2016.02.17更新

※2020.3.13 記事内容の修正と更新を行いました。


 

■動眼神経麻痺って?

「動眼神経麻痺(どうがんしんけいまひ)」は、脳神経のひとつである「動眼神経」の障害により生じ、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の原因になります。


「動眼神経」は、「滑車神経(かっしゃしんけい)」、「外転神経(がいてんしんけい)」の2つの神経と共に、いずれも眼球を動かす筋肉、外眼筋を支配しています。

 

そのなかで動眼神経は、眼球を鼻側(内側)方向に向ける「内直筋(ないちょくきん)」、上下に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」と「下直筋(かちょくきん)」、外方向に回転させる「下斜筋(かしゃきん)」を支配していますが、3つの神経共に、異常や麻痺があれば支配筋肉を動かせなくなります。


さらに動眼神経はこのほかに、瞳孔を調節する「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」とまぶたを上げる「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」を支配しています。

 

そのため、動眼神経に障害が生じると、眼瞼挙筋の麻痺が起こり、まぶたを上げる力にも影響が及んで眼瞼下垂が生じるのです。

 

特に動眼神経による眼瞼下垂は、まぶたで目が覆われるなど重症になるケースが多くみられるようです。


■症状と治療について

動眼神経麻痺の原因は、多くみられる順に、頭蓋骨の中に腫瘍ができる「脳腫瘍(のうしゅよう)」、「頭部外傷」により神経が傷ついた場合、「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」による圧迫、動脈血量の減少による局所的な貧血である「虚血(きょけつ/『糖尿病』を含む)」などが挙げられます。

 

眼瞼下垂は、これらによる動眼神経の麻痺によって引き起こされます。


病名そのものが深刻なケースが目立ちますが、診断を見誤ると重大な事態につながるため、動眼神経麻痺による眼瞼下垂を見極めるには注意が必要です。

 

したがって原因によっては、脳神経系の専門医による治療が優先され、緊急措置が求められる場合もあります。

 

たとえば、片目でものを見るときに眼の位置がずれる「斜視(しゃし)」などの症状がみられ、激しい頭痛や眼痛などが伴う場合は脳動脈瘤破裂の可能性があります。

 

脳動脈瘤が破裂すると「くも膜下出血」を発症し命にかかわることもあるため、精密検査や脳神経外科の処置が必要になります。


動眼神経麻痺の場合は、斜視が出ることから、物が二重に見える「複視」などの症状が生じる場合もあります。

 

瞳孔に異常がなく、眼瞼下垂や複視が一日のなかで変動する場合は、「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」の疑いがありますが、これに関しては、眼瞼下垂症ブログ:『[先天性眼瞼下垂]の症状「重症筋無力症」をご覧ください。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

2020.3.28 記事内容を修正・更新しました。


 

・重症筋無力症って?

「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」は、末梢神経と筋肉のつなぎ目としての役割を果たす「神経筋接合部(しんけいきんせつごうぶ)」の障害によって筋力低下が引き起こされ、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の原因になります。


そのメカニズムをさらに詳しく説明します。


通常、筋肉は、脳からの指令で神経繊維の末端から出た記憶や学習などに関わる情報伝達物質「アセチルコリン」AChを、筋肉側の受け皿である「アセチルコリン受容体」AChRで受けて収縮し動きます。

 

重症筋無力症

 

 

ところが、末梢神経 と筋肉の接ぎ目(神経筋接合部)において、この筋肉側の受容体(AChR)が 自己抗体 により破壊されることのよって脳からの情報伝達を妨げられ、筋力の低下を引き起こすのが重症筋無力症です。

全身の筋力低下、 易疲労性 が出現し、特に眼瞼下垂、 複視 などの眼の症状をおこしやすいことが特徴です。

 

 

眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型とよんでいます。

 

眼球を動かす「外輪筋(がいりんきん)」、まぶたにも関わる「外眼筋(がいげんきん)」、そしてまぶたを上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」などの「眼筋(げんきん)」の筋力低下を引き起こすことで眼瞼下垂にもつながります。

