2020.06.09更新

■眼瞼下垂の手術について


 「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」の手術治療法は、大きく分けて「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に行われる「眼瞼挙筋短縮術」「眼瞼挙筋腱膜前転術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」に分けられます。


さらに、加えると、単純皮膚切開手術があります。

その単純皮膚切開の一つに、「眉下切開法」があります。

瞼の皮膚を切開する手術、つまりは、眼瞼挙筋前転法、眼瞼挙筋短縮法、前頭筋吊り上げ術のデメリットとして、


目の印象が変わってしまう。

瞼の皮膚を多量に切除すると、睫毛側の薄い皮膚がなくなり、皮膚の厚みが変わってしまう。

目の近くを触る手術が怖いという心理的な抵抗感



などがあると考え、「尾毛下切開法」を希望される患者様が多い印象です。

施術する側も、単純に皮膚を切開、切除、縫合するというシンプルな手術ですので、その点を考えても、メリットがあります。

しかしながら、尾毛下切開のデメリットは、やはり傷跡が目立つことだと考えます。
③前頭筋は、前頭、つまり額(オデコ)の筋肉で、額にシワを作る筋肉ですが、眉を上に挙上する役割があります。

 

人は眉を持ち上げると、繋がっている(連なっているとも言えますが)瞼も上がります。

 

◼︎眉下切開術の実際は?


 眉下の縁の線に沿って、皮膚切開のデザインを決めて、切除、縫合する方法です。

blowliftstep0
眉下切開の適応のある方は、眼瞼挙筋や挙筋腱膜に異常のない、言い換えれば、 挙筋が瞼板から外れていないケースが対象となります。

 

blowliftstep01

眉下の縁を基準に紡錘状、三日月状の皮膚切除デザインを設定します。


 

blowlift02

デザイン通りに皮膚を切除し、眉毛の生え際が自然になるように、少しヅラしながらランダムに縫うようにします。

傷口が直線的すぎると、問題がある場合もあり、W切開法という傷口がランダムになるようにして目立たなくする方法もあります。


[切開線が不自然にならないための工夫]

毛包斜め切断法

毛に対して垂直に切開すると、切開線に沿って毛根が無くなってしまい、眉と傷との境界がハッキリし過ぎてしまうので、斜めに切開する方法がキモとなります。

毛包斜め切断法といい、切開線上に毛が残る方法となります。


毛包斜め切断

図のように切断することで、毛包を切開線の上に残すことができ、直線的な脱毛を避けることができます。


 

[切開線が不自然にならないための工夫]

w切開法

 皮膚には、きめ細かいシワがランダムに入っております。
人間の目には、そういったランダムな模様の中にある直線的な変化を敏感に感じ取ることができます。
つまり、直線的な傷は、皮膚にあるランダムな模様を乱しているため、目立ち易くなります。

形成外科の手法には、w切開というものがあり、直線的な傷を敢えて、ギザギザにすることで、目立たなくされる方法があり、
眉下切開にも応用すると、よい場合があります。

もちろん、あまり大きなギザギザだと余計に目立つため、小さめなギザギザデザインとするのが鉄則となります。

 

 

■眉下切開術に対しての高田眼科の考え方


 顔面の傷は、意外にダウンタイムが長いと言えます。
特に、下眼瞼への手術や、眉下切開の手術は、二重の奥に傷を隠せる上眼瞼の手術と違い、目立ちやすいと言えます。

完全に赤みが消えるまでには、1ヶ月〜3ヶ月・・・場合によっては、それ以上の期間がかかる可能性があります。

しかしながら、傷跡の問題だけを除けば、手術手技としては非常にシンプルな方法ですので、創部のトラブル以外には、失敗は少ないと言えます。

高田眼科(ひとみ眼科)は、眉下切開の場合には、毛包斜め切開、w切開を駆使して、手術を行っております。


 

投稿者: 高田眼科

2016.08.16更新

2020-6-21 記事内容を修正更新


 ◼︎眼瞼下垂手術のダウンタイムを短くするために、生活上で気をつけること。
downtimeの表題画像

 

ここでは、一般的に腫れが避けられない眼瞼下垂手術で、このダウンタイムにおける注意点を説明します。


「普通の生活を行って支障がなくなるまでの期間」、つまり「ダウンタイム」と呼ばれる時期については、眼瞼下垂手術のダウンタイムのブログ記事をご参考ください。

 

これまで、眼瞼下垂の治療法としてまぶたの切開を伴う「眼瞼挙筋腱膜前転術」 「眼瞼挙筋短縮術」 「前頭筋吊り上げ術」 「眉下切開術」の4種類の手術について紹介してしましたが、

ダウンタイムについては、これらの手術はいずれも切開法ですので、手術後翌日が一番強い腫れのピークとなります。

 

なによりも、この時期はまずは安静にし、なるべく血流を良くしないことが腫れを早く引かせるポイントとなります。

 

加えて、冷却することが非常に大事になります。

一般的には、保冷剤をガーゼで包んで、傷のところを低音やけどに気をつけながら、順次冷やすと良いのですが、当院では、高田院長も開発に携わった専用の>>アイスマスク(メオアイス)を購入いただいて、それで冷やすようにしていただいております。

 

保冷剤で冷やすよりも、冷却効率が良いよいので、ダウンタイムが短くなりますので、出来るだけご購入して利用していただくと良いと思います。

メオアイスの画像

 

 


→関連ブログ投稿:眼瞼下垂症手術を受けたら、必ずしていただきたいこと。


 


◼︎手術後の生活上の注意


前述のように手術後は安静が基本ですが、手術後の生活についての一般的な注意点をご説明しましょう。


完全に赤みが引くまでは、原則、傷口を少しでも刺激することを避けることが非常に重要です。


 

〔洗顔・洗髪で傷を濡らさないこと〕

水中メガネ画像

洗顔・洗髪など、まぶたの手術跡を水に濡らす可能性がある行為は、抜糸するまではできるだけ、避けましょう。

洗顔は、抜糸までは、絶対に濡らせません。抜糸して1週間ぐらいしてからは指の腹で軽く洗う程度にとどめてください。

特に、洗髪については、シャンプーハットないしは、水中眼鏡を使用すると良いと思いますし、ドライシャンプーという選択もあります。

また、自身で洗うのが不安な方は美容室にお願いすると良いと思います。


〔湯船には浸からずシャワーが基本〕

シャワーイラスト画像
湯船で身体を温めると血行がよくなりすぎて、腫れがひどくなる場合があります。

したがって、手術当日は、お風呂に入らず、翌日から抜糸までは、お風呂に入っても湯船に浸からず、ぬるめのシャワーを顔を避けてサッと浴びる程度にしましょう。


〔運動は抜糸してから1週間以降から徐々に〕

運動のアイコン画像

ウォーキングやジョギング、筋力トレなどの運動は運動は抜糸してから1週間以降から、徐々に再開しましょう。

約1ヵ月後には、特に問題なく激しい運動ができるようになります。


〔コンタクトレンズは術後1ヶ月後から徐々に〕

コンタクトレンズアイコン画像

コンタクトレンズは手術1か月後から状態により使えますが、装着中に皮膚に負担が加わることや、装着時に上まぶたの皮膚を引っ張るのは、糸がゆるむ原因となる可能性があります。

傷跡に負担をかけないよう、できれば傷跡の赤みが消えるまではコンタクトレンズを控えた方がいいでしょう。


〔アイメイクは術後1か月後経ってから〕
アイメイク画像

抜糸は、およそ手術後、約10日~14日で行います。アイメイクは、状況により術後1ヶ月後からは可能となっていきますが、

できれば、完全に傷が治るまでは控えた方が良いと言えます。

傷口以外の部分のおいての基礎化粧品(化粧水・乳液)・ファンデーションなどは抜糸後から大丈夫です。

強い腫れも、ほぼ1週間で引くので、眼鏡をすれば、腫れはそれほど目立たなくできることが多いです。

 


■眼瞼下垂症手術後の仕事復帰について

 

 

 

隠れる人物の画像
手術を受けたことが知られたくない方の場合は、1週間くらいの休暇を取って手術をすれば余裕があるのかもしれませんが、

なかなか、そのような時間を作るために、仕事や学校を休むのは難しいと思います。

そこで、あえて手術を受けることを会社に相談してみては如何でしょうか?

