2016.05.20更新

2020.6.26 記事内容を修正・更新


■デュアン症候群

 「デュアン(Duane) 症候群」の症状は、大きく次の3つに分けられ、I、II、III型と呼ばれて分類されています。

I型は、片方の目の外転障害(眼球が外側に動きにくい)があり、内転はほぼ正常の場合が多いのですが、時折、内転障害(眼球が内側に動きにくい)もみられます。デュアン(Duane) 症候群の8割以上がこの型だといわれます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が出て「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」と呼ばれるのは、このⅠ型のケースが多いようです。

もちろん、デュアン(Duane) 症候群は、乳児期に認められなくても誕生時から存在し、先天性疾患です。

しかしながら、眼瞼挙筋自体に異常があるわけではないので、眼瞼下垂症の分類としては、先天性眼瞼下垂症ではなく、偽眼瞼下垂症となります。

どちらかというと、患眼が、他の目よりも小さく見える感じです。

左右差でわかる程度の軽度に瞼が下がっているようなイメージです。


いずれにしても、非常に稀な疾患だと言えます。



II型は、Ⅰ型の「外転」とは逆に片方の目の内転障害(眼球が内側に動きにくい)があります。

III型は、Ⅰ型とⅡ型の両方の症状が一つになった型で、片方の目の外転(眼球の外側の動き)と内転(眼球の内側の動き)に共に障害が発生します。


症状はこのように片方の目に生じる場合がほとんどで、症例としては左側に発生する場合が多いようです。ただ、まれに両方の目に症状が生まれるケースもあります。

原因としては、多くのケースで「外転神経核(がいてんしんけいかく)」とよばれる脳神経核の欠損あるいは形成不全が挙げられます。

神経核とは、中枢神経系(全身に指令を送る神経系の働きの中心となる部分で脳と脊髄からなる)のなかにある灰白質(かいはくしつ/ニューロン=神経細胞の細胞体が集まる場所)で、神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群を指します。


外転神経核は、12対ある脳神経の一つである6番目の脳神経で、「外直筋(眼球を外側に向けるための筋肉)」を支配します。

デュアン(Duane) 症候群は、この外直筋の神経支配に異常が発生して起こる先天性の眼球運動障害とされています。


遺伝性が認められないことがほとんどですが、特定の家族に頻度が高く発症することもあり、遺伝形式は常染色体性優性遺伝が多いといわれます。また、聴力障害や脳神経麻痺などとの合併症を発症するケースも目立ちます。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.3.31 記事内容を修正更新しました。


「斜視(しゃし)」とは、片方の目が正しく正面に向いているのに、もう片方の目が別の方向に向いている状態をいいます。


斜視にはこのほか、片方の目が内側を向く「内斜視(ないしゃし)」、外側を向く「外斜視(そとしゃし)」、上側を向く「上斜視(じょうしゃし)」があります。


斜視は、「外眼筋(がいがんきん/上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋・内直筋・外直筋)」の麻痺が原因になる「麻痺(まひ)性斜視」と、外眼筋麻痺以外の原因による「共同性斜視」とに分かれます。

 

外眼筋とは、私たちが物を目で追う際に眼球を動かす筋肉です。

 

外眼筋麻痺は、見る方向によって斜視の程度が変化しますが、共同性斜視は、見る方向によって斜視の程度が変化せず一定という点で大きく異なります。

 

ただ、一般的に斜視という場合は共同性斜視を指し、麻痺性斜視は「眼筋麻痺」とも呼ばれます。


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」に似た症状が出るため「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」に属する斜視は、麻痺性斜視に属します。


麻痺性斜視の麻痺の原因としては、外眼筋そのものの障害、あるいは脳腫瘍などの疾患ができることで外眼筋を動かす指令を出す神経が圧迫されたり、糖尿病などによる脳の血管の障害を通して末梢神経の麻痺が生じるケースなど実にさまざまです。

 

疾患によるものばかりでなく、脳に損傷が起きた場合も麻痺につながります。

 

また、斜視は、眼球運動と密接な関係があり、その症状である複視(ものが二重に見える症状)が診断の手がかりとなります。

 

