2016.08.15更新

※2020.6.25 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎Meige症候群の治療法


「メージュ(Meige)症候群」は、一般には、左右両側の眼瞼痙攣を主症状とし、「口・下顎(くちかがく)ジストニア」が存在する疾病です。

 

口・下顎ジストニアは、口とアゴを動かしている筋肉が何らかの原因で本人の意思に関係なく過度に収縮する症状を示します。

 

見た目的には、たびたび、目尻にシワが入り、しかめっ面をするような状態となります。

 

ただ、左右両側の眼瞼痙攣のみでメージュ症候群と呼ぶこともあるため、治療方法も〔偽眼瞼下垂〕の治療「眼瞼痙攣」で説明した内容と大きな違いはありません。

 

眼瞼痙攣(けいれん)治療についての有効で安全な実施を目指して策定された「眼瞼けいれん診療 ガイドライン(2011年度版)」でも、同じようなメージュ症候群についての言及があります。

 

 


>>眼瞼痙攣(けいれん)についての治療については、ブログ記事:偽眼瞼下垂の治療「眼瞼痙攣」をご覧ください


 

 

現在、メージュ症候群においても、ボツリヌスA型毒素を製剤化したものを局所へ注射し、緊張している筋肉を麻痺させる「ボツリヌス療法」が主流となっています。

 


ここで使われる薬剤は、米国の「アラガン社」が国際商標権を持つ医薬品「ボトックス」で、食中毒で認知されたボツリヌス菌が産む毒素であるボツリヌストキシンから、A型といわれる血清型毒素だけを抽出し精製します。

 

痙攣している部位に直接注射するため、眼輪筋を緊張から解放でき、大半のケースでこの治療法により痙攣が治まります。

 

国内外での臨床報告が多く、日本でも1997年4月に厚生労働省が眼瞼痙攣の治療薬として認可しています。

 

ただ、欠点として効果が数ヶ月しか持続しない点があり、再び痙攣が生じるため、その際には注射による投与を行って治療にあたります。

 

といっても、軽症の患者さんの場合は再投与が不要な方もおり、明らかな効果が生まれているのは事実です。


精神的な不安など心的要因により症状の悪化が見られる場合があり、そうしたケースでは自分自身でのメンタルケアはもちろん、向精神薬や抗てんかん薬などを内服する治療方法もとられます。

 

眼輪筋切除が考慮される状況は、このようなボトックスや内服薬に抵抗がみられる患者さんに対して試みますが、

 

一時的には改善することが多いのですが,大部分のケースで最終的には眼瞼けいれんの再発がみられ,結局はボトックス療法を再開せざるを得ない状態です。

 

特に、眼輪筋広範囲切除術を行っていた場合には、術後の瘢痕組織へのボットクス注射となり、注射時の疼痛が術前よりも強くなってしまうので、注意が必要です。

高田眼科(ひとみ眼科)でも、随時、メージュ症候群に対してのボットクス注射治療を行っておりますので、気軽にご相談ください。

 

投稿者: 高田眼科

2016.08.15更新

※2020.9.18 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とは、どんな病気??

 

眼瞼痙攣写真

まぶたが開きづらく病気として、眼瞼下垂症を診断する際に、一番に鑑別しなくてはいけない疾患に「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」があります。

まぶたを閉じる際には、眼瞼挙筋という瞼を開ける筋肉が弛緩し、眼輪筋という筋肉が収縮することで可能となります。

クルマの運転で例えると、ブレーキから足を離して、アクセルを踏み加速するはずなのに、ずーーっとブレーキを踏み続けた状態で、同時にアクセルを踏んで車を加速させるものの、思うように、車が加速しない・・・そんなイメージです。

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とは、その瞼(まぶた)を閉じる筋肉である眼輪筋が、何らかの原因で、本人の医師とは無関係に収縮過多になることで、まぶたが開きづらくなる疾患です。

そういった意味で、眼瞼挙筋に異常が出ることで、まぶたが上がりにくくなる眼瞼下垂症とは異なっているため、眼瞼けいれんは、偽眼瞼下垂に分類されます。

通常は、両眼の瞼(まぶた)に症状が出現することが多く、やたらと瞬き(まばたき)の回数が増えたり、眩しさから目を閉じたままになってしまうこともあります。


眼輪筋の力は、眼瞼挙筋よりも圧倒的に強く、眼輪筋が閉じようとすれば、眼瞼挙筋が抗うことはできず、瞼(まぶた)は簡単に閉じてしまいます。

 

それでも、開けようとするため、開け閉めを繰り返すことで、早い瞬き(まばたき)を繰り返したり、目がピクピクすることになり、非常に不快感が出てくるということです。


放置すればするほど、治りにくく、更年期を境に女性に多く発症します。男女比でいうと、男性の約2倍以上となっております。

自覚症状とすれば、「まぶしさ(眩しさ)」「目の乾き」「目を開けているのがつらい」などドライアイ症状にも似た様々な症状があります。

日本には意外と多く、数十万人近い患者がいると推定されており、軽度の眼瞼痙攣の場合、ドライアイと誤診され、無意味なドライアイ用の点眼液を長期間処方されるも改善しないことから、診断に至るケースも多々あります。