保険適応のある眼瞼下垂症手術ですので、自由診療として美容外科等で手術を受けたような負い目を感じることはなく、

あくまで、眼瞼下垂症の治療のため、眼科で、まぶたの手術を受けたと会社や同僚、取引先等に敢えて公表することで、意外に、術後の過ごし方へのストレスは格段に減ると思います。

眼瞼下垂症ということの説明が難しかったり、面倒であれば、逆さ睫毛と言っても差し支えないと思います。

実際に、高田眼科(ひとみ眼科)で手術を受けられた方の大部分の方が、抜糸前で仮に目元に糸がついているような状態でも、手術翌日から会社や学校に行っておられます。

さらには、太めのフレームの眼鏡でかければ、意外にも気付かれないという声も聞きます。

つまり、激しい運動は抜糸して傷が落ち着くまでは避けてほしいですが、デスクワークに準じた仕事や勉強はすぐに行えます。


したがって、ダウンタイム期間は、この記事にある注意点を参考にして頂ければ、働きながらでも十分、眼瞼下垂症手術のダウンタイムをストレスフリーに過ごすことはできるといえます。


高田眼科(ひとみ眼科)では、術後のダウンタイムを最大限減らしたオリジナル眼瞼下垂症手術を行っております。
ご興味のある方は、▶︎▶︎こちらをご覧になってください。


 

■眼瞼下垂手術のダウンタイムをさらに短くするために、高田眼科(ひとみ眼科)で工夫していること。

 

積み上げるイラスト画像


「普通の生活を行って支障がなくなるまでの期間」、つまり「ダウンタイム」の時期での生活上の注意点について、前項では説明させていただきました。

次に、腫れるのが当たり前だと考えられている眼瞼下垂手術でも、ダウンタイムを最小限にするための眼科形成外科医ならではの工夫について説明します。

 

先に説明した通り、術後早期(数日)は、しっかりと冷却を行いつつ安静にし、なるべく血流を良くしないことが腫れを早く引かせる基本的なベースとなります。

 

当然、これは患者さんご本人が、先に述べさせていただいた生活上のルールを参考にして過ごして頂ければ、コントロールできる部分だと思います。

結局は、術後のダウンタイムを短くするためには、短くなることをどんどん積み上げていく作業に他なりません。



[きちんと内服をしよう!!基本的なことだけど、意外にできてない人が多い]

高田眼科としては、先ず、術後の内服をキチンとすることが重要だと考えております。


当たり前かもしれませんが、医師は、意味のない薬剤は処方しないようにしております。

保険診療の場合、標準化治療の原則に従って、効果のない薬剤の処方は禁止されているからです。

特に、手術後の管理において、ダウンタイムを短くするための薬剤を処方しております。


せっかく、ダウンタイムを短くする効果のある処方薬を使用しないのは勿体ないことだと思います。
 

高田眼科で手術を受けられた方でも、経過が平均よりも悪い方というのは、やはり、生活の注意点が守れてないこともありますが、内服をキチンとされてないケースにも多いように思います。

 

高田眼科(ひとみ眼科)では、術後の内服薬は概ね、①消炎鎮痛剤 ②抗生剤 ③ケロイド(瘢痕)防止剤の3種類を指示させて頂いております。


 ①消炎鎮痛剤について
ロキソニン画像

消炎鎮痛剤とは、いわゆる痛み止めで、術後の痛みを和らげる作用があります。

 

痛みを感じると、血圧が上昇します。結果として、手術の創部の内出血に繋がりますので、痛みを抑えることは非常に意味があります。

 

加えて、非常に大事なことですが、痛み止めには、腫れを抑える作用があります。つまり、消炎鎮痛剤の”消炎”という部分の役割です。

 

傷というのは、初期の腫れを如何に少なくするか?で非常にダウンタイムの長さに繋がります。

 

つまり、初期の炎症・腫れを抑えることで、経過が良くなり、最終的にダウンタイムが短く出来ます。

 

したがって、痛みはなかったとしても、腫れを抑える目的として、消炎鎮痛剤を内服することは非常に大事だと言えます。


 ②抗生剤について
抗生剤の画像

やはり、黄色ブドウ球菌などの細菌感染を起こすと、傷跡はひどくなり、治りも遷延(せんえん)化いたしますので、予防的に飲むことは非常に大事となります。


 ③トランサミン(トラネキサム酸)、リザベン(トラニラスト)について

ケロイド治療薬画像
ケロイド(瘢痕)防止ですが、トランサミン(トラネキサム酸)、リザベン(トラニラスト)などがあります。

 

眼瞼については、ケロイドになることは有り得ないという記述をされていることがありますが、高田眼科としては、ケロイドになり得ると考えております。

 

赤くミミズ腫れのような傷跡は、一種のケロイドといえます。ケロイドは、瘢痕組織が過剰に増殖した状態となりますが、手術の傷跡は、少なからず瘢痕組織となります。

 

結果として、綺麗な傷というのは、この瘢痕組織が少ない傷と言えます。

 

まず、トランサミン(トラネキサム酸)は、体内の炎症に関与するプラスミンの働きをおさえるはたらきがあり、組織の炎症を鎮めるなど抗炎症効果や抗出血・抗アレルギー作用を期待することができます。

 

主に、傷の赤みを減らす目的で飲んでいただいております。

 

そして、リザベン(トラニラスト)ですが、現在唯一国内で保険適応があり処方されている肥厚性瘢痕、ケロイドに対する治療薬です。

さらには、このリザベンは抗アレルギー薬でもあり、反応性に増える皮膚線維細胞の増殖を抑える効果があるとともに、傷の赤みやかゆみなどを軽減させる効果があります。


[キズケアの新常識:傷口を清潔に、ウェットに保とう(モイストヒーリング)]

モイストヒーリングの解説図

最近では、傷口を綺麗に治すには、湿潤療法(モイストヒーリング)を行うことが常識となっております。


それは、傷口を体液で覆われた環境(湿潤環境)で維持することで、キズを修復する因子が活発に働いて、表皮の再生が促進され、キズが早くきれいに治ります。

私が子供の頃は、傷は濡らしていけない・・・出来るだけ乾かし、カサブタを早く作ることが大事だと言われていましたが・・・・。

今では、薬局で販売されている絆創膏も・・・高性能なものとなり、この湿潤療法を手軽に行えるようになってきました。

しかしながら、眉下切開術を除き、通常の眼瞼下垂症は眼瞼に切開を行う形になる関係上、こういった高性能被覆材が使用できません。

その代わりとして、高田眼科(ひとみ眼科)では、抗生剤配合のステロイド眼軟膏を使用し、傷口を抜糸までウェットな状態(湿潤状態)に保っていただくようにしております。

つまり、傷口を湿潤環境に維持することで、キズの修復能力の働きを抑えるカサブタを防ぎ、キズを修復する因子が活発に働いて、表皮の再生が促進され、キズが早くきれいに治ります。

ただし、眼軟膏は、瞼(まぶた)の際に塗ると、目の中に入り、視界がボヤけてしまうという問題点もありますので、ご使用にあたっては、適度に塗っていくようにしてください。



■まとめ

ダウンタイムの画像


ダウンタイムという言葉の定義については、非常に基準がありまいな部分があります。

 

傷が治るといっても、ぱっと見では、わからない程度に腫れが引いている状態から、目を閉じた状態で、じっと見ても傷口が全くわからない状態まで様々です。

 

他施設での手術経過は様々で一概に言えませんが、高田眼科での手術経過の場合は、ほぼ抜糸を行う頃(概ね2週間)には、メガネを掛けていれば、気付かれないと仰ってくださる方が多いです。

 

さらには、1〜3ヶ月経てば、メガネがなくても、ほぼ気付かれない。そして、3ヶ月経つと、目をつぶった状態でも、人には分からない程度にはなってると仰ってくれます。

 

高田眼科では、眼瞼下垂症手術を受けたことを後悔されることがないためにも、最大限ダウンタイムが少なくなるように、工夫に工夫を重ねております。

 

そして、今現在でも、新しい工夫を取り入れております。

 

結果として、とある美容サイトで、患者さんが自らの手術経過を上げてくださっているようで、そのダウンタイムの少なさから、高田眼科の眼瞼下垂症手術を選んで下さって、お問い合わせしてくださる方もいらっしゃいます。

 
他にも、他院で埋没法による眼瞼下垂症や二重手術を受けられたものの、結果が出ず、当院にて修正手術を行った患者さまが、前回の手術よりも腫れてない・・・切開手術なのに、埋没よりも腫れないってことがあるんですねと言ってくださることも多くあります。

高田眼科としては、結局、いかに術者がダウンタイムを短いものにしようとする気持ちを持っているのか?ということが一番大事だと思います。

ダウンタイムの長さを規定する大事な要素は、手術内容が70%、術後の管理内容が30%だと経験上言えるからです。

ここで、説明しておりませんが、皮膚を切開するにしても、金属メスで行うのか?あるいは、CO2レーザーで行うのか?はたまた、電気メスで行うのか? さらには、当院のように高周波(ラジオ波)メスで行うのか? で全く経過が異なるものとなります。

 

そういったことについても、また、ブログで記事にしてみたいと思います。よろしくお願いいたします。


高田眼科(ひとみ眼科)オリジナル眼瞼下垂手術方法:TKD切開・ファシアリリース法については、こちら!!