 


重症筋無力症になると、筋力の低下に伴って通常よりも疲れやすい「易疲労性(いひろうせい)」の症状として現れ、日常で不通にできていたことも難しくなります。

 

また、朝よりも夕方になるにつれて症状が悪くなる「日内変動(にちないへんどう)」があることが多いようです。

 

これら、易疲労性と日内変動は、重症筋無力症において特徴的な症状であり、診断にあたっての大事な手掛かりとなります。



・症状と治療について

重症筋無力症は、眼瞼下垂をはじめ、物が二重に見える「複視」などの眼の症状を引き起こしやすく、症状が眼だけに限って現れる場合は「眼筋型(がんきんがた)」と呼ばれます。

 

一方、全身の症状がある場合は「全身型」と呼ばれ、歯磨きや整髪の際に腕がだるかったり、階段の上り下りでとても疲れたり、食べ物をうまく飲み込めない「嚥下障害(えんげしょうがい)」や発音がしづらい「構音障害(こうおんしょうがい)」も引き起こし、症状が重くなると呼吸困難に陥ることさえあります。


重症筋無力症の診断において、眼や顔面の筋肉に症状が出ているかどうか、特に眼瞼下垂があるかどうかは、重要な判断材料になります。

 

治療方法は、薬剤を飲む内科的な治療と手術による外科的な治療に分かれます。

 

薬剤は、筋肉への情報伝達を強める薬剤コリンエステラーゼ阻害薬や、抗体を抑制するステロイド薬、免疫抑制薬などがありまが、対症療法と根治的な 免疫療法に別れます。

 

対症療法として使われる代表的な薬剤がコリンエステラーゼ阻害薬であり、神経から筋肉への信号伝達を増強する薬剤です。

 

ただ、これはあくまでも、一時的な対症療法であり、第一選択とはなりません。

 

治療の基本は 免疫療法で、この病気の原因である抗体の産生を抑制したり、取り除く治療になります。

 

抗体の産生を抑制するものには、ステロイド薬、免疫抑制薬があり、ステロイド薬は内服で行ったり、点滴行ったりします。

 

その他には、

血漿成分を交換して、血液中の好ましくない抗体を取り除いてしまう血液浄化療法 、大量の抗体を静脈内投与する大量ガンマグロブリン療法、補体C5を特異的に阻害する抗体製剤があり、患者さんの症状や状態に応じて、治療方法が選択されています。

 

これらは、体内の抗体を区別なく除去したり、抗体の作用を特異的に押さえたりする治療ではなく、これもまた、根治できるものではありません。

 

手術には、「胸腺摘除(きょうせんてきじょ)」があります。

特に、胸腺というリンパ組織に 胸腺腫を合併する場合は、まず外科的にこれを取り除く必要があります。

 

胸腺腫は早期に発見されば場合は、一括して切除でき、 生命予後 の良い腫瘍です。

 

眼瞼下垂症に対しては、通常の眼瞼下垂症で主に用いられる手術も施されますが、症状をみながらまず内科的な治療から始めるのが一般的です。

 

 

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

2020.3.31 記事内容を修正・更新しました。


眼瞼裂狭小症候群って?


「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」は、「瞼裂狭小症候群」などともいわれる「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」のひとつで、まぶたを上げる筋肉に何らかの異常があると考えられます。


「眼瞼裂(がんけんれつ)」とは上まぶたと下まぶたの裂け目の部分を指しますが、この症状は、その横や縦の長さ、またはその両方が縮小して狭くなっています。

 

そのため、左目と右目の目頭の間隔が異常に離れたように見えるのが特徴です。

 

眼瞼下垂は、両方の目に症状が出る「両眼性(りょうがんせい)」として現れ、目の開きが少なくなりますが、左右で差が出る場合もあります。

 

また、目頭の部分を覆う上まぶたのひだである「蒙古襞(もうこひだ)」がみられることがあります。このひだは、日本人(黄色人種)に多く、一般的に西洋人にはありません。

 