■診断の仕方(まばたきテスト)


眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)は、いわば、瞬き(まばたき)の制御系の異常ともいうことができ、目の瞬き(まばたき)の動きにも異常が出てしまい、自然な瞬き(まばたき)が出来なくなります。

眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)が重度であると、目を開いた状態を持続することができず、目を開けようとしても、眼輪筋やその周囲の筋が無意識に過剰に動きます。

しかしながら、軽度、中等度の多くの患者さんでは、そのような異常が簡単には見いだせないことがあります。

そうした軽度、中等度の患者さんは、意識してリズムよく瞬目をした場合に、リズムが乱れた不随意瞬目が混入したり、眼周囲筋や顔面筋に不随意運動が混入することがあり、また自然で滑らかな開瞼ができないなど、眼瞼痙攣の症状が初めて表面化し、診断ができることがあります。

簡単にいうと、目をぎゅーっとつぶるような瞬き(まばたき)をしているのが特徴であり、その動きをみて、診断のアタリを付けていきます。
 


速瞬目テスト

軽くてよいので、できるだけ速い瞬目(まばたき)を連続して行うようにします。

最低10秒間以上、可能であれば30秒程度持続して瞬目した際に、眉毛部まで動くような強い瞬目のみですばやい瞬きができなかったり、瞬きの最中に他の顔面筋の不随意の運動がみられたり、顔面筋の強い攣縮発作がみられれば陽性と判定します。


強瞬テスト
眼瞼を強く閉じ、その後開瞼させます。

この動作を反復させ、閉瞼後に瞼を開けることができなくなったり、開閉瞼時に眼周囲顔面筋の強い攣縮がみられれば陽性と判定します。


ポンポコポンテスト
ポン・ポコ・ポンとリズムに合わせて、瞬き(まばたき)をした際に、上手くリズムに乗って瞬き(まばたき)が出来ない場合に陽性と判定します。





■診断の仕方(問診)


 

眼瞼痙攣は、まばたきを中心とした状態を観察した上で、診断を付けていくわけですが、問診も非常に診断の手がかりとなります。


■まばたきの回数がやたらと多い
■明るい場所にいると、とてもまぶしく感じる
■目を開いている状態がツライ(目をつぶっていた方が楽)
■目がやたらと乾く、しょぼしょぼする、痛く感じるが、点眼をしても改善しない
■歩いていると、人混みで人やものにぶつかる、またはぶつかりそうになる
■歩いていて、電柱や立木、停車中の車などに気づかず、ぶつかったことがある
■太陽や風、階段の昇降が苦手で外出を控えるほどである
■危険を感じるので車や自転車の運転をしなくなった
■手を使って目を開けなければならない時がある
■自然と片目をつぶってしまう

これらの項目において、1つでも当てはまる場合は、眼瞼痙攣の疑いがあります。




■特殊な眼瞼痙攣:Meige症候群


「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」は、眼瞼周囲の筋肉,主に「眼輪筋(がんりんきん)」の過度の収縮が起こったり、収まったり、または、ずっと続いたりすることで、無意識に目を閉じてしまう疾患で、他に神経学的,眼科学的異常が見当たらない状態と定義されます。

その中でも、痙攣症状が他の顔面の筋肉やさらには舌、のど(咽頭や頸部の筋肉)にまで及ぶものを Meige (メージュ)症候群と呼んでおります。

 

Meige (メージュ)症候群については、こちらのブログ記事:偽眼瞼下垂の治療「Meige症候群」をご覧になってください。

 

この疾患は神経医学的には局所ジストニア(ジストニア=身体のいくつかの筋肉が無意識に持続的に収縮してしまい,捻れや歪みが生ずるもの)の一種だと言われております。

 

瞬目(まばたき)の制御異常がその病気の本質だと考えると理解しやすく,随伴するさまざまな眼およびその周囲の感覚の異常が出てきます。

 

ただし,眼瞼けいれんの中には原因不明のものから,薬物によって引き起こされたり、他の疾患により引き起こされたりするケースもあります。

 


 

◼︎眼瞼痙攣の治療法

ボトックス注射の写真

大事なこととして、眼瞼痙攣を根本的に治す方法はありません。

どちらかというと、症状を和らげるための治療が中心となります。

眼輪筋などの原因となっている目の周囲の筋肉に対して、ボツリヌス毒素を注射して症状を抑えるようになります。

ボトックス注射(ボツリヌス毒素注射法)は保険適応されている治療で、効果は2~4ヵ月持続しますが、その期間は前後します。

効果がなくなると、再度ボトックス注射をする必要があります。

また、抗けいれん薬、抗コリン薬、抗不安薬、抗痙縮(けいしゅく)薬(筋弛緩薬)、漢方薬などを用いた薬物療法も補助的な治療として行します。

まぶたを持ち上げるクラッチメガネを使用する場合もある。

さらに、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の症状の特徴である羞明(まぶしさ)に対して遮光眼鏡をかけることで、眼瞼痙攣自体の症状が改善することも知られております。

