2016.06.24更新

2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。

2020.3.23 記事内容を修正・更新しました。


■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」の手術治療法は、大きく分けて「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に行われる「眼瞼挙筋短縮術」「眼瞼挙筋腱膜前転術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」に分けられます。

 

眼瞼挙筋短縮は「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を短く切断して「瞼板(けんばん)」に縫合する手術、そして、眼瞼挙筋腱膜前転法術は眼瞼挙筋を切断することなく折りたたむようにして瞼板に縫合する手術ですが、ここでは後者の前頭筋吊り上げ術についてご紹介します。

 

瞼を引き上げられる筋肉には、3つの筋肉があります。①眼瞼挙筋 ②ミュラー筋 ③前頭筋 です。

 

①眼瞼挙筋は、読んで字の如く、瞼を挙げる筋肉で主役となる筋肉になります。動眼神経という脳神経によりコントロールされております。

 

②ミュラー筋は、交感神経という自律神経に支配されている筋肉で、どちらかと言えば、眼瞼挙筋を補佐する筋肉です。交感神経は、感情と関わりがある神経で、精神的に興奮した際に活発になる神経です。

 

例えば、怒ったり、びっくりしたときに、目をパッと見開くと思うのですが、その僅かに瞼を持ち上げているのがミュラー筋となります。

 

③前頭筋は、前頭、つまり額(オデコ)の筋肉で、額にシワを作る筋肉ですが、眉を上に挙上する役割があります。

 

人は眉を持ち上げると、繋がっている(連なっているとも言えますが)瞼も上がります。

 

人は歳をとると、オデコにシワが出来る人が多いと思いますが、歳をとることで、瞼が上がりにくくなる、つまり眼瞼下垂症を発症することで、上がりにくくなった瞼をなんとかして上げようとするために働くためだと言えます。

 

眼瞼下垂症手術を受けると、オデコのシワが消えたりするのは、その代償が必要なくなったためだと言えます。

 

先に述べたように、眼瞼挙筋は、まぶたを上げる(開ける)ときにメインとなる大きな力になる筋肉ですが、その機能がほとんど機能していないか、極端に少ない場合に、前頭筋つまり眉毛を上げるおでこの筋肉によってまぶたが上がるようにする手術が前頭筋吊り上げ術です。

 

太ももの外側にある (だいたいきんまく)か、こめかみ辺りにある側頭(そくとう)筋膜を使用するため、「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれます。最近では、人工素材:ゴアテックスなどを使用しているケースが増えております。




◼︎前頭筋吊り上げ術の実際は?



前頭筋吊り上げ術は、眉毛や額を上げる前頭筋とまぶたをつないで、眉毛の動きによってまぶたを上げる方法です。

 

前頭筋とは、目や口、鼻、アゴなどを動かす眼輪筋(がんりんきん)、頬筋(きょうきん)、口輪筋(こうりんきん)、頤筋(おとがいきん)を主な筋肉として構成される表情筋の中の一つです。

 

主に、眉を挙げる筋肉で、緊張するとオデコに何本も横じわが出来ます。



前頭筋とまぶたをつなぐ際に筋膜を移植して使うため「筋膜吊り上げ術」とも呼ばれるのは前述のとおりですが、筋膜の代わりにゴアテックスやナイロン糸、シリコーンのような人工糸を使用する場合もあります。

 

人工糸を使用する場合は、(大腿筋膜を使う場合に起こる)太ももの傷が残らない、動きが制限されることがないなどのメリットがあります。

 

一見、自分の体の筋膜を使用した方が拒絶反応が起こらず、良いように思われるかもしれませんが、長期間で見ると、周囲と癒着したり、拘縮(こうしゅく)して短くなり、瞼に歪みや兎眼、過矯正になったりし、問題を起こすことがあります。

 

高田眼科では、可能な限り人工ゴアテックスを使用した吊り上げ術を行っております。



具体的な手術方法は、まつ毛の上のまぶた部分と眉毛の上の部分をそれぞれ切開し、その間に筋膜、ゴアテックス、人工糸を通すためのトンネルを開けます。

 

その後、一方をまぶたの先端部分にある「瞼板(けんばん)」に掛け、もう一方は骨膜上の前頭筋に固定し、まぶたの開き具合を調節します。

 

切開した後の傷は、丁寧に縫合しますが施術直後に腫れの症状が現れます。

 

ただ、眼瞼挙筋の機能がほとんど機能していないか極端に少ない場合でも、まぶたを開けることができるようになる点は、大きなメリットです。

 

しかしながら、メリットだけでなく、デメリットも多い手術です。

 

まず、目を開けた際には自然ではありますが、動的な要素を含めての審美面では、言い換えれば、まばたきを含めた見た目では圧倒的に劣っている手術だと思います。

見た目上、目は開くようになるのですが、瞬き(まばたき)という動的な動きでは、パチクリパチクリするような大袈裟な動きの不自然な状態となります。

 