 

投稿者: 高田眼科

2016.08.15更新

※2020.9.27 記事内容を更新


◼︎予防できる眼瞼下垂症と予防できない眼瞼下垂症

 

眼瞼下垂の予防法に納得する女性

 

後天的な眼瞼下垂(がんけんかすい)のなかには、身に付いた生活習慣を改めることで予防できる場合もあります。

ここでは、予防可能な後天的な眼瞼下垂において、生活習慣の改善やトレーニング、予防注射などで予防できる方法をご紹介します。

最後に、高田眼科(ひとみ眼科)として、考える眼瞼下垂の究極の予防法についても説明いたします。

  


眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、なに? どんな病気?


 
眼瞼下垂症のイラスト

 
 眼瞼下垂症とは、何らかの要因により、瞼(目蓋/まぶた)を上げようとしても、瞼が十分に上がらなくなる状態のことを言います。
目が開かないため、瞼(まぶた)が瞳孔(瞳の中心にある のぞき窓)の一部に被さってしまう状態とも言えます。


原因によって、先天性、後天性のものに分けられます。それ以外のものとして、偽眼瞼下垂症と呼ばれるものもあります。

先天性というのは、生まれつきのもので、後天性とは、言い換えれば、加齢などにより、まぶたを引き上げる腱膜、筋肉、神経の異常により生じた眼瞼下垂(がんけんかすい)と言えます。

眼瞼下垂症の分類

  

先天性眼瞼下垂は、生まれつき、筋肉(眼瞼挙筋)や神経(動眼神経)に異常があり、目が十分に開かない状態です。

 

特に、瞼を開くための一番メインとなる眼瞼挙筋が、全部、または一部が繊維化していることが多く、通常の手術では治らないと考えられております。例えれば、先天性眼瞼下垂症の方の眼瞼挙筋は、劣化して硬くなったゴムの様に、弾力がなく、ほとんど伸び縮みせず動きません。

 


後天性眼瞼下垂は、後天的な原因により筋肉(眼瞼挙筋)の動きがきちんと伝わらなくなる(=筋力のロスがおこる)ためにおこ
ります。

 

瞼板と筋肉の接着部分は強くなく、イメージするなら、フカヒレのように無数のコラーゲンの糸の束でつながっている感じで、少しずつコラーゲンの糸が、目を擦ることなどの外的な要因で切れていくことで起こります。

 


偽眼瞼下垂は、まぶたを引き上げるための構造(動眼神経、眼瞼挙筋、眼瞼挙筋腱膜、瞼板軟骨など)の異常以外の原因によって、瞼(まぶたが)が上がらなくなってしまった眼瞼下垂症を意味します。

 

具体的には、一重(ひとえ)や奥二重(おくぶたえ)の腫れぼったい厚い瞼(まぶた)の人は、ハッキリとした二重の人よりも瞼が開きにくいのは、筋肉や神経に問題なく、単純に皮膚が余りすぎてたり、眼輪筋や眼窩脂肪が多すぎるなどで、瞼(まぶた)が重いすぎるからです。 


眼瞼下垂(がんけんかすい)の症状は、瞳(ひとみ)に瞼(まぶた)がかかった状態となるため、視野の狭窄化に伴う視力の低下、肩こり・頭痛などの眼精疲労症状などが出現します。


眼瞼下垂(がんけんかすい)の程度は、瞼を意識して最大限瞼を持ち上げることで簡単に重症度の判定ができます。

眼瞼下垂症の重症度分類(軽度・中等度・重度)


眼瞼下垂症について、もっと知りたい方は、こちらのブログ記事を覗いてみてください。
▶︎▶︎▶︎「眼瞼下垂症」ってなに?どんな病気? 自覚症状、セルフチェック方法について解説します。


ちなみに、生まれつき上まぶたが下がって開きにくくなっている「先天性眼瞼下垂症」は、自身の習慣などとは無関係な眼瞼下垂で、予防することが出来ませんので注意が必要です。 

◼︎眼瞼下垂症の効果的な予防法

眼瞼下垂症を予防する
日常生活での眼瞼下垂症の予防においては、まぶたを上げる際に大切な役割を担う「瞼板(けんばん)」につながる「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」という薄くて堅い膜がゆるんだり、挙筋腱膜と瞼板の結合部分が外れたりしないよう、まぶたへの物理的な刺激を避けることが非常に重要となります。

つまり、過剰な力がかからないようにしないと、スポーツ外傷で起こる アキレス腱断裂のように、眼瞼挙筋腱膜の断裂が起こってしまうからです。

そして、一旦完全に外れて重度の眼瞼下垂となってしまうと、手術によって断裂を直すしか方法がありません。


高田眼科(ひとみ眼科)では、自然な仕上がりを目指したオリジナルの眼瞼下垂症手術を行っております。
>>高田眼科(ひとみ眼科)オリジナル眼瞼下垂手術:TKD切開・ファシアリリース法については、こちら!!


 

荷物を吊り上げるクレーンの写真

基本的なこととして、筋肉の力というのは、筋肉(眼瞼挙筋)→→→腱(眼瞼挙筋腱膜)→→→骨格(瞼板)と伝わっていきます。

イメージしづらいと思いますので、例え話にしてみますと、建築現場で活躍するクレーンが荷物を吊り上げている状態と同じようなもので、吊り上げるべき荷物が瞼板(けんばん)であり、吊り上げているワイヤーが眼瞼挙筋腱膜、そして、クレーン車が眼瞼挙筋です。


眼瞼下垂症の瞼は、荷物の重さに対してクレーンの力(眼瞼挙筋の筋力)が足りていない場合、吊り上げている荷物(瞼板)とワイヤーとの接続が外れてしまっている場合と分けられます。

ちなみに、後者のワイヤーの破損、つまり、眼瞼挙筋腱膜が断裂していたり、瞼板から外れている場合には、先に述べたように手術でしか直すことしか出来ませんが、クレーンの力不足なら、それを鍛えることで眼瞼下垂症の改善が期待できます。


では、どのように眼瞼下垂症の予防するためには、いかに、眼瞼挙筋腱膜を壊さずに、眼瞼下垂症を予防し、眼瞼挙筋を鍛えるのか?ということを説明していきます

 

[まぶたのマッサージは逆効果!!]


マッサージ禁止
まぶたを直接、強くこするようなマッサージは、眼瞼挙筋腱膜へのダメージになるので、逆効果となります。

さらには、皮膚のリガメントを痛める可能性もあり、皮膚もタルミにも繋がり、眼瞼下垂症が悪化すると言えます。


また、目がかゆいときに手指でまぶたをこすらないことも同様に大事です。

アトピー患者さんには、眼瞼下垂症が多く合併することから、アレルギー症状や皮膚のかぶれなどで、どうしてもかゆい場合もあるかと思いますが、早期に眼科を受診し、適切な治療を受けましょう。

適切に痒みをコントロールをし、まぶたをこすることを必ず避けるようにいたしましょう。

かゆみの原因である炎症反応を抑え込む点眼液、内服、眼軟膏などを使用するのが一番ですが、点眼以外の方法としては、痒みのコントロールには冷却することも有効です。
 

また、洗顔後に目を拭くときにもタオルなどでこすらないような注意が必要です。


その他には、アイメイクを落とす時にも強い力をかけてはいけませんし、できればアイメイク自体がまぶたに悪影響があると考えてください。

 

加えて、過度なつけまつげも、瞼を重くし、まぶた(眼瞼挙筋腱膜)に負担をかけてしまいます。


[コンタクトレンズの付け外しにも注意が必要です]


眼瞼下垂症にならないコンタクトの外し方
 
最近、コンタクトレンズを長年使用されている方に、眼瞼下垂症が多いことが知られるようになってきました。

コンタクトレンズを付けている際に、瞼の裏から機械刺激で眼瞼挙筋腱膜に負担をかけているという説もありますが、

付け外しの際にも、負担をかけていることも原因として多いとも考えられます。

したがって、コンタクトレンズを入れる際や外す際には、上まぶたを無理に指で持ち上げたりせずに、できるだけ下まぶたを引いて着脱するようにしましょう。

 