以上の薬物治療や補助治療で改善が見られなければ、手術を検討する形となります。

まぶたの余分な皮膚を切除してたるみを解消し、まぶたを持ち上げる手術(眼瞼皮膚切除)や、けいれんの原因となっている眼輪筋を切除する手術(眼輪筋切除術)などが代表的である。

原因が完全に解明されたわけではない「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」においては、治療法もさまざまなアプローチが行われてきました。


眼瞼痙攣は、まぶたを閉じる筋肉である「眼輪筋(がんりんきん)」が過剰に緊張して開きにくい状態であるともされ、眼輪筋を広範囲に切除する手術が行われたりします。

 

手術方法としては、眼瞼皮膚切除,眼輪筋切除術(広範囲切除術および部分切除術),Müller 筋縫縮術,前頭筋吊上げ術(frontal sling/suspension),皺眉筋切除術などで、いわゆる眼瞼下垂症手術と同等のものと言えます。

 

また、神経への外科的アプローチとしては、顔面神経切断術がありますが、再発が多く、顔のほかの部位が麻痺することがあるといった欠点があり、通常行われることはないと言えます。

また、眼瞼痙攣と似た疾患として、片惻顔面痙攣という疾患があり、この疾患の場合には、顔面神経が血管によって圧迫が原因の場合があり、その圧迫を手術により取り除くことで治ることが期待できます。

しかしながら、顔面痙攣の場合は、片側顔面痙攣よりも中枢の脳神経の異常と考えられており、結果として、顔面神経の微小血管減圧術を行ったとしても治らないと分かっております。
 

しかし、いずれの手術を行ったとしても、一時的には改善することが多いのですが,大部分のケースで最終的には眼瞼けいれんの再発がみられ,結局はボトックス療法を再開せざるを得ない状態です。

 

特に、眼輪筋広範囲切除術を行っていた場合には、術後瘢痕組織へのボットクス注射となり、注射時の疼痛が術前よりも強くなってしまうので、注意が必要です。

 

さらには、眼瞼痙攣を眼瞼下垂症と誤診され、眼瞼下垂症手術を受けたケースや、眼瞼痙攣の治療として受けた手術を受けたケースでは、逆に、手術を受けたばかりに眼瞼痙攣が重症化するケースもあります。

 
■安易な眼瞼下垂症手術で引き起こされる術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)


 

 高田眼科の見解としては、特に、ミュラー筋への手術的操作が眼瞼痙攣を引き起こす、あるいは、悪化させる要因ではないかと考えております。


確かに、ボトックス注射が無効で、手の打ちようがない場合において、ミューラー筋リリース法を試みていくことは必要なのかもしれませんが、結果として、手術やりたがりの術者による失敗とも言える状態を診るにつけて、警鐘を鳴らすことも必要ではないかとも思います。 

しかし、眼瞼痙攣と同時に、腱膜性(加齢性)眼瞼下垂症を合併しているケースも多く、その場合に、眼瞼下垂症手術を行う際には、眼瞼痙攣の症状を抑えた状態での手術が望ましいと言えます。

したがって、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)が合併している眼瞼下垂症手術の術前にボットクス注射を行った上で眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の症状を抑え、ミュラー筋への侵襲を与えないように注意しつつ、高田眼科では眼瞼挙筋前転法にて行っております。

結果として、高田眼科(ひとみ眼科)の眼瞼下垂症手術後に眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)が重症化したという症例を目にすることはありません。

 
他院の修正手術のご相談をよく受けることがあるのですが、ミューラー筋リリース手術後に、術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)が悪化したため、下眼瞼の眼輪筋切除術を勧められ、疑問に思って、高田眼科にご相談を受けることが多くあります。

眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)診療ガイドラインにあるように、眼輪筋切除術を行ったとしても、再発することが多いと考えます。

それは、眼輪筋切除術を行うと、確かに、術後の知覚神経破壊による知覚鈍麻によって、一時的に術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)が抑えられるだけで、術後の知覚鈍麻が知覚神経の回復に従って治ることで、再発するのではないかと考えております。

したがって、高田眼科(ひとみ眼科)においては、眼瞼痙攣の治療は、ボツリヌス注射(Botox 注射)を第一選択としておりますので、術後、眼瞼痙攣の状態に合わせて、注射を行っております。

 

加えて日本では眼瞼痙攣に対する治療法として、保険適用として認められているものは、ボツリヌス毒素製剤の局所注射のみが唯一認められている治療法です。

 

したがって、その他の治療方法、つまりは、内服薬および外科的手術は、本来なら保険適用として認められておりませんので、注意が必要です。

 

また、眼瞼痙攣と眼瞼下垂症との鑑別は、主に眉毛の位置で判断することである程度出来ます。腱膜性(加齢性)眼瞼下垂症では、眉毛が代償性の前頭筋収縮のために眼窩上縁より上昇している状態になります。

 

逆に、眼瞼痙攣では、無意識にしかめっ面をしてしまうという症状との関係上、眉毛が眼窩上縁より下降します。

 

これをCharcot 徴候と呼ばれ、眼瞼痙攣の重要な徴候(サイン)だと言われております。


■意外に多い薬剤性眼瞼痙攣(眼瞼けいれん) 


 

 安定剤や睡眠導入剤、抗精神病薬が原因、誘因になっている場合が、意外に多いと言えます。

高田眼科では、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)を疑った場合には、必ず、問診で伺うこととしております。