加えて、目が閉じなくなる兎眼は、かなりの割合で起こる合併症です。つまり、目が閉じないことで、目の表面(角膜)に傷が出来たり、大きくなると角膜潰瘍になってしまい、角膜に白色の濁りを引き起こす可能性があります。



■前頭筋吊り上げ術に対しての高田眼科の考え方


 

ここからは、高田眼科の見解ですが、挙筋機能が不足しているから・・・と吊り上げ術は行わずに、その他の手術をしっかり検討した方が良いと思います。

 

実は、挙筋機能のない先天性眼瞼下垂症において、眼瞼挙筋腱膜の繊維化が過剰になっており、そのことが引っ掛かることで、眼瞼下垂症手術を困難にしているケースが多いです。

 

高田眼科では、この繊維化している挙筋腱膜を外し、眼瞼挙筋腱膜前転を行うことで、吊り上げ術よりも自然な状態に持っていけております。

 

結果、高田眼科では、めっきり吊り上げ術を行うケースがなくなってしまいました。

 

当院で吊り上げ術を行うのは、専ら、他院の修正おいて行うのみとなっております。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.5.23 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法にはさまざまなアプローチがありますが、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に、この筋肉を短くして「瞼板(けんばん)」に縫合する「挙筋短縮術」、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に、「前頭筋(ぜんとうきん)」と瞼板の間に腱を移植する「前頭筋吊り上げ術」の2つに代表的な手術を分ける考え方があります。


この2つの方法に、ゆるんだ眼瞼挙筋腱膜を折りたたんで瞼板に再固定する「挙筋前転法」を加えた3つが、主な手術の方法です。


改めて、これらの手術の違いについて、ご理解いただきたいと思います。



眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに、主役となって、大きな力になる筋肉です。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨です。

 

そして、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。

 

つまり、体の骨格の基本である、筋肉→腱→骨と繋がって動いているイメージと同様です。


このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋や、挙筋腱膜を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」を行う場合もあります。


 

◼︎眼瞼挙筋短縮術とは?

「眼瞼挙筋短縮術」は、眼瞼挙筋の機能が残されている場合に行われますが、延びてしまった眼瞼挙筋を短くして瞼板に縫合する方法です。


この眼瞼挙筋短縮法には「経皮法(けいひほう)」と「結膜法(けつまくほう)」があります。

 

経皮法は、まぶたの表側つまり皮膚側から眼瞼挙筋を切除し瞼板と重ね合わせて縫い付ける方法で、結膜法は、まぶたの裏側つまり(まぶたの内側を覆う薄い膜である)結膜側から同様の方法で処置する手術です。

手術方法の流れについて、イラストを用いて、説明をさせていただきます。

STEP01:皮膚切除、眼瞼挙筋腱膜、瞼板の露出
眼瞼挙筋短縮法の挙筋腱膜の露出のイラスト

当院では、このように、最初に眼瞼挙筋腱膜を綺麗に露出させます。
その際に、眼輪筋切除、眼窩脂肪の処理、瞼板前脂肪(ROOF)の処理も行いますが、
行わずに、いきなりStep02に進む行う施設もあります。

STEP02: 眼瞼挙筋腱膜とミュラー筋
眼瞼挙筋短縮法でのミュラー筋と挙筋腱膜との剥離操作のイラスト

次に、Step02で露出した瞼板と眼瞼挙筋腱膜との付着部位を基準に、ミュラー筋を露出させるようにして
眼瞼挙筋腱膜をめくっていきます。

 STEP03:フリーにした眼瞼挙筋腱膜の縫着(ほうちゃく)
眼瞼挙筋短縮法での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

図のように、眼瞼挙筋腱膜を瞼板に縫合して、固定いたします。
緩み(ゆるみ)が出にくいので、強力に瞼を上げることができると考えられております。

ただし、どちらにしても、ミュラー筋への負担が大きいため、通常の「眼瞼挙筋腱膜前転術」では改善が見込めないような、重症の眼瞼下垂を治療する場合に一般的に用いられます。

 

古くから行われている手術方法で臨床データも豊富なので、もちろん重症の眼瞼下垂の改善には有効です。

 

ただ、交感神経に支配され体全体とつながっているミュラー筋を傷つけてしまうと、さまざまな障害が発生するリスクも想定しなければならないため、医師に十分に相談することが必要です。

 


 

高田眼科の見解としては、ミュラー筋は、眼瞼挙筋よりも非常に薄い筋肉で脆い筋肉ですので、安易に手術操作を加えると壊れてしまうので、触らない方向で考えております。

 

ミュラー筋の過緊張が、さまざまな眼や体の不調の原因となるということで、 ミュラー筋を操作する手術をメインで行っている施設もあります。

 

ミュラー筋への操作というのは、眼瞼挙筋とミュラー筋との間の結合織を剥がすことで、眼瞼挙筋とミュラー筋を分離する操作のことです。

 