眼球運動には ひき運動(単眼での運動)とむき運動(両眼での運動)に分けられますが、どちらかまたは両方に障害がある場合に眼球運動障害と呼びます。

 

多くは複視と斜視を伴いますが、眼球運動があったとしても必ずしも複視が生じるわけではなく、正面を向いた状態(正面視)では斜視がハッキリしない場合もあります。



外眼筋は、眼球を外転させる外直筋を支配する外転神経、上斜筋を支配する運動神経である滑車(かっしゃ)神経、この2つの筋肉以外の外眼筋の大部分を支配する動眼神経によってバランスをとりながらコントロールされています。

 

そして、それぞれの神経核は脳と脊髄をつなぐ脳幹の中枢に支配され、その中枢はさらに 大脳前頭野の運動領に支配されるメカニズムになっています。

この神経核とは、中枢神経系(全身に指令を送る神経系の働きの中心となる部分で脳と脊髄からなる)のなかにある灰白質(かいはくしつ/ニューロン=神経細胞の細胞体が集まる場所)で、神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群を指します。

 

このように外眼筋に関わる神経系統は複雑に張り巡らされていて、そのどの部分が障害を受けても筋肉が働かなくなって斜視の原因となります。

 

代表的なものでいれば、動眼神経に問題が起これば、つまり、動眼神経麻痺になると、眼瞼挙筋 と 外眼筋(上直筋、内直筋、下直筋、下斜筋)をコントロールが出来なくなるので、眼瞼下垂症と共に、斜視が出現いたします。

 

Horner症候群なら、交感神経の障害になります。ミュラー筋は交感神経によりコントロールされているので、障害を受けると、ミュラー筋の麻痺となり、軽度の眼瞼下垂症となります。

 

そのほかで言えば、重症筋無力症、筋緊張性ジストロフィーなどがあります。

 

以上のように、斜視と共に眼瞼下垂症を生じる病態は非常に多岐に渡り神経疾患、神経筋接合部疾患、筋疾患など原因は様々です。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


「チック症」とは、体の一部に突発的に起き、長時間にわたって反復持続する素早い運動あるいは発声を指します。また発症が18歳未満で、症状が4週間以上持続することと定義されています。

持続期間や症状により分類され、症状の持続が4週間以上12カ月未満の場合を「一過性チック障害」、12カ月以上持続し3カ月以上持続してチックが消失することがない「慢性チック障害」、さらに同様の持続期間でさまざまな運動チックと1つ以上の音声チックが続く重症な場合には「トゥレット症候群」と診断されます。


先に述べた「素早い運動あるいは発声」は、動き中心の「運動性チック」と、発声中心の「音声チック」を指します。

 

また、それぞれ単純性と複雑性に分けられるのですが、次に分けてまとめました。


〔運動チック〕

・単純性
 まばたきを繰り返す、首を振る、顔をしかめる
・複雑性
 モノにさわる、モノを蹴る、ジャンプする、スキップする


〔音声チック〕
・単純性
「あー」「うん」などの短い言葉を繰り返す、動物の鳴き声のような声を出す、咳払いする、鼻を鳴らす
・複雑性
 コプロラリア:汚言(言うことがはばかられるような卑猥語や罵倒語を言う)、エコラリア:反響言語(人の言ったことを、ほぼそのままオウム返ししてしまう)


 

こうした症状のなかで、まぶたが下がるケースもみられ、これが「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」に該当します。

 

チック症は、外見では病気と判別しづらいため、故意で行っているのではないか、と誤解されることが少なくありません。

 

また逆に、乱暴だなと思う行動や非常識と感じられる言動が、実はチック症の症状という可能性もあるのです。

チック症の原因ですが、これまでチック症は母子関係がもたらす心理的な要因が影響していると誤解されていました。

 

そのため、チック症の子をもつ母親は自身を責める場合もあったのですが、現在は脳の障害によるという説が有力視されています。


小児期のチック症は珍しい疾病ではなく、多くは成長に伴って自然治癒していきます。しかし症状が慢性化し、より激しくなるとチック症と診断されます。
 

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.3.25 記事内容を修正・更新しました。


  

【メージュ症候群はどんな病気?】

「メージュ(Meige)症候群」の「メージュ(Meige)」とは、1910年にこの疾病を最初に報告したフランスの神経内科医、H.メージュの名に由来しています。

 