可能な限り服用を中止するなどの方法も行われており、実際に、服用を止めたら眼瞼痙攣の症状もなくなったという事例もみられています。

 

しかしながら、そういった薬剤のどちらかと言えば、禁断症状が眼瞼痙攣という症状であり、安易に自己判断で注視してしまうと、

 

過剰な離断症状、つまり、薬を一気に中断したことで、眼瞼痙攣が悪化してしまうこともあるので、必ず、主治医と相談の上、計画的に、漸減する(すこしずつ減らす)ことが大事だったりいたします。


■眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の第一選択治療は、手術ではなく、「ボトックス注射治療」


 

 このような状況のなかで、最近、眼瞼痙攣への治療効果が注目されているのが「ボツリヌス療法」です。

 

これは、ボツリヌスA型毒素を製剤化した米国・アラガン社の「ボトックス」を局所へ注射し、緊張している筋肉を麻痺させる方法で、眼瞼痙攣の場合は 目の周囲に数ヵ所、注射するのが一般的です。

 

この方法の効果の高さは、国内外の臨床報告に表れており、日本でも1997年4月に厚生労働省が眼瞼痙攣の治療薬として認可しています。

 

保険診療で受けることができますが、費用は概ね、3割負担なら、約15000円程度と少し高額です。

 

また、眼瞼痙攣治療の有効で安全な実施を目指して策定された「眼瞼けいれん診療 ガイドライン(2011年度版)」でも、このボツリヌス療法が第一選択とされています。

 

治療の効果には個人差がみられ、効果が2ヶ月〜3ヶ月程度しか持続しないという欠点があるため定期的な再投与が必要とされますが、一方で1回の注射で症状が改善してしまう方も一定数みられます。

 

また、治療時間も短く、外来で行う治療方法で、入院は必要となりません。


ただ、ときには目の周囲の皮下出血、目が閉じにくく乾く状態、あるいはまぶたの上がりすぎ(兎眼/とがん)など注射後の副作用が起きる場合があります。
 

多くは一時的なもので、薬剤の効果と共に消えるものですが、念のため医師にご相談ください。

 

高田眼科の場合、臨床で使う針の中では、最大限に細い針(34G針)を使うことで、皮下出血のリスクを減らしております。


この針は、鍼灸の針治療で使うほど細い針ですので、注射時に皮下の毛細血管に当たる可能性がグッと下がりますので、説術後の皮下出血になることが少なく、程度も非常に軽いものとなります。

 

当然、細い針ですので、注射刺入時(針を刺した時)の痛みも、随分と少ないです。

 

さらに、注射の痛みについては、キシロカインテープ(テープ麻酔)やエムラクリーム(塗り麻酔)を行うことで、最大限痛みの少ないボトックス注射を行うようにしております。

 

  

この疾病の特長として、抑うつ感があると症状が悪化するため、精神的な安定が必要となり、自分自身でのメンタルケアはもちろん、向精神薬や抗てんかん薬などを内服する治療方法もとられます。


いずれにしても医師と相談しながら治療を継続することが大切です。


関連記事:眼瞼下垂症と眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)、ボトックスbotox注射での見極めが必要な理由


 

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 ◼︎原因と治療について

 

先天性外眼筋線維症は眼筋麻痺による斜視や眼瞼下垂を主な症状とする稀な先天性の疾患で、1型、2型、3型に分類されます。

 

動眼神経 (CN3), 滑車神経 (CN4)やそれらを刺激する神経筋の全部または一部に機能異常が起こると考えられております。

 

本疾患は外眼筋の非進行性で限定的な眼筋麻痺と先天性眼瞼下垂を特徴とする。家族性先天性外眼筋線維症はいくつかの表現型が報告されている。


非進行性(病状が現状以上に悪化しない)で眼球運動が制限され、ほとんど眼球が動かない場合も多いのが、「外眼筋線維症(がいがんきんせんいしょう)」です。

 

特に上下の物を見る場合に見づらく、頭を動かして対象を追う動作により補償しようとします。

 

主な症状としては、先天性の眼筋麻痺による斜視と「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が挙げられますが、眼瞼下垂については、併発する場合としない場合の両方の可能性があります。


この疾病の原因は、動眼神経によって支配される上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋に加え、まぶたの開け閉めでご説明した眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の一部あるいは全てに異常がある場合、あるいは滑車神経によって支配される上斜筋の一部に異常がある場合に、筋肉が弾力性を失って外眼筋線維症が発症します。

 

眼瞼下垂は眼瞼挙筋の異常が原因で発症しますが、麻痺性の斜視は、上で述べたそれ以外の6本からなる外眼筋(がいがんきん)の異常によります。


この疾病は、根本的な治療方法はまだ発見されていませんが、次の項で紹介するように治療に向けた研究は続けられています。


◼︎治療と研究成果

外眼筋線維症は、1型、2型、3型に大きく分類されます。このなかで、3型には知能障害がみられるケースもあります。

 

さらに3型に分類されるCFEOM3は、(細胞の運動や形の保持に関わる)微小管を構成するタンパク質であるチューブリンの遺伝子変異によって微小管形成の異常が引き起こされることが分かってきました。

