2016.08.15更新

※2020.6.25 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎Meige症候群の治療法


「メージュ(Meige)症候群」は、一般には、左右両側の眼瞼痙攣を主症状とし、「口・下顎(くちかがく)ジストニア」が存在する疾病です。

 

口・下顎ジストニアは、口とアゴを動かしている筋肉が何らかの原因で本人の意思に関係なく過度に収縮する症状を示します。

 

見た目的には、たびたび、目尻にシワが入り、しかめっ面をするような状態となります。

 

ただ、左右両側の眼瞼痙攣のみでメージュ症候群と呼ぶこともあるため、治療方法も〔偽眼瞼下垂〕の治療「眼瞼痙攣」で説明した内容と大きな違いはありません。

 

眼瞼痙攣(けいれん)治療についての有効で安全な実施を目指して策定された「眼瞼けいれん診療 ガイドライン(2011年度版)」でも、同じようなメージュ症候群についての言及があります。

 

 


>>眼瞼痙攣(けいれん)についての治療については、ブログ記事:偽眼瞼下垂の治療「眼瞼痙攣」をご覧ください


 

 

現在、メージュ症候群においても、ボツリヌスA型毒素を製剤化したものを局所へ注射し、緊張している筋肉を麻痺させる「ボツリヌス療法」が主流となっています。

 


ここで使われる薬剤は、米国の「アラガン社」が国際商標権を持つ医薬品「ボトックス」で、食中毒で認知されたボツリヌス菌が産む毒素であるボツリヌストキシンから、A型といわれる血清型毒素だけを抽出し精製します。

 

痙攣している部位に直接注射するため、眼輪筋を緊張から解放でき、大半のケースでこの治療法により痙攣が治まります。

 

国内外での臨床報告が多く、日本でも1997年4月に厚生労働省が眼瞼痙攣の治療薬として認可しています。

 

ただ、欠点として効果が数ヶ月しか持続しない点があり、再び痙攣が生じるため、その際には注射による投与を行って治療にあたります。

 

といっても、軽症の患者さんの場合は再投与が不要な方もおり、明らかな効果が生まれているのは事実です。


精神的な不安など心的要因により症状の悪化が見られる場合があり、そうしたケースでは自分自身でのメンタルケアはもちろん、向精神薬や抗てんかん薬などを内服する治療方法もとられます。

 

眼輪筋切除が考慮される状況は、このようなボトックスや内服薬に抵抗がみられる患者さんに対して試みますが、

 

一時的には改善することが多いのですが,大部分のケースで最終的には眼瞼けいれんの再発がみられ,結局はボトックス療法を再開せざるを得ない状態です。

 

特に、眼輪筋広範囲切除術を行っていた場合には、術後の瘢痕組織へのボットクス注射となり、注射時の疼痛が術前よりも強くなってしまうので、注意が必要です。

高田眼科(ひとみ眼科)でも、随時、メージュ症候群に対してのボットクス注射治療を行っておりますので、気軽にご相談ください。

 

投稿者: 高田眼科

2016.08.15更新

※2020.6.26 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎眼瞼痙攣とは

 

眼瞼痙攣写真

「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」とは、眼瞼周囲の筋肉,主に「眼輪筋(がんりんきん)」の過度の収縮が起こったり、収まったり、または、ずっと続いたりすることで、無意識に目を閉じてしまう疾患で、他に神経学的,眼科学的異常が見当たらない状態と定義されます。

 

また、その痙攣症状が他の顔面の筋肉やさらには舌、のど(咽頭や頸部の筋肉)にまで及ぶものを Meige (メージュ)症候群と呼んでおります。

 

Meige (メージュ)症候群については、こちらのブログ記事:偽眼瞼下垂の治療「Meige症候群」をご覧になってください。

 

この疾患は神経医学的には局所ジストニア(ジストニア=身体のいくつかの筋肉が無意識に持続的に収縮してしまい,捻れや歪みが生ずるもの)の一種だと言われております。

 

瞬目(まばたき)の制御異常がその病気の本質だと考えると理解しやすく,随伴するさまざまな眼およびその周囲の感覚の異常が出てきます。

 

ただし,眼瞼けいれんの中には原因不明のものから,薬物によって引き起こされたり、他の疾患により引き起こされたりするケースもあります。

 


 

◼︎眼瞼痙攣の治療法

原因が完全に解明されたわけではない「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」においては、治療法もさまざまなアプローチが行われてきました。


眼瞼痙攣は、まぶたを閉じる筋肉である「眼輪筋(がんりんきん)」が過剰に緊張して開きにくい状態であるともされ、眼輪筋を広範囲に切除する手術が行われたりします。

 

手術方法としては、眼瞼皮膚切除,眼輪筋切除術(広範囲切除術および部分切除術),Müller 筋縫縮術,前頭筋吊上げ術(frontal sling/suspension),皺眉筋切除術などで、いわゆる眼瞼下垂症手術と同等のものと言えます。

 

また、神経への外科的アプローチとしては、顔面神経切断術があります。

 

しかし、いずれの手術を行ったとしても、一時的には改善することが多いのですが,大部分のケースで最終的には眼瞼けいれんの再発がみられ,結局はボトックス療法を再開せざるを得ない状態です。

 

特に、眼輪筋広範囲切除術を行っていた場合には、術後瘢痕組織へのボットクス注射となり、注射時の疼痛が術前よりも強くなってしまうので、注意が必要です。

 

