2016.07.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 ◼︎原因と治療について

 

先天性外眼筋線維症は眼筋麻痺による斜視や眼瞼下垂を主な症状とする稀な先天性の疾患で、1型、2型、3型に分類されます。

 

動眼神経 (CN3), 滑車神経 (CN4)やそれらを刺激する神経筋の全部または一部に機能異常が起こると考えられております。

 

本疾患は外眼筋の非進行性で限定的な眼筋麻痺と先天性眼瞼下垂を特徴とする。家族性先天性外眼筋線維症はいくつかの表現型が報告されている。


非進行性(病状が現状以上に悪化しない)で眼球運動が制限され、ほとんど眼球が動かない場合も多いのが、「外眼筋線維症(がいがんきんせんいしょう)」です。

 

特に上下の物を見る場合に見づらく、頭を動かして対象を追う動作により補償しようとします。

 

主な症状としては、先天性の眼筋麻痺による斜視と「眼瞼下垂(がんけんかすい)」が挙げられますが、眼瞼下垂については、併発する場合としない場合の両方の可能性があります。


この疾病の原因は、動眼神経によって支配される上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋に加え、まぶたの開け閉めでご説明した眼瞼挙筋(がんけんきょきん)の一部あるいは全てに異常がある場合、あるいは滑車神経によって支配される上斜筋の一部に異常がある場合に、筋肉が弾力性を失って外眼筋線維症が発症します。

 

眼瞼下垂は眼瞼挙筋の異常が原因で発症しますが、麻痺性の斜視は、上で述べたそれ以外の6本からなる外眼筋(がいがんきん)の異常によります。


この疾病は、根本的な治療方法はまだ発見されていませんが、次の項で紹介するように治療に向けた研究は続けられています。


◼︎治療と研究成果

外眼筋線維症は、1型、2型、3型に大きく分類されます。このなかで、3型には知能障害がみられるケースもあります。

 

さらに3型に分類されるCFEOM3は、(細胞の運動や形の保持に関わる)微小管を構成するタンパク質であるチューブリンの遺伝子変異によって微小管形成の異常が引き起こされることが分かってきました。

 

このチューブリンというタンパク質は、全ての真核細胞にあり、神経細胞の形成や維持にも重要な役割を果たしています。今後のさらなる研究によって、画期的な治療法の開発にも期待ができます。 


外眼筋線維症は、大半が両方の目に症状が出る両眼性を呈しますが、稀に片眼性となる場合もあります。

 

その場合も眼瞼下垂になることはありますが、いずれにしても眼瞼下垂を発症した場合の治療に関する情報は〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」、〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3手術方法の説明を参考にしてください。


眼瞼下垂とともに発症する眼筋麻痺による斜視は、特に先天性の場合、放置しておくと片方の目でしか物を見られなくなる可能性もあり、医師と相談のうえ早めの治療が必要です。

投稿者: 高田眼科

2016.03.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新いたしました。


動眼神経麻痺って?


「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」のほとんどの原因が、まぶたを上げる(開ける)ときに一番メインの筋肉である上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)の発育不良によるものです。

 

これを「単純性眼瞼下垂(たんじゅんせいがんけんかすい)」といいますが、「先天性動眼神経麻痺(せんてんせいどうがんしんけいまひ)」の動眼神経の障害も、原因の一つとして挙げられます。

 

このほかに稀なケースとして、常染色体優性遺伝により発症する 「眼瞼縮小症候群(がんけんしゅくしょうしょうこうぐん)」、さらに「 Horner(ホルネル)症候群」という、交感神経の障害が原因の眼瞼下垂も存在します。

 

(それぞれについては、別の眼瞼下垂症ブログ記事にて解説させて頂いておりますので、ご参照ください。)

 


動眼神経麻痺は、脳神経のひとつである「動眼神経」の障害によって生じる疾病で、これが「眼瞼下垂(がんけんかすい)」につながります。

 


「動眼神経」は、「滑車神経(かっしゃしんけい)」、「外転神経(がいてんしんけい)」の2つの神経と共に、眼球を動かす筋肉を支配しています。

 

そのなかで動眼神経は、眼球を鼻側(内側)方向に向ける「内直筋(ないちょくきん)」、上下に向ける「上直筋(じょうちょくきん)」と「下直筋(かちょくきん)」、外方向に回転させる「下斜筋(かしゃきん)」を支配しています。

 


さらに動眼神経は、外界の光を目の中に取り入れる瞳孔を調節する「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」と、先に述べたまぶたを上げる(開ける)上眼瞼挙筋まで支配しています。

 

そのため生まれつき動眼神経に何らかの障害をもって生まれると、赤ちゃんがまぶたを上げる力にも影響が及んで眼瞼下垂が生じてしまうのです。

 

特に動眼神経による眼瞼下垂は、瞳孔まで隠れてしまうような深刻な症状を引き起こしてしまうケースもあります。

 


赤ちゃんの視力と手術

赤ちゃんの瞳孔が、先天性動眼神経麻痺による先天性眼瞼下垂によって完全に隠れてしまっているような状況では、視力が正常に育たずに弱視になる可能性もあるため早期の治療が求められます。

 

視力は、生まれたばかりの時期は光を感じる程度で、生後6ヶ月になると視力が0.1ほどになり、乳幼児期に著しく発達します。

 

赤ちゃんのころからいろいろな物を見たり両親とふれあうことが脳細胞への刺激となって、視力の発達にも影響を与えます。



視力が正常に発達するためには、当然ながら両目を正しく使って見ることが重要になります。

 

ただ、そのために幼児期における治療を受ける際に注意したいのが、子どもの眼瞼下垂の手術は全身麻酔で基本行わなければならないという点です。

 