 

このチューブリンというタンパク質は、全ての真核細胞にあり、神経細胞の形成や維持にも重要な役割を果たしています。今後のさらなる研究によって、画期的な治療法の開発にも期待ができます。 


外眼筋線維症は、大半が両方の目に症状が出る両眼性を呈しますが、稀に片眼性となる場合もあります。

 

その場合も眼瞼下垂になることはありますが、いずれにしても眼瞼下垂を発症した場合の治療に関する情報は〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」、〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。


眼瞼下垂とともに発症する眼筋麻痺による斜視は、特に先天性の場合、放置しておくと片方の目でしか物を見られなくなる可能性もあり、医師と相談のうえ早めの治療が必要です。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

※2020.3.14 記事内容を修正・更新しました。


 治療について


「先天性筋強直性(せんてんせいきんきょうちょくせい)ジストロフィー」は、筋強直性ジストロフィーの母親もしくは父親をもって生まれた子どもに、身体がふにゃふにゃしているように見える「筋緊張低下(きんきんちょうていか)」などの症状がみられる疾病です。

 

正常な筋肉は、ゴムのように弾性があって適度に伸び縮みさせることで筋力を発揮します。

 

そのために筋肉は常にある程度の緊張状態にあるのですが、筋緊張低下とは、私たちの活動に必要な筋肉の緊張が全身で低下するという症状です。

 

この症状自体は、年齢を重ねるとともに軽くなります。しかし、残念ながら筋力の低下が回復することはなく、大半が知的障害を伴ってきます。


呼吸器や心臓、消化器、中枢神経などにみられる先天性筋強直性ジストロフィーの多くの合併症のひとつとして「眼瞼下垂(がんけんかすい)」も発症しますが、この疾病であると気づかないまま麻酔・手術を行い、術後合併症を起こした後に気づく場合もありますので治療には注意が必要です。

 

眼瞼下垂の治療は、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。


根本的な治療方法ですが、残念ながら現在のところ、まだ見つかっていません。

 

筋力の低下に対しては、股関節から足先までの下肢の各所に装着する短下肢装具(たんかしそうぐ)や車いすの使用、あるいはリハビリテーションを行うことで対応する方法が取られており、そのほか筋強直が非常に強いときには薬物投与を行うこともあります。



◼︎難病治療へ

厚生労働省が指定する難治性疾患などに関する調査研究の推進、情報収集および知識の普及啓発など、難病における医学研究の積極的な振興を図るために設立された「公益財団法人難病医学研究財団」という機関があります。

 

ここで、2010年度から「筋チャネル病および関連疾患の診断・治療指針作成および新規治療法開発に向けた基盤整備のための研究班」として行われている研究が、先天性筋強直性ジストロフィーの治療と関わっています。


筋強直性ジストロフィーは希少な疾病のため、治験に必要な患者数や情報収集を行う目的で、国際的な共同治験が行われる動きがみられます。

 

そこで日本でも「神経・筋疾患患者登録センターRemudy( レムディー)」で筋強直性ジストロフィーの患者登録が行われています。患者登録という手段は、臨床試験や治験に協力する意思があることを示すものです。

 

こういた地道な努力が、いつか先天性筋強直性ジストロフィーの治療の革新につながるはずです。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 ◼︎治療について


上まぶたと下まぶたの裂け目の部分を指す「眼瞼裂(がんけんれつ)」の横や縦の長さ、またはその両方が縮小して狭くなる「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」。

 

まぶたを上げる筋肉に何らかの異常があるために発症します。



眼瞼裂狭小症候群の診断では、精密検査や遺伝子レベル・染色体レベルの検査を行いますが、それでも異常が認められない場合が多くみられます。

 

どちらか一方の親から 原因遺伝子を受け継いだだけで発病する常染色体優性遺伝による疾病といわれていますが、散発例、つまり家族には全く発病者がみられないのに突発的に発病者が現れるケースも少なくなく定義が定まっておりません。

 

また、症例が少ないため、検査方法が確立されていないのも事実です。

 

治療方法は手術で治すのが一般的ですが、ほかの「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」と同様に、どの時期に手術を行うかは、さまざまな見地があります。

 

しかしながら、眼瞼裂狭小症候群の場合は、視機能の発達には注意することが求められます。


◼︎手術について

一般的には3~4歳以降をすすめるケースが基本なのは、ほかの先天性眼瞼下垂と同様ですが、眼瞼裂狭小症候群は、重度の場合、視野が狭くなって視機能の面で障害が生じるリスクについて考える必要があります。

 

特に横の瞼裂が狭小となるケースでは、弱視につながる可能性が高くなります。

 

斜視や乱視の発症リスクも含め、その重大性を認識することも大切です。

 

もうひとつ、容姿を理由とする昨今のいじめ問題を危惧する声は大きく、本人が抱くであろう劣等感などを考慮すると、早期の治療について相談される意義は大きいでしょう。

 

また、早期の手術を行った場合、成長に伴って将来、改めて手術する必要が生じるのですが、傷跡などをご心配されることはありません。


具体的な手術方法については、眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3方法を通してそれぞれご説明しています。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