また、加えて、なるべくメガネを併用して長時間のコンタクトレンズ使用を避け、コンタクトレンズが瞼の裏を刺激する負担を減らすようにします。

最後に、コンタクトレンズのタイプをハードからソフトに変えるだけでも眼瞼挙筋腱膜への負担が減ります。

それだけでも、眼瞼下垂症が改善したケースもあります。

特に、ハードコンタクトレンズは、外す際にまぶたを引っ張ることで外すことが多いからです。

できれば、先に触れたようにハードコンタクトレンズの外す際には、写真のようにして上下で瞼を挟み込むように外すか、取り外し専用の吸盤を使うと、眼瞼下垂症の悪化を抑えることができますので、今日からでも実践しましょう。

 

[パソコンなどのVDT作業にも注意]


 

VDT作業の疲れ

仕事でパソコンのモニタを長時間見つめる人も、まぶたの開け閉めと関わる目の周囲の筋肉や腱に疲労や緊張などの影響を及ぼします。

 

定期的に目をモニタから離したり、目を休めるケアを心がけましょう。

 

目だけでなく顔全体の緊張や体の疲労を残さないようにすることも眼瞼下垂症の予防につながります。

 

次に、まぶたの開け閉めと関わる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を鍛えるのに効果的なトレーニングをご紹介します

 

[効果的な眼瞼下垂症予防トレーニング]


 

女医の画像

眼瞼挙筋腱膜に損傷がない場合の眼瞼下垂症の原因として、瞼を上げる筋肉の主役である眼瞼挙筋の筋力の衰えが考えられます。

眼瞼挙筋が衰えると、前頭筋(額の筋肉)を使うようになり、ますます眼瞼挙筋が使われなくなり、退化してしまいます。

一流の体力を持った宇宙飛行士が長らく宇宙に滞在して地球に戻ると、筋力が落ちてしまうのと同様に、

眼瞼挙筋も使わなくなると、段々と衰えてしまい(廃用症候群)筋力が落ちてしまうと考えられます。

実際に、高齢の方の手術を行うと分かるのですが、眼瞼下垂症が発症して長期間経っていると、キチンと使ってないことで眼瞼挙筋が萎縮し筋力が低下してます。

その場合、眼瞼下垂手術を行っても、眼瞼挙筋腱膜と瞼板の接合を修復しても瞼が上がりにくいことがあります。

このような状態を挙筋機能の低下と言います。

 


廃用症候群」とは、病気やケガなどで身体を動かせない状態が続き、過度の安静や日常生活の不活発に伴って生じる身体的・精神的諸症状の総称です。

すなわち、身体を過度に動かさないこと(不動immoblization、低運動inactivity、臥床bedrestなど)により生じる二次的障害と言えます。

重力に抵抗して働く筋肉(抗重力筋)に強く起こりやすいとされます。 最大筋力の20%未満の活動では筋萎縮や筋力低下が起こりやすいとされています。

眼瞼挙筋も抗重力筋の一つと考えて差し支えありません。



したがって、普段から、前頭筋に頼らない瞼の挙上を行うことが非常に大事となります。

そこで、眼瞼挙筋の筋力をトレーニングを普段から取り入れられると眼瞼下垂症の予防につながります。

眼瞼下垂症予防体操の写真


 眼瞼下垂予防トレーニング(眼瞼挙筋トレーニング)


 眼瞼下垂症予防体操 ステップ1

(1)まず、目を静かに閉じ、眉を下げることを意識して額の力を抜きます。

(2)左右の眉毛が動かないよう、額全体を手のひらで押さえる。

眼瞼下垂症予防体操 ステップ2

(3)両目をカッと限界まで大きく見開いて5秒キープする。


(4)ゆっくり目を閉じてリラックスする。


この(1)~(4)を1セットとし、1日に数回繰り返しましょう。

習慣化することで、眼瞼挙筋の衰えを防ぐのに効果を発揮します。



[眼瞼下垂症予防注射]


 

眼瞼下垂症予防注射の写真

眼瞼挙筋トレーニングを毎日、キチンと行う習慣を形成できれば、一番良いのですが・・・・

なかなか、難しいとお考えの人は、ボツリヌス菌の毒素注射(ボトックス注射)を使った方法もあります。

毒素というと、ビックリされる方もいらっしゃると思いますが、疾患によっては保険適応にもなっている れっきとしたお薬となります。

ボトックスはボツリヌス菌が作り出す毒素で、筋肉の動きを止める働きがあります。

つまり、ボトックスを注射されると、その部分の筋肉は、2〜3ヶ月程度、動きにくくなります。

そこで、このボトックスを額に注射することで、額の筋肉(前頭筋)が動きにくくなり、前頭筋に頼らない眼瞼挙筋主体の瞼の挙上を行う状態となります。

その状態であれば、前述のトレーニングをしなくても、簡単に自然と眼瞼挙筋を鍛えることになります。

(注1)額にボトックスを打つと、眼瞼下垂症が強く出る方もいらっしゃいます。

それは、眼瞼挙筋の機能が少ない・・・つまりは、眼瞼下垂症手術適応の方だと言えます。したがって、ボトックスを注射する前には、主治医にしっかりと相談されることを必要となります。


(注2)この場合のボトックス注射は、自由診療となり、保険が効きません。手技料金が医療機関により異なりますので、事前に確認が必要となります。


[眼瞼下垂症手術で予防する]


眼瞼下垂症を手術で予防する

眼瞼下垂症というのは、ある意味、眼瞼挙筋腱膜の緩み(ゆるみ)と皮膚の弛み(たるみ)、瞼の重み(おもみ)が原因となります。

人は、歳をとると、まぶたのゆるみ・たるみ・おもみというのは悪化していきます。

こうした状態になる前に、敢えて、眼瞼下垂症手術を行うことで、挙筋腱膜の前転固定で”ゆるみ”を改善させ、皮膚切除で”たるみ”を取り、眼窩脂肪除去・眼輪筋切除で”おもみ”を改善させれば、アンチエイジング効果が期待できます。

早期に手術を行えば、たるむ皮膚を取り除き、ゆるむ腱膜の固定を行い、重い瞼の厚みを取り除くため、老けて変化するものがない状態とも言えます。

つまり、究極の眼瞼下垂症の予防方法は、眼瞼下垂手術だったりします。

以前から、眼瞼下垂手術について、高田眼科(ひとみ眼科)としては緊急性の高い手術ではないと考えていることから、ことさらに手術を無責任にオススメすることはしておりません。

成功率100%の手術であるのであれば良いのですが、そうではないからです。

高田眼科(ひとみ眼科)オリジナル眼瞼下垂手術方法:TKD切開・ファシアリリース法を行うようになってから、成功率は非常に高いものとなりました。

  

そういうこともあり、眼瞼下垂症の予防という観点から、早いうちに眼瞼下垂症手術を行うことで、積極的に行う要素もあると考えるに至りました。


[眼瞼下垂症の原因についての新しい考え方(概念)について]


  眼瞼下垂症の原因として、さきほど、まぶたのゆるみ・たるみ・おもみに触れましたが、高田眼科(ひとみ眼科)では、新しい概念として、しぶみ(渋さ)という考え方も取り入れております。

眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の可動制限が原因になるという考え方です。

眼瞼下垂手術とは、皮膚を切開し、瞼を上げる筋肉(眼瞼挙筋)の腱である眼瞼挙筋腱膜を露出させ、糸で瞼板軟骨に止め直す手術のことです。
眼瞼挙筋前転法の説明イラスト


しかしながら、この腱膜だけを止め直すことさえしていれば、全ての眼瞼下垂症が簡単に治るというわけではありません。

それは、瞼が上がりにくくなっている原因が、決して、眼瞼挙筋腱膜の不具合だけでなく、先に述べた様に、瞼(まぶた)のたるみ、おもみがあり、それらが瞼が上がりにくくなっている大きな要素となっている場合には、単純な挙筋腱膜への操作だけで治るわけではないと言えるわけです。

特に、生まれながら、瞼が分厚く、皮膚の余剰が多い奥二重が多い日本人の場合、この傾向が顕著だと言えます。


優秀な眼形成外科医なら、皮膚を切除することで皮膚のタルミを、眼窩脂肪、眼輪筋を切除することで瞼(まぶた)のおもみを直すことは出来るのですが、それらの操作を行うことで眼瞼下垂症手術が非常に難しい手術となるために、保険外手術、自由診療による自費手術として高額になる場合が多いようです。

