定化してしまう可能性があります。

 

その際に、屈折異常があれば、その屈折異常を矯正する眼鏡を装用することも必要となります。

 

眼瞼下垂性の弱視が疑われる場合には、早期に手術を行うことが求められます。

また、弱視以外にも、斜視を合併することがあります。

 

この場合には、Double elevator palsy(DEP)と呼ばれ、眼球を動かす筋肉のうちの上直筋と下斜筋の二つが麻痺することで単眼性上転障害(眼球を上に向けることができない)状態となります。

 

この斜視に対しては、斜視手術と眼瞼下垂症手術を行うことで治療することが検討されます。

 

つまり、マーカスガン現象を起こしている眼瞼下垂症治療は、小児のうちに積極的に眼瞼下垂症手術を行う前に、まずは、弱視、斜視などの視機能の障害を取り除くことが優先され、眼瞼下垂性の遮蔽(しゃへい)弱視が認められるような重症眼瞼下垂症において検討されます。

 

マーカスガン現象に合併する眼瞼下垂症への治療方法は、基本的には手術しかないのですが、マーカス・ガン現象のような先天性の「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の場合、実施する時期にはさまざまな考え方があります。

 

できるだけ早期にすべきという立場や、思春期を迎える前、あるいは小学校入学前という年齢にポイントを置く場合もありますが、一般的には3~4歳以降をすすめるケースもありますが、高田眼科としては、思春期以降を念頭において、ご相談させて頂いております。

 

小児のうちに仮に眼瞼下垂がみられても、軽度〜中等度であれば、下向きの際は目が開いており、通常はアゴを上げて見ているため、視機能は正常に発達できるという観点からです。

 

また、思春期になれば、ある程度、手術に関して理解することができ、局所麻酔による手術が可能となるからという背景もあります。

 

ただ、片方の目で見る習慣がつくと遮蔽(しゃへい)性の弱視になることもありますので、注意が必要となります。



このような事情から、視機能を守るため生後6ヵ月頃から弱視や斜視の診察を定期的に受けることをおすすめします。

 

つまり、眼瞼下垂の程度が強く、十分にまぶたが上げられず光刺激が網膜に届かないことにより視力の発達が妨げられる(眼瞼下垂症による)遮蔽性の弱視、「視性刺激遮断性弱視(しせいしげきしゃだんせいじゃくし)」は避けなければなりません。

 

また、先に述べさせて頂いたように斜視が認められた場合は、眼瞼下垂と同時に手術を行うことになります。




◼︎手術について


 このような治療への基本的な考え方に基づいて、マーカスガン現象に対する眼瞼下垂の手術は主として、見た目の外見を整える目的で行います。

逆に、顎の動きにリンクする瞼のピクピクするような動きを消失させることは出来ません。

 

手術は両眼の場合で1〜2時間程度で終わりますが、過矯正(矯正のし過ぎ)や低矯正(矯正の不足)には十分に注意して行います。

 

とくに過矯正の場合には、目が閉じなくなる「兎眼症(とがんしょう)」を避けなければなりません。

 

この眼瞼下垂症手術は、マーカスガン現象を抑える治療ではなく、あくまで、通常時の瞼の高さ(目の大きさ)の左右差を少なくする治療となります。

 

マーカスガン現象自体を治す治療は、残念ながら、今のところ確立しておらず、医学の進歩が待たれることとなります。



手術方法については、眼瞼下垂ブログ記事にて、「眼瞼挙筋腱膜前転術」、「眼瞼挙筋短縮術」「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3つ方法をそれぞれご説明させていただいております。


マーカス・ガン現象特有の症状は、片側の目だけに現れる「片眼性(へんがんせい)」が一般的ですが、両側の上まぶたに同じ症状が現れる場合もありますが、非常に稀です。


そうした両眼性の場合は、両方の目を手術するケースと、程度が軽い方の目に重い方の目の程度を合わせるように、片方の目だけ手術をするケースもあります。  

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


◼︎治療について


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の約90%を占めるといわれる「単純性眼瞼下垂」です。

 

単純に眼瞼下垂のみの症状で、それ以外の異常を伴いません。

 

単純性眼瞼下垂の手術方法については、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3つの手術方法を通してそれぞれブログ記事で、ご説明しています。



特にまぶたを上げるときに重要な役割を果たす上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)の発達障害などにより、生まれつき目を大きく開けることが困難な先天性眼瞼下垂となります。

 

個人的には、単純性の先天性眼瞼下垂症の場合は、解剖学的に上眼瞼挙筋の繊維化を認め、その結果、硬くて伸びにくくなっております。

 

また、眼瞼自体の結合組織 ファシアが発達しているため、手術においては、それらの処理が非常に大事だと考えております。

 

ファシアについては、高田院長の眼瞼下垂ブログ記事:眼瞼下垂症の新しい手術概念:ファシアリリース(剥離)法 をご覧になってください。

 

では、先天性の場合、いつ手術を行うのか?については、子どもにとっての手術の時期は慎重に考える必要があります。



ただ、その前に重要なステップとなるのが、眼瞼下垂の診断です。大人の眼瞼下垂では、"上まぶたの縁から黒目の中央部の距離"などの測定によって診断をいたしますが、子どもの場合は、静止していることが困難なために正確な眼瞼下垂 の診断を下すことが困難なこともあります。