さらには、眼瞼痙攣を眼瞼下垂症と誤診され、眼瞼下垂症手術を受けたケースや、眼瞼痙攣の治療として受けた手術を受けたケースでは、逆に、手術を受けたばかりに眼瞼痙攣が重症化するケースもあります。

 
■安易な眼瞼下垂症手術で引き起こされる術後眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)


 

 高田眼科の見解としては、特に、ミュラー筋への手術的操作が眼瞼痙攣を引き起こす、あるいは、悪化させる要因ではないかと考えております。

 

しかし、眼瞼痙攣と同時に、腱膜性(加齢性)眼瞼下垂症を合併しているケースも多く、その場合に、眼瞼下垂症手術を行う際には、眼瞼痙攣の症状を抑えた状態での手術が望ましいと言えます。

したがって、術前にボットクス注射を行った上で、ミュラー筋への侵襲を与えないように注意しつつ、高田眼科では眼瞼挙筋前転法にて行っております。

 

高田眼科でも、眼瞼痙攣の治療は、ボツリヌス注射(Botox 注射)を第一選択としておりますので、術後、眼瞼痙攣の状態に合わせて、注射を行っております。

 

加えて日本では眼瞼痙攣に対する治療法として、保険適用として認められているものは、ボツリヌス毒素製剤の局所注射のみが唯一認められている治療法です。

 

したがって、その他の治療方法、つまりは、内服薬および外科的手術は、基本的に保険適用として認められておりませんので、注意が必要です。

 

また、眼瞼痙攣と眼瞼下垂症との鑑別は、主に眉毛の位置で判断することが出来ます。腱膜性(加齢性)眼瞼下垂症では、眉毛が代償性の前頭筋収縮のために眼窩上縁より上昇している状態になります。

 

逆に、眼瞼痙攣では、無意識にしかめっ面をしてしまうという症状との関係上、眉毛が眼窩上縁より下降します。

 

これをCharcot 徴候と呼ばれ、眼瞼痙攣の重要な徴候(サイン)だと言われております。


■意外に多い薬剤性眼瞼痙攣(眼瞼けいれん) 


 

 安定剤や睡眠導入剤、抗精神病薬が原因、誘因になっている場合が、意外に多いと言えます。

高田眼科では、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)を疑った場合には、必ず、問診で伺うこととしております。

可能な限り服用を中止するなどの方法も行われており、実際に、服用を止めたら眼瞼痙攣の症状もなくなったという事例もみられています。

 

しかしながら、そういった薬剤のどちらかと言えば、禁断症状が眼瞼痙攣という症状であり、安易に自己判断で注視してしまうと、

 

過剰な離断症状、つまり、薬を一気に中断したことで、眼瞼痙攣が悪化してしまうこともあるので、必ず、主治医と相談の上、計画的に、漸減する(すこしずつ減らす)ことが大事だったりいたします。


■眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の第一選択治療は、手術ではなく、「ボトックス注射治療」


 

 このような状況のなかで、最近、眼瞼痙攣への治療効果が注目されているのが「ボツリヌス療法」です。

 

これは、ボツリヌスA型毒素を製剤化した米国・アラガン社の「ボトックス」を局所へ注射し、緊張している筋肉を麻痺させる方法で、眼瞼痙攣の場合は 目の周囲に数ヵ所、注射するのが一般的です。

 

この方法の効果の高さは、国内外の臨床報告に表れており、日本でも1997年4月に厚生労働省が眼瞼痙攣の治療薬として認可しています。

 

保険診療で受けることができますが、費用は概ね、3割負担なら、約15000円程度と少し高額です。

 

また、眼瞼痙攣治療の有効で安全な実施を目指して策定された「眼瞼けいれん診療 ガイドライン(2011年度版)」でも、このボツリヌス療法が第一選択とされています。

 

治療の効果には個人差がみられ、効果が2ヶ月〜3ヶ月程度しか持続しないという欠点があるため定期的な再投与が必要とされますが、一方で1回の注射で症状が改善してしまう方も一定数みられます。

 

また、治療時間も短く、外来で行う治療方法で、入院は必要となりません。


ただ、ときには目の周囲の皮下出血、目が閉じにくく乾く状態、あるいはまぶたの上がりすぎ(兎眼/とがん)など注射後の副作用が起きる場合があります。

 

多くは一時的なもので、薬剤の効果と共に消えるものですが、念のため医師にご相談ください。

 

高田眼科の場合、臨床で使う針の中では、最大限に細い針(34G針)を使っております。

 

この針は、鍼灸の針治療で使うほど細い針ですので、注射時に皮下の毛細血管に当たる可能性がグッと下がりますので、説術後の皮下出血になることが少なく、程度も非常に軽いものとなります。

 

当然、細い針ですので、注射刺入時(針を刺した時)の痛みも、随分と少ないです。

 

この疾病の特長として、抑うつ感があると症状が悪化するため、精神的な安定が必要となり、自分自身でのメンタルケアはもちろん、向精神薬や抗てんかん薬などを内服する治療方法もとられます。


いずれにしても医師と相談しながら治療を継続することが大切です。


関連記事:眼瞼下垂症と眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)、ボトックスbotox注射での見極めが必要な理由


 

投稿者: 高田眼科

眼瞼下垂なら 高田眼科併設眼瞼下垂治療センターまで

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるよう

な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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