(高田眼科(ひとみ眼科)では、それらのことをキチンと行った眼瞼下垂手術でも、基本的に、保険手術で行っております。)


そして、高田眼科(ひとみ眼科)の眼瞼下垂手術では、さらに進んで、渋さともいうべき筋肉の動きの引っ掛かり、可動制限を取り除くというオリジナルの考え方に基づいて、眼瞼下垂症手術を行っております。

例えば、一般的に、筋肉は、加齢によって、硬くなっていき、動きが渋くなり、拘縮していきます。

動きが硬くなった筋肉は柔軟体操でほぐせますが、それは、筋肉の硬さはファシアと呼ばれるコラーゲン結合組織による拘縮が原因だと分かっております。

つまり、柔軟体操、マッサージにより、ファッシアがほぐれる(ファシアリリース)ため、筋肉の引っ掛かりが柔らかくなり、可動域が増えるというわけです。
ファシアをほぐす柔軟体操ストレッチ


Fascia(ファシア)とは、身体の全ての神経・筋肉・血管・臓器・骨・腱を覆って、それらを繋げて包む結合組織のことをいいます。

すなわち、身体の中にある、あらゆる組織を繋げているものです。

線維性結合組織を意味するファシアは、動かないことや使いすぎによって、癒着したり、伸長性が低下したり、刺激に敏感になったりして、痛みや可動域制限など症状を起こすことが知られています。

そして、ファシアに、痛みの起点、トリガーポイントがあると分かっており、そこに、物理的な負担がかかると痛みの信号が出てきます。

眼瞼下垂症により、目の奥の痛みなどが発生しやすいのは、ファシアに原因があるとも考えることができます。

ファシアリリースで、物理的なテンションがかかることを防ぐことで、眼瞼下垂症に多く見られる瞼の痛みが和らぐとも言えます。



 眼瞼下垂症の原因についての新しい概念というのは、眼瞼下垂症の方は、眼瞼挙筋と眼瞼挙筋腱膜が、このファシアによって、眼窩脂肪に固着しているため、まぶたを上げる際の引っ掛かって可動制限の原因となっているという考え方(ファシア理論)です。

したがって、眼窩脂肪と眼瞼挙筋をしっかりリリース(剥がす)ことで、瞼の動きの渋み、つまりは引っ掛かり(可動制限)を解除することで、無理のない眼瞼下垂症手術が可能となりました。

まぶたが十分開く状態なのに、やたらと、まぶたが重い、引っかかると感じる方は、眼窩脂肪が多く、そして、ファシアによる眼窩脂肪の眼瞼挙筋への癒着が酷いという印象があります。

そして、そういうタイプの方が通常の眼瞼下垂症手術を受けても、目は開くようになったが、目の重さが解消されていないと術後に「まだ瞼が重い」と訴えられるケースがあります。

高田眼科(ひとみ眼科)としては、眼瞼下垂症手術を行う際には、まぶたが重いと感じる方ほど、当院オリジナルのTKD切開・ファシアリリース法をお勧めしております。

ちなみに、和田アキ子さんに見られたことで有名となったる眼瞼下垂症手術後の三角目、テント目のトラブルは、このファシアが強い場合に起こりやすく、ファシアリリースを行うと、自然なアーチの目になりやすいと言えます。

 


>>眼形成外科医 高田医師による眼瞼下垂症ブログの人気記事まとめ はこちら!!

 


 

 

投稿者: 高田眼科

2016.08.15更新

※2020.7.27 記事内容の修正と更新を行いました。


■「ダウンタイムについて」

downtimeのロゴ画像


基本的なこととして、手術してから回復するまでの期間を「ダウンタイム」と呼びます。

 

いわば「普通の生活を送って支障がなくなるまでの期間」を指しますが、このダウンタイムのことを考えずに治療を受けてしまうと、治療後に予定していたスケジュールに支障が出てしまうこともありますので注意が必要です。

 

眼瞼下垂はまぶたを手術することになりますが、まぶたの皮膚は、スキンケアの方法が話題となるほど繊細な顔の皮膚のなかでも、最もデリケートと言われているぐらいです。

 

そのデリケートさは、頬の皮膚に比べて、3分の1ともいわれ、実は、体の中で一番薄い皮膚と言われているぐらい薄いことからも分かると思います。

 

虫に刺されても腫れるほどですので、当然、切開を伴う眼瞼下垂の手術を行えば、「腫れ」は避けることができません。

 

高田眼科の眼瞼下垂症ブログでは、眼瞼下垂の治療法としてまぶたの切開を伴う「眼瞼挙筋腱膜前転術(がんけんきょきんけんまくぜんてんじゅつ)」「眼瞼挙筋短縮術(がんけんきょきんたんしゅくじゅつ)」「前頭筋吊り上げ術(ぜんとういきんつりあげじゅつ)」「眉下切開術(まゆしたせっかいじゅつ)」の4種類を紹介しています。

 

術後の経過には医師の技術や患者さんの体質によっても差が生じますが、一般的なダウンタイムの経過を説明いたします。

 

 


参照:ダウンタイムが少ない眼瞼下垂症手術を行っている当院の手術については、 眼瞼下垂症ブログ記事:最速の眼瞼下垂症手術(両眼:30分)はダウンタイムも少ない。 をご覧ください。


  

◼︎手術別のダウンタイム 


一般的なダウンタイムについて眼瞼挙筋腱膜前転術から説明していきましょう。

(尚、一般的な施設での手術経過を想定しており、高田眼科(ひとみ眼科)での手術経過とは、多少異なっておりますので、ご注意ください。)


〔眼瞼挙筋腱膜前転術〕

前転法の図


一般的に、一番腫れるのは、手術翌日で、次に、手術翌々日です。

高田眼科(ひとみ眼科)の場合、術中の止血操作に細心の注意を払っていることから、術後の瞼周囲の皮下出血、青タンなどはほとんど出ません。

そして、手術後10日間ほどは、患部がある程度腫れが続き、むくみも感じます。

 

また、この期間は涙や目やにの量が増えたり、逆にドライアイ気味になったりすることがあります。

 

痛みはないのですが、つっぱった感じや、かゆみもあります。手術中に毛細血管が傷つくと内出血が出ることがありますが、1~2週間かけて消えていきます。

 

ただ、内出血や感染症になった場合、腫れが長引くこともあります。

それを防止するための抗生剤の内服については、きちんと処方し、内服の指示は徹底しております。

 

抜糸は、通常は14日後に行います。

14日後の抜糸というのは、意外に長いのかもしれませんが、糸自体は、二重の奥に隠れますので、あまり目立ちません。

上手く、メガネのフレームで隠せば、より目立たないと考えております。

また、どうしても14日以下で抜糸すると、ちょっとしたことで傷が開く可能性もあり、パックリ開かないにしても、傷口が綺麗にならないケースが多いように考えております。 

抜糸後は、腫れが引くのも早まりますが、メイクは抜糸が済んで、最低1週間以上は空けてから行うのが無難です(まぶた以外のゾーンのメイクは大丈夫です)。


目立つほどの腫れは1~2週間で落ち着きますが、何となく腫れぼったい感覚や傷の赤みは2~3ヵ月くらい続く場合もあります。

この時期の赤みについては、内服が効果的で、高田眼科(ひとみ眼科)では、トラネキサム酸、トラニラスト、ビタミンCなどの内服を行い、万全を尽くしております。
 

この時期に、まぶたの左右差が生じることがありますが、やはり手術後3ヵ月ほどでなくなることが多いです。

したがって、左右差の最終的な判断は、3ヶ月後の時点で行い、必要であれば、再手術により修正手術の計画を立てることとしております。


〔眼瞼挙筋腱膜短縮術〕

眼瞼挙筋短縮法の図

 

手術後10日間ほど強い腫れが続き、内出血が出ることもあります。

 

この腫れは1〜2週間かけて消えていきますが、腫れがおよそ落ち着くまでには1ヵ月ほどかかります。

 

この期間は腫れにより、まぶたに左右差ができることもあります。

 

患部に痛みはありませんが、違和感やつっぱった感じ、かゆみがあることがあります。


眼瞼挙筋短縮法には「経皮法(けいひほう)」と「結膜法(けつまくほう)」がありますが、経皮法の場合は、手術後約1〜2週間後で抜糸を行います。しかし結膜法では抜糸は行いません。

 


〔前頭筋吊り上げ術〕

前頭筋吊り上げ術は、これまで述べた2つの手術方法に比べ、手術後2〜3日から1週間は腫れが強く出るため、ダウンタイムも長めになる傾向があります。


抜糸は、手術後約10日~14日後に行います。

 