◼︎診断のすすめ

成人で最も頻度の高い筋ジストロフィー症で、その名のとおり筋強直(きんきょうちょく)や筋萎縮(きんいしゅく)を特徴とする「後天性筋強直性(こうてんせいきんきょうちょくせい)ジストロフィー」。

 

この疾病は、症状が軽い場合は症状や機能障害に対する自覚が乏しいため、対応が後手に回りがちなことも問題です。



また、この疾病だと医師が気付かずに手術を受けてトラブルになるケースや、呼吸障害が認識されずに単なる風邪が深刻な呼吸不全を発症してしまうこともあります。

 

この疾病であるかどうかは、筋力の低下や筋強直、顔つきなどの臨床での変化、白内障などの病歴、ご家族の病歴、そして遺伝子検査などから診断が可能です。



ただ、症状の軽い患者さんの場合は、臨床症状で診断するのは簡単ではありませんが、[後天性眼瞼下垂]の症状「後天性筋強直性ジストロフィー」の説明をよく読んで、医師の診断を早めに受けられることをおすすめします。


◼︎診断方法・治療方法は?

診断は、主に次のようなステップで行われます。


後天性筋強直性ジストロフィーは、筋肉が一度収縮した後、もとのように弛緩するのに時間がかかる ミオトニーと呼ばれる症状を特長とします。

 

ミオトニーは、手を強く握ったあと、スムーズに手が開かず時間がかかったり、診察用ハンマーで手のひらの母指球(親指の付け根のふくらんだ部分)や舌を叩くと筋収縮が見られることで分かります。

 

さらに、進行性の筋委縮(筋肉自体が小さくなってやせていく)が起きている場合は、より可能性が高くなります。


診断ではさらに(どちらか一方の親から 原因遺伝子を受け継いだだけで発病する)優性遺伝による親族の病歴を確認。

 

さらに針筋電図検査により、特徴的な波形図とスピーカーからの爆撃音に似た音が聞かれるミオトニア放電の検出と、遺伝子検査における異常が認められることによって、後天性筋強直性ジストロフィーと診断されます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」は、筋力低下の症状や多くのほかの合併症の一つとして発症しますが、この疾病自体の根本治療法は見つかっていませんでした。

 

ただ、数年前に日本で、核酸を筋肉細胞に導入する治療方法のマウス実験による有効性が発表されるなど研究は進んでいます。

 

また、眼瞼下垂とは直接関係がありませんが、リハビリテーションによって筋力低下を予防し、歩行機能を維持することも大切になります。

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.6.26  記事内容を修正・更新しました。


◼︎治療について

 水分を吸ったりあくびをするなど、口を開けたときに下アゴを動かす行為と同時に、上まぶたがピクピクと上の方に意識とは無関係に動く「マーカス・ガン現象」。(参考動画

 

顎を動かす神経と瞼を動かす神経が先天的に混線した状態によって起こると考えられております。

脳から発せられた顎を動かす信号が、神経の混線によって、まぶたに伝わり、顎の動きに合わせて、まぶたがピクピクと動いてしまう状態です。

 

動画でもわかるように、先天性で特に新生児期や乳児期に目立つ症状であるため、母親が授乳中などにこの症状に気づくことが多いようですが、生後数年を経過するうちに 自然治癒につながる場合があることも知られています。

 

したがって、積極的に手術をせず、そうした自然治癒に結びつくような傾向がないか見守るというアプローチを選択することもあります。

ただし、必ず自然治癒するという保証がないことも事実です。

 

弱視を合併することが多く、眼瞼下垂症手術よりも、この弱視に対しての対応を積極的に行うことが必要で、手術をしないとしても、定期的に弱視治療を受けるための通院が必要となります。

 

行われる治療としては、屈折性弱視の治療であり、症状のない目をカバー(アイパッチ)を行います。

 

このアイパッチ治療は、良い方の目(健眼)にアイパッチをすることで悪い方の目(弱視眼)の視力発達は促す治療です。

 

適正な時期(7〜10歳まで)に対処しなければ、弱視は治療不可能になったり、治療効果が十分出ずに、一生、弱視が固定化してしまう可能性があります。

 

その際に、屈折異常があれば、その屈折異常を矯正する眼鏡を装用することも必要となります。

 

眼瞼下垂性の弱視が疑われる場合には、早期に手術を行うことが求められます。

また、弱視以外にも、斜視を合併することがあります。

 

この場合には、Double elevator palsy(DEP)と呼ばれ、眼球を動かす筋肉のうちの上直筋と下斜筋の二つが麻痺することで単眼性上転障害(眼球を上に向けることができない)状態となります。

 

この斜視に対しては、斜視手術と眼瞼下垂症手術を行うことで治療することが検討されます。

 

つまり、マーカスガン現象を起こしている眼瞼下垂症治療は、小児のうちに積極的に眼瞼下垂症手術を行う前に、まずは、弱視、斜視などの視機能の障害を取り除くことが優先され、眼瞼下垂性の遮蔽(しゃへい)弱視が認められるような重症眼瞼下垂症において検討されます。

 