血流が豊富な筋肉への操作となりますので、術中の出血も多く、また、術後の創傷治癒の過程で瘢痕組織が出来てしまい、逆に、ミュラー筋の拘縮が起こることで、

 

術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の原因となったり、瞼のヒキツレ、ビックリ目になったりすると考えております。

 

その理由として、他院でミュラー筋への操作を加えられた方の修正手術を多く手掛ける中で、そのような考え方になった背景があります。

 

そういう他院修正のケースでは、ミュラー筋どころか、眼瞼挙筋の瘢痕化も著しく、修正手術後においても、満足のいく結果にならないこともありますことから、

 

高田眼科としては、可能な限り、ミュラー筋を操作しない眼瞼挙筋前転法を可能な限り選択するようになりました。

 

当然、眼瞼挙筋前転法では、重度の眼瞼下垂症への対応が問題となることが予想されております。

 

しかしながら、眼瞼下垂症が重度で、挙筋機能がないとされる症例でも、実は、眼窩脂肪、眼輪筋などの組織量の多さ(言うなれば、瞼の厚み)、高田眼科が提唱するファシアの癒着による眼瞼挙筋の運動制限により過小評価されている場合が多いと考えております。

 

結果として、それらへの対処により、眼瞼挙筋前転法で殆どの眼瞼下垂症の症例において対応が出来るようになっております。

 

詳しくは、▶︎▶︎高田眼科眼瞼下垂症ブログ「ファシアリリース法」をご覧になってください。


 

 




投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

※2020.3.14 記事内容を修正・更新しました。

※2020.5.27 記事内容を修正・更新しました。


 

■眼瞼下垂の手術について

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の治療法のなかで、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」がゆるんでしまって「瞼板(けんばん)」を上げる力が弱まった状態のときに行われるのが「挙筋腱膜前転法(きょきんけんまくぜんてんほう)」です。

 

まぶたを上げるためには、この眼瞼挙筋と瞼板がしっかりと付着している必要があります。

 

ところが、何らかの原因によって眼瞼挙筋と瞼板を介する挙筋腱膜が、延びたり緩んだりしてしまうと、まぶたを上げる力が弱まってしまうのです。

 

そこで、挙筋腱膜前転法は、挙筋腱膜を瞼板に再固定することで、まぶたを上げる力を取り戻すことを目的として行われます。



この手術のほかに、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」の機能が残されている場合に実施される「挙筋短縮術」と、眼瞼挙筋がほとんど機能していない際に実施される「前頭筋吊り上げ術」の2の手術方法があります。


改めて基本用語をチェックすると、眼瞼挙筋はまぶたを上げる(開ける)ときに大きな力になる筋肉。

 

瞼板は、まぶたの先端に付いてまぶたを引き上げる役割を担う板状の軟骨、挙筋腱膜は、この瞼板につながる組織を指します。



このほか、まぶたを上げる(開ける)際に補佐的に働くミュラー筋を縫い縮める「ミュラー筋タッキング術」などを行う医院もありますが、

 

高田眼科としては、ミュラー筋を眼瞼下垂症手術において、術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)を引き起こす可能性もあり、避けるべきだと考えております。




◼︎眼瞼挙筋腱膜前転術とは?


 

手術の手順としては、一般的には、局所麻酔を行なってから、皮膚・眼輪筋の切開切除から始まり、次に「眼窩脂肪(がんかしぼう)」を包んでいる薄い膜である「眼窩隔膜(がんかかくまく)」の切開へと進み、眼瞼挙筋腱膜の前面を露出させます。麻酔が正常に効いていれば手術中の痛みはそれほどありません。


(STEP:01)
  TKD切開法では、自然な幅狭の二重ラインを作る基本となる切開です。
  余剰皮膚を全く取らない施設もありますが、日本人は皮膚が余っているケースが殆どですので、
  切除する方が自然な術後デザインとなります。




高田眼科オリジナルTKD切開の切開線

 

 

 


(STEP:02)

  眼瞼挙筋腱膜を傷つけないように、丁寧に露出させる。

眼瞼下垂症手術において眼瞼挙筋腱膜前面の露出したイラスト

 

 

 


 

(STEP:03)
  切開後は、挙筋腱膜を確認して適正な位置まで前に引き出し(前転)、挙筋腱膜を瞼板に縫い合わせて再度、固定します。
  当然、眼窩脂肪と眼瞼挙筋腱膜との接着組織(ファシア)を剥がすことは非常に大事だと高田眼科は考えております。
  (ファシアリリース法)

眼瞼下垂症手術での眼瞼挙筋腱膜の瞼板への固定

 

 

 


(STEP:04)

  皮膚縫合
眼瞼下垂症手術での皮膚縫合のイラスト

 

 

 

この手術方法は、ミュラー筋などの筋肉を傷つけるリスクを減らすことができるため、安全性が高く負担を最小限にする手術といわれています。

ただ、まぶたの切開を伴いますので腫れを避けることができず、1週間から10日前後まで、ダウンタイム(手術してから回復するまでの期間)が長引くことがあります。

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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