この後約1ヵ月経つと目立った腫れは引いてきますが、腫れが完全に引くのには、3ヵ月ほどかかります。


〔尾毛下切開法〕

眉下切開


顔面の傷は、意外にダウンタイムが長いと言えます。

特に、下眼瞼への手術や、眉下切開の手術は、二重の奥に傷を隠せる眼瞼挙筋前転法・眼瞼挙筋短縮法などの手術と違い、目立ちやすいと言えます。

完全に赤みが消えるまでには、1ヶ月〜3ヶ月・・・場合によっては、それ以上の期間がかかる可能性があります。

しかしながら、傷跡の問題だけを除けば、手術手技としては非常にシンプルな方法ですので、失敗は少ないと言えます。

 

投稿者: 高田眼科

2016.08.15更新

※2020.3.12 記事内容を修正・更新をしました。
※2020.5.27 記事内容を修正・更新をしました。


 ◼︎眼瞼下垂による症状

 

眼精疲労に悩む人物の写真

[後天性眼瞼下垂]の症状「腱膜性眼瞼下垂」で説明したように、「後天性(こうてんせい)眼瞼下垂」のほとんどを占めるのが、「腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)」です。

 


 腱膜性眼瞼下垂の「腱膜」とは、まぶたを上げる際に大切な「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」を指すのですが、詳しくは、ブログ記事:まぶたの開け閉め


 

腱膜性眼瞼下垂症になると、まぶたが上がらないだけでなく様々な自覚症状が表れますので注意が必要です。

 

そのメカニズムと共に紹介しましょう。


まず、挙筋腱膜の働きに支障が出ると眼瞼挙筋を補佐している「ミュラー筋」が収縮する力を貸りるのですが、ミュラー筋が眼瞼挙筋に強く引っ張られると、眉毛を上げる「前頭筋(ぜんとうきん)」が収縮し、首や肩甲骨を動かす「僧帽筋(そうぼうきん)」も収縮すると言われております。

筋緊張の仕組みの図

 

したがって、 通常は上を見るときにしか収縮しない額や首、肩の筋肉が常に収縮した状態になってしまうため、緊張型の頭痛や肩こりが起こりやすくなります。

 

また、このミュラー筋が収縮するときは、緊張時に働く交感神経が活発になるため、目を開けている時間が長くなると、それだけ心身の緊張状態が続くため疲れやすく、不眠症を引き起こすこともあると言われております。


このように各筋肉が働くと、腱膜性眼瞼下垂の初期には眉の位置が上がる、額のシワが深くなる、二重の幅が広くなる、(白目の部分が多い)三白眼になる、眉の下がくぼむ、左右で目の大きさが違うなどの変化が表れます。




◼︎手術後の注意



腱膜性眼瞼下垂の治療は、挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すのを目的として行われますが、詳しい方法は、ブログ記事:眼瞼下垂症手術「挙筋腱膜前転法」でご確認ください。

 

なお、当院で、行っているオリジナル眼瞼下垂症手術法のTKD切開・ファシアリリース法の基本は、眼瞼挙筋前転法です。

 

そして、最近では、眼瞼挙筋腱膜前転法が難しいということもあり、最近では、手術手技が簡単な眉下切開法(まゆしたせっかいほう)をおこなうところが増えております。

この手術法は、眼瞼挙筋、ミュラー筋の調整を行わずに単純に皮膚のみを切除することで、施術を受ける患者にも、施術者にも、理解しやすく受け入れやすいと言えます。

 


参照:>>眉下切開術(アイリフト)については、こちらのブログ記事をお読みください。



「眉下切開術(まゆしたせっかいじゅつ)」の場合では、眉毛下から離れた傷跡は目立ってしまうので、眉毛の下側の産毛の部位で切開し、なお且つメスを入れる角度を眉毛と平行にすることで、眉毛の毛根をできるだけ温存できます。


最終的に傷跡直上に眉毛が生えてくるようにすることが大切だと言われております。


通常、5~15mmの幅でたるみの程度に応じて紡錘形(ぼうすいけい)に切除します。


皮膚切除の際に、厚い皮下脂肪や眼輪筋を切除することになります。


手術後には、眉毛の位置は下がり、目と眉毛の距離は縮まります。


そのため目と眉毛のバランスを一番いいところにしたいため、眉毛下皮膚切除術の際に、前頭骨(額の骨)の骨膜に、眼輪筋を縫合・固定して眉毛の下降を防ぐ眉毛固定術を行うことがあります。


麻酔は局部麻酔で、手術は、一般的なクリニックでは、約40分~1時間。抜糸は通常術後7日目〜14日目に行います。


上眼瞼除皺術と比較して、術後の腫れが非常に少ないことがメリットです。また抜糸後は眉毛の下の傷跡をアイブロウで隠せます。



額の筋肉を使ってまぶたを上げれば、視界の制限にも対処できる程度の軽傷の場合は特に治療の必要はありません。

 

ただ、額の筋肉を上げて目を大きく開こうとするとき、後頭部から頭の上を通って眉毛にまで至る後頭前頭筋(こうとうぜんとうきん)が収縮します。

 

こうした状況が持続し、緊張して凝ったようになると血流の悪化に結びついて、頭痛や肩こりの原因ともなります。

 

こうしたメカニズムは、ブログ記事:なぜ肩こりや頭痛になるの? をご参照ください。

 

一方で老人性眼瞼下垂が重症になるとまつ毛を内側に押し込んで、いわゆる「逆さまつ毛」になり眼球を傷つけるケースも生じます。

 

もちろん、視野が制限されて生活に支障をきたす場合は治療が必要です。

 


老人性眼瞼下垂の治療は、まぶたに関わる筋肉への処置は行わず、たるんだ皮膚だけを切除することで視野が確保できる場合もありますが、

 

一般的には、眼瞼挙筋前転法を併用することが多いです。

 

当院では、皮膚切除術だけの眼瞼下垂症手術を選択することはありません。

高田眼科として、眼瞼下垂症による体のコリの原因と考えられている眼瞼ファシアを剥がすオリジナル眼瞼下垂症手術を行っております。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

※2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎治療の効果


加齢と共に上まぶたの皮膚がたるんで伸びたように垂れ下がり、まぶたが開きにくくなって特に上方の視野が制限されてしまうのが「老人性眼瞼下垂(ろうじんせいがんけんかすい)」です。

 

昔は「もう年だから仕方ない」という理由で眼科に相談されずに放置されていた方がほとんどでしたが、最近は高齢の方の意識も変わって手術される方が増えてきています。

 

そして、高田眼科でも、当院で手術された結果をみて、自分も受けたいとの相談を頂くことが多くなりました。

 

老人性眼瞼下垂で手術を行うメリットは主に次の3点が挙げられます。


(1)目の印象アップによる美容効果:年齢に関わらず目の印象は、顔全体のイメージにつながります。そして、若々しさを取り戻すことができます。

 

(2)視野の向上:まぶたが下がる眼瞼下垂は、視野が狭くなるのが避けられません。上下の視野が制限されますので、頭をぶつけるなど思わぬ怪我をする恐れがありますし、1番のメリットは、下方視界の改善により、転倒のリスクが下がることです。

転倒は、老人の寝たきりの原因として最大限気をつけないといけない事故だと思います。

 

(3)同様に上側の視野が制限されるため、アゴが出た姿勢をとることが多くなり、姿勢が悪くなるため、健康面や見た目のイメージに影響を及ぼします。



◼︎手術方法

手術方法は、主に次の3つの方法が挙げられます。



(1)上まぶた余剰組織切除術:まぶたを上げる際の動力となる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」は機能しているのに、皮膚のたるみが強くてまぶたがたれ下がっている場合に有効です。

 

たれ下がった余分な皮膚と皮下組織、眼輪筋や脂肪を切除します。二重まぶたのラインに沿って切除するため、傷跡が目立ちにくいというメリットあります。



(2) 眉毛下余剰組織切除法:まぶたを切開せず、眉毛の下のラインに沿って切開し、たるみを除去します。手術後の腫れが少ないのが特長ですが、眉毛の下の切開線をなるべく残さないことが重要になりますが、まぶたを切開する方法と比べて、傷跡が目立ちやすいというデメリットがあります。



(3) 眼瞼挙筋前転法:皮膚のたるみに加えて、眼瞼挙筋の機能が不十分な場合に取られる方法です。挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すことを目的として行われますが、詳しい方法は、眼瞼ブログ:〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」で説明しています。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。