マーカスガン現象に合併する眼瞼下垂症への治療方法は、基本的には手術しかないのですが、マーカス・ガン現象のような先天性の「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の場合、実施する時期にはさまざまな考え方があります。

 

できるだけ早期にすべきという立場や、思春期を迎える前、あるいは小学校入学前という年齢にポイントを置く場合もありますが、一般的には3~4歳以降をすすめるケースもありますが、高田眼科としては、思春期以降を念頭において、ご相談させて頂いております。

 

小児のうちに仮に眼瞼下垂がみられても、軽度〜中等度であれば、下向きの際は目が開いており、通常はアゴを上げて見ているため、視機能は正常に発達できるという観点からです。

 

また、思春期になれば、ある程度、手術に関して理解することができ、局所麻酔による手術が可能となるからという背景もあります。

 

ただ、片方の目で見る習慣がつくと遮蔽(しゃへい)性の弱視になることもありますので、注意が必要となります。



このような事情から、視機能を守るため生後6ヵ月頃から弱視や斜視の診察を定期的に受けることをおすすめします。

 

つまり、眼瞼下垂の程度が強く、十分にまぶたが上げられず光刺激が網膜に届かないことにより視力の発達が妨げられる(眼瞼下垂症による)遮蔽性の弱視、「視性刺激遮断性弱視(しせいしげきしゃだんせいじゃくし)」は避けなければなりません。

 

また、先に述べさせて頂いたように斜視が認められた場合は、眼瞼下垂と同時に手術を行うことになります。




◼︎手術について


 このような治療への基本的な考え方に基づいて、マーカスガン現象に対する眼瞼下垂の手術は主として、見た目の外見を整える目的で行います。

逆に、顎の動きにリンクする瞼のピクピクするような動きを消失させることは出来ません。

 

手術は両眼の場合で1〜2時間程度で終わりますが、過矯正(矯正のし過ぎ)や低矯正(矯正の不足)には十分に注意して行います。

 

とくに過矯正の場合には、目が閉じなくなる「兎眼症(とがんしょう)」を避けなければなりません。

 

この眼瞼下垂症手術は、マーカスガン現象を抑える治療ではなく、あくまで、通常時の瞼の高さ(目の大きさ)の左右差を少なくする治療となります。

 

マーカスガン現象自体を治す治療は、残念ながら、今のところ確立しておらず、医学の進歩が待たれることとなります。



手術方法については、眼瞼下垂ブログ記事にて、「眼瞼挙筋腱膜前転術」、「眼瞼挙筋短縮術」「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3つ方法をそれぞれご説明させていただいております。


マーカス・ガン現象特有の症状は、片側の目だけに現れる「片眼性(へんがんせい)」が一般的ですが、両側の上まぶたに同じ症状が現れる場合もありますが、非常に稀です。


そうした両眼性の場合は、両方の目を手術するケースと、程度が軽い方の目に重い方の目の程度を合わせるように、片方の目だけ手術をするケースもあります。  

投稿者: 高田眼科

2016.07.19更新

2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


 ■原因と治療

眼球を動かす筋肉を支配する「動眼神経(どうがんしんけい)」は、眼球を動かす外眼筋の動きを制御する神経で、眼球を鼻側(内側)方向に向ける「内直筋(ないちょくきん)」、上下に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」と「下直筋(かちょくきん)」、外方向に回転させる「下斜筋(かしゃきん)」を支配しています。

 

加えて、瞳孔を調節する「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」や、まぶたを上げる(開ける)「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」まで支配しています。

 

したがって、動眼神経が麻痺すると「眼瞼下垂(がんけんかすい)」だけでなく、さまざまな眼球の動きが正常にコントロールできなくなってしまいます。


動眼神経麻痺の原因は、脳動脈の一部分が膨らんで血管壁が弱くなった状態の脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)や、頭蓋骨内にできる脳腫瘍(のうしゅよう)、脳血管が詰まったり狭まったりするなどの原因で酸素欠乏や栄養不足になり脳組織が壊死(梗塞)する脳梗塞(のうこうそく)、脳血管障害(脳卒中)や脳組織が押し出される脳ヘルニア、動眼神経の局所性貧血、糖尿病の合併症による神経障害、事故などによる外傷など多岐にわたります。


眼瞼下垂や眼球の運動障害以外に、瞳孔が大きく開いたりピント調節がうまくできないなどの瞳孔障害がある場合は、脳動脈瘤の危険性がありますので十分な注意が必要です。

 

この場合は頭痛を伴うことがあります。

 

治療が遅れて脳動脈瘤の破裂に至るとクモ膜下出血を発症し命にも関わるため、早急にMRI(磁気共鳴画像診断)などの頭蓋内の精密検査や脳神経外科的な処置が必要となります。

 

また、瞳孔障害がない場合も、念のため脳動脈瘤を確かめる慎重さが求められます。瞳孔障害がない場合は、動眼神経の局所性貧血や脳梗塞が原因である可能性が高くなります。


いずれにしても動眼神経麻痺の治療は、原因となっている脳腫瘍などの疾病へのアプローチが優先されます。

 

もちろん、糖尿病による発症の場合は血糖値コントロールなどの治療が必要となり、動眼神経の局所性貧血の場合は回復の経過を見守ります。

 

動眼神経麻痺による眼瞼下垂の症状は瞳を覆ってしまうほどの重度になるケースが多いですが、脳の重大疾患の危険性が考えられるため、まずは早急な脳神経外科による受診が求められます。

投稿者: 高田眼科

2016.06.24更新

2020.3.31 記事内容を修正・更新しました。


 

■外斜視片目つぶりって?