両目の瞼が自分の意思とは無関係にこわばってしまい目を自然に開けることができなくなってしまいます。特に40~70歳代の中高年に多く、女性の方に多い傾向がみられます。

 

一番多い症状としては、光をまぶしく感じる羞明です。

 

加えて、口や舌がもごもご動いてしまう症状などの特徴があり、片方ではなく大抵両目で発症し、進行すると瞼を自分の指で開け続けなければならないほどにもなります。

 

発症後間もない頃は、まばたきが多くなったり、目が開けにくくなる、まぶしく感じるなどの症状が表れますが、その後は、絶えず下まぶたがピクピクするのを感じるようになり、それが上まぶたにまで進行します。

 

まぶたの痙攣の頻度は次第に増え、日常生活に支障が出るほどになります。

 

そのため、患者さんの中には、テープで無理やり開いていることもあります。



メージュ症候群の原因は不明で、左右両側の「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」を主症状とし、「口・下顎(くちかがく)ジストニア」が存在する疾病です。

 

ただ、眼瞼痙攣のみでメージュ症候群と呼ぶこともあります。正確な原因は不明なのですが、脳の機能異常に起因していると考えられており、脳幹や大脳基底核の働きに異常がある場合には、まぶたの痙攣やこわばりといったような病状を引き起こす恐れがあります。

 

また、顔面神経核や脳幹の部分の異常な神経興奮や、脳幹インターニューロンによる過活動といった理由によっても、こうしたまぶたの異常な病状が発症すると考えられます。

 

 

■Meige症候群における眼瞼痙攣(けいれん)症状について

眼瞼痙攣と聞くと、健康な人でも、眼精疲労が蓄積したときに感じる、"ピクピクする"感覚を想像しがちですが、これが起きるのは「片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)」で、高田眼科眼瞼下垂症ブログ記事:「片側顔面痙攣」で説明しておりますので、ご参考ください。

 

また、眼瞼痙攣は、基本的に"ピクピクする"のではなく、まぶたを開けたり閉めたりする際に重要な働きをする「眼輪筋(がんりんきん)」が本人の意思に関係なく過度に収縮することで、まばたきが増え、目が開けにくくなり、光がまぶしくなるなどの症状を発する疾病です。

 

さらに進行すると両眼を開くことができなくなりますが、そのため目の周りの筋肉を意識的にゆるめたり、収縮させたりすることで独特の表情をつくりだします。

 

このときの症状が「眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)」にもなりますが、違った疾患として区別するため、「偽眼瞼下垂症(ぎがんけんかすいしょう)」と呼ばれます。「偽眼瞼下垂症」については、高田眼科の眼瞼下垂症ブログ記事:「偽眼瞼下垂症」を参考ください。

 

■Meige症候群における口周囲のジストニア症状について 

口周囲(下顎)ジストニアについては、口とアゴを動かしている筋肉が何らかの原因で本人の意思に関係なく過度に収縮する症状となります。

 

そもそも筋肉の異常な緊張によって起きる様々な不随意(本人の意思に関係のないこと)運動を「ジストニア」運動と言います。



食べ物がうまくかめず飲みにくくなり、口が開かない、閉じられない、アゴや口、舌、唇が無意識にもぐもぐと動いたり歯を食いしばったり、など様々な障害が生まれます。

 

メージュ症候群で先に説明した眼瞼痙攣症状も、特発性(原因不明)の局所性ジストニアに含まれます。

 

■Meige症候群の治療について

原因が脳にあるらしいというのは分かっていても、詳細については、まだ明らかになっていない疾患です。

 

したがって、治療法は、特異療法として眼輪菌にボツリヌス菌毒素を注射する方法があり、それが第一選択となります。


また、症状の緩和に向けて、肉体的・精神的に安静を取ること、人工涙液の点眼や抗不安薬などの内服薬の投与により、対症療法的な治療を行うこともあります。

 

広範囲眼輪筋切除術などの外科的治療を行うこともありますが、再発することも多く、問題となることがあります。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