2020.3.23 記事内容を修正・更新しました。


■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」の手術治療法は、大きく分けて「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に行われる「眼瞼挙筋短縮術」「眼瞼挙筋腱膜前転術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」に分けられます。

 

眼瞼挙筋短縮は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を短く切断して「瞼板(けんばん)」に縫合する手術、そして、眼瞼挙筋腱膜前転法術は眼瞼挙筋を切断することなく折りたたむようにして瞼板に縫合する手術ですが、ここでは後者の前頭筋吊り上げ術についてご紹介します。

 

瞼を引き上げられる筋肉には、3つの筋肉があります。①眼瞼挙筋 ②ミュラー筋 ③前頭筋 です。

 

①眼瞼挙筋は、読んで字の如く、瞼を挙げる筋肉で主役となる筋肉になります。動眼神経という脳神経によりコントロールされております。

 

②ミュラー筋は、交感神経という自律神経に支配されている筋肉で、どちらかと言えば、眼瞼挙筋を補佐する筋肉です。交感神経は、感情と関わりがある神経で、精神的に興奮した際に活発になる神経です。

 

例えば、怒ったり、びっくりしたときに、目をパッと見開くと思うのですが、その僅かに瞼を持ち上げているのがミュラー筋となります。

 

③前頭筋は、前頭、つまり額(オデコ)の筋肉で、額にシワを作る筋肉ですが、眉を上に挙上する役割があります。

 

人は眉を持ち上げると、繋がっている(連なっているとも言えますが)瞼も上がります。

 

人は歳をとると、オデコにシワが出来る人が多いと思いますが、歳をとることで、瞼が上がりにくくなる、つまり眼瞼下垂症を発症することで、上がりにくくなった瞼をなんとかして上げようとするために働くためだと言えます。

 

眼瞼下垂症手術を受けると、オデコのシワが消えたりするのは、その代償が必要なくなったためだと言えます。

 

先に述べたように、眼瞼挙筋は、まぶたを上げる(開ける)ときにメインとなる大きな力になる筋肉ですが、その機能がほとんど機能していないか、極端に少ない場合に、前頭筋つまり眉毛を上げるおでこの筋肉によってまぶたが上がるようにする手術が前頭筋吊り上げ術です。

 

太ももの外側にある (だいたいきんまく)か、こめかみ辺りにある側頭(そくとう)筋膜を使用するため、「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれます。最近では、人工素材:ゴアテックスなどを使用しているケースが増えております。




◼︎前頭筋吊り上げ術の実際は?



前頭筋吊り上げ術は、眉毛や額を上げる前頭筋とまぶたをつないで、眉毛の動きによってまぶたを上げる方法です。

 

前頭筋とは、目や口、鼻、アゴなどを動かす眼輪筋(がんりんきん)、頬筋(きょうきん)、口輪筋(こうりんきん)、頤筋(おとがいきん)を主な筋肉として構成される表情筋の中の一つです。

 

主に、眉を挙げる筋肉で、緊張するとオデコに何本も横じわが出来ます。



前頭筋とまぶたをつなぐ際に筋膜を移植して使うため「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれるのは前述のとおりですが、筋膜の代わりにゴアテックスやナイロン糸、シリコーンのような人工糸を使用する場合もあります。

 

人工糸を使用する場合は、(大腿筋膜を使う場合に起こる)太ももの傷が残らない、動きが制限されることがないなどのメリットがあります。

 

一見、自分の体の筋膜を使用した方が拒絶反応が起こらず、良いように思われるかもしれませんが、長期間で見ると、周囲と癒着したり、拘縮(こうしゅく)して短くなり、瞼に歪みや兎眼、過矯正になったりし、問題を起こすことがあります。

 

高田眼科では、可能な限り人工ゴアテックスを使用した吊り上げ術を行っております。



具体的な手術方法は、まつ毛の上のまぶた部分と眉毛の上の部分をそれぞれ切開し、その間に筋膜、ゴアテックス、人工糸を通すためのトンネルを開けます。

 

その後、一方をまぶたの先端部分にある「瞼板(けんばん)」に掛け、もう一方は骨膜上の前頭筋に固定し、まぶたの開き具合を調節します。

 

切開した後の傷は、丁寧に縫合しますが施術直後に腫れの症状が現れます。

 

ただ、眼瞼挙筋の機能がほとんど機能していないか極端に少ない場合でも、まぶたを開けることができるようになる点は、大きなメリットです。

 

しかしながら、メリットだけでなく、デメリットも多い手術です。

 

まず、目を開けた際には自然ではありますが、動的な要素を含めての審美面では、言い換えれば、まばたきを含めた見た目では圧倒的に劣っている手術だと思います。

見た目上、目は開くようになるのですが、瞬き(まばたき)という動的な動きでは、パチクリパチクリするような大袈裟な動きの不自然な状態となります。

 

加えて、目が閉じなくなる兎眼は、かなりの割合で起こる合併症です。つまり、目が閉じないことで、目の表面(角膜)に傷が出来たり、大きくなると角膜潰瘍になってしまい、角膜に白色の濁りを引き起こす可能性があります。



■前頭筋吊り上げ術に対しての高田眼科の考え方


 

ここからは、高田眼科の見解ですが、挙筋機能が不足しているから・・・と吊り上げ術は行わずに、その他の手術をしっかり検討した方が良いと思います。

 

実は、挙筋機能のない先天性眼瞼下垂症において、眼瞼挙筋腱膜の繊維化が過剰になっており、そのことが引っ掛かることで、眼瞼下垂症手術を困難にしているケースが多いです。

 

高田眼科では、この繊維化している挙筋腱膜を外し、眼瞼挙筋腱膜前転を行うことで、吊り上げ術よりも自然な状態に持っていけております。

 

結果、高田眼科では、めっきり吊り上げ術を行うケースがなくなってしまいました。

 

当院で吊り上げ術を行うのは、専ら、他院の修正おいて行うのみとなっております。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.5.23 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法にはさまざまなアプローチがありますが、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に、この筋肉を短くして「瞼板(けんばん)」に縫合する「挙筋短縮術」、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に、「前頭筋(ぜんとうきん)」と瞼板の間に腱を移植する「前頭筋吊り上げ術」の2つに代表的な手術を分ける考え方があります。


この2つの方法に、ゆるんだ眼瞼挙筋腱膜を折りたたんで瞼板に再固定する「挙筋前転法」を加えた3つが、主な手術の方法です。


改めて、これらの手術の違いについて、ご理解いただきたいと思います。



眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに、主役となって、大きな力になる筋肉です。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨です。

 

そして、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。

 

つまり、体の骨格の基本である、筋肉→腱→骨と繋がって動いているイメージと同様です。


このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋や、挙筋腱膜を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」を行う場合もあります。


 

◼︎眼瞼挙筋短縮術とは?

「眼瞼挙筋短縮術」は、眼瞼挙筋の機能が残されている場合に行われますが、延びてしまった眼瞼挙筋を短くして瞼板に縫合する方法です。


この眼瞼挙筋短縮法には「経皮法(けいひほう)」と「結膜法(けつまくほう)」があります。

 

経皮法は、まぶたの表側つまり皮膚側から眼瞼挙筋を切除し瞼板と重ね合わせて縫い付ける方法で、結膜法は、まぶたの裏側つまり(まぶたの内側を覆う薄い膜である)結膜側から同様の方法で処置する手術です。

手術方法の流れについて、イラストを用いて、説明をさせていただきます。

STEP01:皮膚切除、眼瞼挙筋腱膜、瞼板の露出
眼瞼挙筋短縮法の挙筋腱膜の露出のイラスト

当院では、このように、最初に眼瞼挙筋腱膜を綺麗に露出させます。
その際に、眼輪筋切除、眼窩脂肪の処理、瞼板前脂肪(ROOF)の処理も行いますが、
行わずに、いきなりStep02に進む行う施設もあります。

STEP02: 眼瞼挙筋腱膜とミュラー筋
眼瞼挙筋短縮法でのミュラー筋と挙筋腱膜との剥離操作のイラスト

次に、Step02で露出した瞼板と眼瞼挙筋腱膜との付着部位を基準に、ミュラー筋を露出させるようにして
眼瞼挙筋腱膜をめくっていきます。

 STEP03:フリーにした眼瞼挙筋腱膜の縫着(ほうちゃく)
眼瞼挙筋短縮法での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