「外斜視(がいしゃし)」とは、何かを見つめているときに、片眼がその対象を注視しているのに、もう片方の目が外側(耳側)へズレている状態をいいます。

 

つまり、視線が片方だけズレてしまっているような状態になります。

 

両目の視線が合っている状態では、両目を同時に使って見る機能(両眼視機能)は正常ですが、片方の目が外側へズレてしまうと、片目でしか対象を見ていない状態となります。


常に片方の目が外斜視となっている場合を「恒常性外斜視(こうじょうせいがいしゃし)」、外斜視が発症する場合と発症しない場合がある斜視を「間欠性外斜視(かんけつせいがいしゃし)」と呼んで区別しています。

 

「間欠性」とは「ときどき」という意味です。また、この両者は、間欠性から恒常性に移行する場合もありますが、日本人に多いのは間欠性外斜視です。



「外斜視片目つぶり」とは、この間欠性外斜視を発症しているときに、戸外の明るい場所や、まぶしい場所で、ズレている方の目をつぶるウインクのような症状を発する疾病を指します。

 

このウインクのような症状を「片目つぶり」と呼んでいます。

 

このような状態で、まぶたがたれ下がったような「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が現れる場合があります。


 

◼︎診断と治療方法

外斜視の治療は大きく分けると、手術による方法と手術以外の方法とがあります。

 

どちらの方法が良いかは、斜視のタイプや患者さんの状況により異なります。具体的には、眼位(目の向き)のズレや、目の向きを変える「外眼筋(がいがんきん)」の働きなどを調べたうえで、どちらの方法が適切であるかを判断します。

軽度の場合は、コンタクトレンズやメガネによって両眼視機能を確保する方法もありますが、ズレている幅が大きく、両眼視ができにくい場合は斜視手術を行います。

手術では、外眼筋の付いている位置を調整することで、眼の位置を改善することを目的とします。

 

外斜視は、外を見る筋肉が強いことを意味するので、(眼球を外転させる)外直筋を弱めるか、(眼球を内転させる)内直筋を強めることで、斜視の改善を目指します。

 

筋肉を弱める場合は、筋肉のついている部分で一度切り離し、眼球の後ろの方に付け直すことで筋肉の張りを弱め、その作用を弱めます。

 

強める場合は、余分な筋肉を切ってから眼球の前の方に付け直し、張りを強くします。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.6.26 記事内容を修正・更新


■デュアン症候群

 「デュアン(Duane) 症候群」の症状は、大きく次の3つに分けられ、I、II、III型と呼ばれて分類されています。

I型は、片方の目の外転障害(眼球が外側に動きにくい)があり、内転はほぼ正常の場合が多いのですが、時折、内転障害(眼球が内側に動きにくい)もみられます。デュアン(Duane) 症候群の8割以上がこの型だといわれます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が出て「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」と呼ばれるのは、このⅠ型のケースが多いようです。

もちろん、デュアン(Duane) 症候群は、乳児期に認められなくても誕生時から存在し、先天性疾患です。

しかしながら、眼瞼挙筋自体に異常があるわけではないので、眼瞼下垂症の分類としては、先天性眼瞼下垂症ではなく、偽眼瞼下垂症となります。

どちらかというと、患眼が、他の目よりも小さく見える感じです。

左右差でわかる程度の軽度に瞼が下がっているようなイメージです。


いずれにしても、非常に稀な疾患だと言えます。



II型は、Ⅰ型の「外転」とは逆に片方の目の内転障害(眼球が内側に動きにくい)があります。

III型は、Ⅰ型とⅡ型の両方の症状が一つになった型で、片方の目の外転(眼球の外側の動き)と内転(眼球の内側の動き)に共に障害が発生します。


症状はこのように片方の目に生じる場合がほとんどで、症例としては左側に発生する場合が多いようです。ただ、まれに両方の目に症状が生まれるケースもあります。

原因としては、多くのケースで「外転神経核(がいてんしんけいかく)」とよばれる脳神経核の欠損あるいは形成不全が挙げられます。

神経核とは、中枢神経系(全身に指令を送る神経系の働きの中心となる部分で脳と脊髄からなる)のなかにある灰白質(かいはくしつ/ニューロン=神経細胞の細胞体が集まる場所)で、神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群を指します。


外転神経核は、12対ある脳神経の一つである6番目の脳神経で、「外直筋(眼球を外側に向けるための筋肉)」を支配します。

デュアン(Duane) 症候群は、この外直筋の神経支配に異常が発生して起こる先天性の眼球運動障害とされています。


遺伝性が認められないことがほとんどですが、特定の家族に頻度が高く発症することもあり、遺伝形式は常染色体性優性遺伝が多いといわれます。また、聴力障害や脳神経麻痺などとの合併症を発症するケースも目立ちます。

投稿者: 高田眼科

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当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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