「眼球陥凹(がんきゅうかんおう)」と読むこの疾病の「陥凹」とは、へこんだ状態やくぼんだ状態を示す医学用語です。「視神経乳頭陥凹(ししんけいにゅうとうかんおう)」などの名前も見られますが、これは視神経の網膜上の出入口である視神経乳頭が通常よりへこみが大きい場合を指す症状で「眼瞼下垂(がんけんかすい)」とは関係ありません。


事故など何らかの物理的な力が外から加わって、眼球を収めている頭蓋骨のくぼみである眼窩(がんか)の奥の眼窩壁が骨折し、眼窩内の脂肪組織や眼を動かす筋肉などがはみ出し、眼球を支えられなくなって眼球が下がってしまう症状を指します。また、頬骨(ほおぼね)の骨折によっても同様の状況を引き起こす場合があります。


見た目を復元しなければならないのはもちろんですが、放置しておくとモノが二重に見えるようになり、ときには吐き気をもよおすなどの障害に見舞われますので、いずれにしても早期の手術が必要になります。


眼球陥凹という名は、[後天性眼瞼下垂]の症状「ホルネル(Horner) 症候群」でも登場しています。眼瞼下垂が3つの徴候の一つの徴候に挙げられるホルネル症候群ですが、眼球陥凹もその一つとなっていて両者は密接に関連します。眼球陥凹は、症状を改善する手術を行った後、長期の経過観察を行った調査において陥凹の度合いが高まる再陥凹の症例が多数報告されています。再陥凹を見越した手術なども行なわれていますが、この方法には注意が必要となります。 


眼球陥凹は、眼瞼下垂と似た症状をもつ「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」に属します。これについては、眼瞼下垂は3タイプ[偽眼瞼下垂]とは で説明していますが、実は眼球陥凹にも「偽眼球陥凹」という疾病があります。同じように、真の眼球陥凹ではなく、みかけ上の眼球陥凹をこう呼んでいます。これは、栄養失調や加齢による変化を原因として眼窩の脂肪組織が減っていくことにより眼球の再陥凹がみられるものです。しかし、この症状にも眼瞼下垂と似た状態が伴うことがあります。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


「小眼球症(しょうがんきゅうしょう)」は、文字通り眼球が通常に比較して小さいという特長から、こう呼ばれています。

 

症状が両目に出る場合、片目に出る場合の割合はほぼ拮抗しており、男女の割合も女性がやや多いもののそれほどの差はみられません。


正常な眼球容積の2/3以下を基準に診断されますが、より具体的には眼球の長さ(眼軸長)、角膜の大きさ(角膜径)、左右眼の大きさの差(乳児で9mm以下が目安)を計測して判断されます。

 

原因は、胎内で眼球がつくられる早い時期に、房水(角膜・水晶体・硝子体など血管のない組織に栄養を与える体液)の排出が正常になされなかったために、眼球の形成が不十分になって生じるとされています。

 

眼瞼下垂症も、それに伴ってまぶたが下がって生じます。


小眼球症は、原因に関わる遺伝子が発見されている症例があるものの、原因不明の場合も多い疾病ですが、風疹などの感染やアルコール摂取など、妊娠初期の母親の生活環境が影響を与える場合もあります。

 

また、発生頻度が約10,000人に1人というデータが示す通り、極めて希少な疾患にあたります。

「無眼球」とは、この小眼球症のうちの最も重度な疾病を指し、眼の組織がほとんどないケースです。

 

このほか極小眼球、先天性嚢胞眼(せんてんせいのうほうがん)などの重度なレベルから、軽度の小眼球まで程度はさまざまですが、重度の場合は、先天的な全盲となります。

 

ただ、軽症の場合は視力が弱まるだけで済むこともあるようです。

 

先天性嚢胞眼の「嚢胞(のうほう)」は、中に液体がたまった袋状の異物のことで、胎児の発育過程のなかで通常は消える部分の一部が残って袋状に変化し、体内に生成されます。

 

この嚢胞を伴った小眼球を先天性嚢胞眼と呼びます。


いずれにしても解明不十分の疾病で、根本的な治療法は確立されていないのが実情です。

 

ただ、通常は知性に問題がなく、視覚以外の他の身体部分にも影響がないため、健康面では特に支障がなく生活することが可能です。

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

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な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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