 

その際には、写真を使って判断すると良いように思います。

 

今では、スマートフォン等で、子供の写真や動画を撮ることは容易となっており、診断の大事な手がかりとなります。

 

診察の前に準備しておくと診断の助けとなります。

 

判断の要素としては、まぶたの左右対称かどうか、眉毛やアゴの位置などから判断を行うことになりますが、症状によっては手術の必要がないこともあります。

 

また、斜視で片目を閉じる癖がついているために眼瞼下垂と間違われる場合などもあるため、診断は慎重に行ってもらうことが大切です。

 

さらに、「先天性動眼神経麻痺(せんてんせいどうがんしんけいまひ)」など、ほかの眼瞼下垂症との区別も必要になります。


◼︎手術について

単純性眼瞼下垂の具体的な治療方法は、ブログ記事:[先天性眼瞼下垂]の症状「単純性眼瞼下垂」でもご説明しています。

 

当院では、ファシアリリース(剥離)法を行うことで、前頭筋吊り上げ術(筋膜移植)に頼らない手術を行っております。

 


手術の時期は、できる限り早期に行う立場から思春期前まで待つという考え方まで多様ですが、高田眼科では思春期まで待ってから行うようにしております。

 

単純性の先天性眼瞼下垂症の場合、下を向いている際は目が開いており、通常はアゴを上げて見ているため、視機能は正常に発達しているという観点からです。

 

アゴや眉毛を上げて物を見る行為は、正常な視機能の発達にもつながります。

 

視力が健全かどうかを注意しながら成長を見守流ことが必要となりますので、思春期まで手術をしないにしても、定期的な眼科検診を行う必要性があります。

 

思春期(概ね、小学校高学年ぐらい)になれば、手術に関する説明をある程度、理解することができるという背景もあります。

 


幼児の眼瞼下垂症手術では、全身麻酔で手術することが多いため、不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

 

大人の場合には、手術する部位のみの痛みをとる局部麻酔だけで十分なのですが、子供の場合には、手術中に受ける恐怖心などを考えると全身麻酔が必要となるケースとなります。

 

しかしながら、幼児といえども、全身麻酔下での眼瞼下垂症手術は、お勧め出来ない要素があります。

 

それは、全身麻酔下では、眼瞼下垂症で大事なデザインの確認が出来ないからです。

 

結果として、幼児の眼瞼下垂症は、出来るだけ、局所麻酔が可能となる思春期ぐらいまで待つのが良いように思います。

 

加えて、全身麻酔の場合、麻酔を専門に行う医師(麻酔科医)の関与が必要となり、その場合には、麻酔科医の在籍している規模の大きい医療施設での手術に限られます。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


 ■原因と治療

眼球を動かす筋肉を支配する「動眼神経(どうがんしんけい)」は、眼球を動かす外眼筋の動きを制御する神経で、眼球を鼻側(内側)方向に向ける「内直筋(ないちょくきん)」、上下に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」と「下直筋(かちょくきん)」、外方向に回転させる「下斜筋(かしゃきん)」を支配しています。

 

加えて、瞳孔を調節する「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」や、まぶたを上げる(開ける)「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」まで支配しています。

 

したがって、動眼神経が麻痺すると「眼瞼下垂(がんけんかすい)」だけでなく、さまざまな眼球の動きが正常にコントロールできなくなってしまいます。


動眼神経麻痺の原因は、脳動脈の一部分が膨らんで血管壁が弱くなった状態の脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)や、頭蓋骨内にできる脳腫瘍(のうしゅよう)、脳血管が詰まったり狭まったりするなどの原因で酸素欠乏や栄養不足になり脳組織が壊死(梗塞)する脳梗塞(のうこうそく)、脳血管障害(脳卒中)や脳組織が押し出される脳ヘルニア、動眼神経の局所性貧血、糖尿病の合併症による神経障害、事故などによる外傷など多岐にわたります。


眼瞼下垂や眼球の運動障害以外に、瞳孔が大きく開いたりピント調節がうまくできないなどの瞳孔障害がある場合は、脳動脈瘤の危険性がありますので十分な注意が必要です。

 

この場合は頭痛を伴うことがあります。

 

治療が遅れて脳動脈瘤の破裂に至るとクモ膜下出血を発症し命にも関わるため、早急にMRI(磁気共鳴画像診断)などの頭蓋内の精密検査や脳神経外科的な処置が必要となります。

 

また、瞳孔障害がない場合も、念のため脳動脈瘤を確かめる慎重さが求められます。瞳孔障害がない場合は、動眼神経の局所性貧血や脳梗塞が原因である可能性が高くなります。


いずれにしても動眼神経麻痺の治療は、原因となっている脳腫瘍などの疾病へのアプローチが優先されます。

 

もちろん、糖尿病による発症の場合は血糖値コントロールなどの治療が必要となり、動眼神経の局所性貧血の場合は回復の経過を見守ります。

 

動眼神経麻痺による眼瞼下垂の症状は瞳を覆ってしまうほどの重度になるケースが多いですが、脳の重大疾患の危険性が考えられるため、まずは早急な脳神経外科による受診が求められます。

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

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な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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