図のように、眼瞼挙筋腱膜を瞼板に縫合して、固定いたします。
緩み(ゆるみ)が出にくいので、強力に瞼を上げることができると考えられております。

ただし、どちらにしても、ミュラー筋への負担が大きいため、通常の「眼瞼挙筋腱膜前転術」では改善が見込めないような、重症の眼瞼下垂を治療する場合に一般的に用いられます。

 

古くから行われている手術方法で臨床データも豊富なので、もちろん重症の眼瞼下垂の改善には有効です。

 

ただ、交感神経に支配され体全体とつながっているミュラー筋を傷つけてしまうと、さまざまな障害が発生するリスクも想定しなければならないため、医師に十分に相談することが必要です。

 


 

高田眼科の見解としては、ミュラー筋は、眼瞼挙筋よりも非常に薄い筋肉で脆い筋肉ですので、安易に手術操作を加えると壊れてしまうので、触らない方向で考えております。

 

ミュラー筋の過緊張が、さまざまな眼や体の不調の原因となるということで、 ミュラー筋を操作する手術をメインで行っている施設もあります。

 

ミュラー筋への操作というのは、眼瞼挙筋とミュラー筋との間の結合織を剥がすことで、眼瞼挙筋とミュラー筋を分離する操作のことです。

 

血流が豊富な筋肉への操作となりますので、術中の出血も多く、また、術後の創傷治癒の過程で瘢痕組織が出来てしまい、逆に、ミュラー筋の拘縮が起こることで、

 

術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の原因となったり、瞼のヒキツレ、ビックリ目になったりすると考えております。

 

その理由として、他院でミュラー筋への操作を加えられた方の修正手術を多く手掛ける中で、そのような考え方になった背景があります。

 

そういう他院修正のケースでは、ミュラー筋どころか、眼瞼挙筋の瘢痕化も著しく、修正手術後においても、満足のいく結果にならないこともありますことから、

 

高田眼科としては、可能な限り、ミュラー筋を操作しない眼瞼挙筋前転法を可能な限り選択するようになりました。

 

当然、眼瞼挙筋前転法では、重度の眼瞼下垂症への対応が問題となることが予想されております。

 

しかしながら、眼瞼下垂症が重度で、挙筋機能がないとされる症例でも、実は、眼窩脂肪、眼輪筋などの組織量の多さ(言うなれば、瞼の厚み)、高田眼科が提唱するファシアの癒着による眼瞼挙筋の運動制限により過小評価されている場合が多いと考えております。

 

結果として、それらへの対処により、眼瞼挙筋前転法で殆どの眼瞼下垂症の症例において対応が出来るようになっております。

 

詳しくは、▶︎▶︎高田眼科眼瞼下垂症ブログ「ファシアリリース法」をご覧になってください。


 

 




投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

※2020.3.14 記事内容を修正・更新しました。

※2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法のなかで、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」がゆるんでしまって「瞼板(けんばん)」を上げる力が弱まった状態のときに行われるのが「挙筋腱膜前転法(きょきんけんまくぜんてんほう)」です。

 

まぶたを上げるためには、この眼瞼挙筋と瞼板がしっかりと付着している必要があります。

 

ところが、何らかの原因によって眼瞼挙筋と瞼板を介する挙筋腱膜が、延びたり緩んだりしてしまうと、まぶたを上げる力が弱まってしまうのです。

 

そこで、挙筋腱膜前転法は、挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すことを目的として行われます。



この手術のほかに、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に実施される「挙筋短縮術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」の2の手術方法があります。


改めて基本用語をチェックすると、眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに大きな力になる筋肉。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。



このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」などを行う医院もありますが、

 

高田眼科としては、ミュラー筋を眼瞼下垂症手術において、術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)を引き起こす可能性もあり、避けるべきだと考えております。




◼︎眼瞼挙筋腱膜前転術とは?


 

手術の手順としては、一般的には、局所麻酔を行なってから、皮膚・眼輪筋の切開切除から始まり、次に「眼窩脂肪(がんかしぼう)」を包んでいる薄い膜である「眼窩隔膜(がんかかくまく)」の切開へと進み、眼瞼挙筋腱膜の前面を露出させます。麻酔が正常に効いていれば手術中の痛みはそれほどありません。


(STEP:01)
  TKD切開法では、自然な幅狭の二重ラインを作る基本となる切開です。
  余剰皮膚を全く取らない施設もありますが、日本人は皮膚が余っているケースが殆どですので、
  切除する方が自然な術後デザインとなります。




高田眼科オリジナルTKD切開の切開線

 

 

 


(STEP:02)

  眼瞼挙筋腱膜を傷つけないように、丁寧に露出させる。

眼瞼下垂症手術において眼瞼挙筋腱膜前面の露出したイラスト

 

 

 


 

(STEP:03)
  切開後は、挙筋腱膜を確認して適正な位置まで前に引き出し(前転)、挙筋腱膜を瞼板に縫い合わせて再度、固定します。
  当然、眼窩脂肪と眼瞼挙筋腱膜との接着組織(ファシア)を剥がすことは非常に大事だと高田眼科は考えております。
  (ファシアリリース法)

眼瞼下垂症手術での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

 

 

 


(STEP:04)

  皮膚縫合
眼瞼下垂症手術での皮膚縫合のイラスト

 

 

 

この手術方法は、ミュラー筋などの筋肉を傷つけるリスクを減らすことができるため、安全性が高く負担を最小限にする手術といわれています。

ただ、まぶたの切開を伴いますので腫れを避けることができず、1週間から10日前後まで、ダウンタイム(手術してから回復するまでの期間)が長引くことがあります。

投稿者: 高田眼科

2016.03.24更新

※2020.8.5 記事内容の修正・更新を行いました。


 ■眼瞼皮膚弛緩症って?
眼瞼皮膚弛緩症のイラスト


「眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)」とは、上まぶたの皮膚がまぶたの縁を越えて屋根の庇(ひさし)のように垂れ下がることで、視野が制限されて見えにくくなったり、まつ毛が内向きに押されて(黒目の表面を覆う)角膜や(白目の表面を覆う)結膜に接触し、ちくちくする感覚を覚える睫毛内反(しょうもうないはん)を生じさせる疾病です。


[後天性眼瞼下垂]の症状「老人性眼瞼下垂」でも述べていますが、一般的には年を重ねるにつれて筋肉や、組織と組織の間にある結合織(けつごうしき)、ファシアが弱くなることで、ゆるんだり、たるんだりして、上まぶたが重力により垂れ下がる老人性の疾病を指します。

しかし一方で、こうした加齢による皮膚の弛緩とは区別される疾病も眼瞼皮膚弛緩症と呼ばれることがあります。


それは、マルファン症候群と呼ばれる、先天性に起こる皮膚の弛緩を指します。

常染色体上に存在する一対の遺伝子のどちらかに異常があれば発症する「常染色体優性」であり、と説明されます。

確かに常染色体優性遺伝によるとみられる症例は報告されているのですが、家族に一切そのような症例のない例外も多く、確かな病因はまだ明らかになっていないのが事実です。

加えて、症状は、軽い場合から重い場合まであります。


マルファン症候群の患者のほとんどが、症状にまったく気づきません。


成人期まで症状が現れない場合もあります。

全身の結合織が弱くなるので、骨や関節のほか、心臓、血管、眼、肺、中枢神経系(脳と脊髄)といった体内のあらゆる構造にも生じます。

皮膚もその中に含まれ、皮下脂肪がないのが特徴です。

そして、まぶたの皮膚のたるみとして現れ、当然、その方を実年齢以上に老け込んだ印象にさせてしまいますので外見上も深刻な状況を引き起こします。




■眼瞼皮膚弛緩症の治療


 


眼瞼皮膚弛緩症を治療する際は、まぶたを縁に沿って切り開き、たるんだ上まぶたの余分になっている皮膚を切除する手術を行うことで、まぶたを開けやすくし、視野が広がって、より自然に物が見えるようになります。

 

<STEP01> 皮膚切開のデザイン

眼瞼皮膚弛緩症の皮膚切開のイラスト

 

 

<STEP02> 皮膚縫合後の状態

眼瞼皮膚弛緩症の皮膚縫合のイラスト


単純な皮膚の余剰だけの眼瞼下垂症の場合には、この方法は非常に有効です。

また、眼瞼下垂症手術を受けたものの、術後の皮膚の余剰が強い場合などでは頻繁に選択されます。

 

しかしながら、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が伴っている場合は、まぶたを上げる際に重要な役割をする「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」を修復する手術を行う必要があります。

高田眼科では、眼瞼下垂症を引き起こしている状態、症状や患者さんのご希望により治療方法を選んで行うことが多いです。

投稿者: 高田眼科

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当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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