この疾患に伴う成長障害や知能障害は認められません。


2015年7月、厚生労働省が新たに「難病医療費助成制度」に指定した「ヤング・シンプソン症候群」にも、この眼瞼裂狭小症候群の症状がみられます。



・治療について

眼瞼裂狭小症候群は、眼瞼裂の状態から目を大きく開けることが難しいため、見えづらさを補う目的で眉を持ち上げたり、アゴを上げたりする癖「チンアップ」がつくこともあり、片方の目が正しい方向を向いているのに、もう片方の目がズレて向いている「斜視」や、視覚情報が伝わる経路上に支障があることで視力が弱まった「弱視」を伴うケースがみられます。

 

したがって、それぞれの症状に応じた治療が求められます。

 

さらに、本人が他人と比べて異なる状態にあることを自覚することによる心理状況などを考えて、早期の治療をすすめる医師もいますので、精密検査や遺伝子レベル・染色体レベルの検査を行い、疾患の状況を踏まえ、よくお考えのうえ治療にあたってください。


優性遺伝の疾患で、両親のどちらか、あるいは両方に眼瞼裂狭小症候群の遺伝子が認められるケースが大半です。ただ、両親のどちらにも瞼裂狭小症候群の遺伝子がないのに、その子供に症状が現れる場合もあって、優性遺伝だけを原因とすることができないのが現状です。


眼瞼裂狭小症候群の治療法は、やはり手術が一般的ですが。先に述べたように視力にとっての悪影響を考慮すると、重症のケースでは、なるべく早期の手術がベストな場合もあります。

 

症状によってですが、手術は、思春期に向かって成長するに従って複数行う場合もあります。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


・マーカス・ガン現象って?
マーカス・ガン現象」は「下顎眼瞼連合運動現象(かがくがんけんれんごううんどうげんしょう)」ともいわれ、水分を吸ったりあくびをするなど口を開けたときに下アゴを動かす行為と同時に、上まぶたがピクピクと上方に意識とは無関係に動く症状を示します。

 

アゴの運動が、片側の目だけに症状として現れる「片眼性(へんがんせい)」が一般的ですが、両側の上まぶたに同じ症状が現れる場合もあるようです。

 

また、周囲の家族に同じような症状が見られない散発性のケースがほとんどですが、これについても染色体や遺伝子の変異によって起こる遺伝性の場合が報告されています。

 

いずれにしても先天性で特に新生児期や乳児期に目立つ症状であるため、母親が授乳中などにこの症状に気づくことが多いようです。


この現象の原因は、「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」と「咀嚼筋(そしゃくきん)」である「外側翼突筋(がいそくよくとつきん)」のそれぞれを支配する神経が先天性に異常な連絡をもつことによるとされています。

 

しかし、まれに「眼瞼挙筋」と、やはり「咀嚼筋」の「内側翼突筋(ないそくよくとつきん)」との異常な連絡が生じることがあり、この場合には下アゴを動かすときではなく、口を閉じるのと同時に上まぶたが上がります。

 

いずれも安静時には元の位置に戻ります。


・治療について
「マーカス・ガン現象」は、1883年にイギリスの眼科医であったR.マーカス・ガンが診察した15歳の少女の症例として発表されたため、その名が付けられています。当時は調査チームも組織され上記の原因もおよそ明らかになりました。

 

しかしながら、これまで述べたように症状はもちろん、さまざまな観点で例外も多くみられ、「先天性眼瞼下垂」をもつ新生児のさらに数%にみられるまれな症例でもあり、決定的な治療方法は見つかっていません。

 

ただ、この現象は年齢と共に自己矯正されていきますので、重度の場合は手術という選択肢もあるようですが、一般的には医師と相談しながら推移を見守るケースが多いようです。

 

しかしこの現象は、片方の目が正しい方向を向いているのに、もう片方の目がズレて向いている「斜視」や、眼球を上に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」の麻痺、左右の度数が違う「不同視(ふどうし)」や乱視でないのに物が二重に見える「複視」を伴うこともありますので、そうした疾患についても十分に注意を払うことが大切になります。

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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