先天性眼瞼下垂の程度にもよりますが、全身麻酔の安全性や生活上の不便さなどを考えると、集団生活を行う就学前に相談されるのがよいかもしれません。

 

場合によっては手術が複数回行わなければならないため、慎重に進めてください。

投稿者: 高田眼科

2016.03.03更新

◼︎眼瞼下垂と眼瞼腫瘍

腫瘍(しゅよう)とは、一般的には「できもの」や「はれもの」などと呼ばれる症状を指します。もともと人体を構成していた組織のうち、普通は1個が制御を失って、その組織における自然な発育プロセスや秩序とはかけ離れて増殖するもので、「真性腫瘍(しんせいしゅよう)」とも呼ばれます。
この真性腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。前者は、腫瘍がある場所で限定的に大きくなってふくらんでいる状態を示します。後者は、周囲の細胞にまでより速く影響を及ぼし、全身に転移することもあります。ガンは悪性腫瘍に入ります。
まぶたに違和感やしこり=腫瘤(しゅりゅう)を感じた場合は「眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)」の可能性がありますが、硬さはもちろん、その症状はさまざまです。特にまぶたは、組織が複雑な構造になっているので多岐にわたる症状が現れます。
「眼瞼腫瘍(がんけんしゅよう)」は、腫瘍が原因であったり、筋肉自体が壊れてしまう「筋原性眼瞼下垂症(きんげんせいがんけんかすい)」に分類されます。
眼瞼腫瘍によって眼瞼下垂が生じる原因は、まぶたに腫瘍ができることで、その重みによって、まぶたを動かす筋肉が耐えられず下垂する可能性が挙げられます。


◼︎良性の眼瞼腫瘍のタイプ
まぶたの眼瞼腫瘍の多くは良性ですが、悪性の「眼瞼腫瘍」の場合もあります。瞼の異常で気づきますが、ほかの眼の疾病と間違えやすく注意が必要です。このページでは、良性の眼瞼腫瘍について紹介します。
(1)ものもらい:麦粒腫(ばくりゅうしゅ)まぶたにある脂腺や汗腺に細菌が入って感染し腫れた疾病。放置しても治る場合もありますが、対処が遅れると痛みを伴って膿むことがあります。/霰粒腫(さんりゅうしゅ)まぶたにあって脂肪を出す分泌腺(マイボーム腺)に脂肪が詰まって生じる炎症です。
※ものもらいは、繰り返し症状が現れる場合に腫瘍の可能性があります。
(2)眼瞼黄色腫(がんけんおうしょくしゅ):皮膚に漏れた脂質を食べた細胞が増殖して生じます。黄色味を帯びて平たく盛り上がった腫瘍です。
(3)乳頭腫(にょううとうしゅ):皮膚の角質が増殖して発症します。まぶたの縁に、乳頭状の突起がいくつも現れます。
(4)脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう):皮膚の老化現象により出現するため、俗に"年寄りいぼ"などと呼ばれます。
(5)汗管腫(かんかんしゅ):汗を出す汗管が詰まって、いわゆるブツブツができる疾患で、思春期以降の女性のまぶたによく現れます。
(6)皮様嚢腫(ひようのうしゅ)/類皮嚢腫(るいひのうほう):いずれも、表皮などの上皮成分が皮膚の奥にめり込んでしまうことで発症します。  
(7) 母斑 (ほくろ) :メラノサイトというメラニン色素を作る細胞が高い密度で固まり、日焼けなどの刺激でメラニン色素を出すことで褐色から茶色の斑点として現れるものです。

投稿者: 高田眼科

2016.02.17更新

※2020.3.12 記事内容を修正・更新いたしました。


 

・先天性眼瞼下垂って?

「先天性眼瞼下垂(せんてんせいがんけんかすい)」とは、 生まれた直後から、上まぶたが下がって開きにくくなっている状態を言います。

眼瞼下垂症の分類


その多くは、まぶたを引っ張り上げている「上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)」という筋肉の発育不全によるもので9割を占めるともいわれ、「単純性下垂」と呼ばれています。生まれつきまぶたを上げる筋肉が働かないことや、力が弱いために眼瞼下垂になってしまいます。

この筋肉は、自分の意思で動かすことのできる随意筋で、骨格を動かす骨格筋でもあります。また、表情筋ではなく眼球の周りにつく外眼筋に含まれます。

このほか、眼筋と呼ばれる筋群の大部分を支配し、眼球の運動に関わる「動眼神経(どうがんしんけい)」が麻痺した「先天性動眼神経麻痺(せんてんせいどうがんしんけいまひ)」、あくびや水を飲むなど、口を開くと共に上まぶたが上がる「マーカスガン現象」などの神経の異常があります。

また、全身の疲労感が伴う「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」、左と右の目の間隔が特に離れたように見える「眼瞼裂狭小症候群(がんけんれつきょうしょうしょうこうぐん)」などによっても生じます。



・症状と治療について

先天性眼瞼下垂の症状は、どちらか片側の目の方に出る「片眼性(へんがんせい)」をとることが多いようで、約8割を占めるという数字もありますが、両側に症状が現れる「両眼性(りょうがんせい)」の可能性もあります。


視力に障害を及ぼすケースは多くはないものの、「斜視(しゃし)」や「弱視(じゃくし)」を伴うこともあります。斜視は、片方の目が正しい方向を向いているのに、もう片方の目がズレて向いている状態。

弱視は、視覚情報が伝わる経路上に支障があることで視力が弱まった状態を指します。眼鏡やコンタクトレンズを使っても視力が十分に出ない場合に弱視と判断されます。

通常は、弱視の程度はそれほど重くはないのですが、眼瞼下垂の症状が重くなればなるほど、弱視になる可能性が高まるといわれます。

治療は、瞳孔が完全に隠れてしまっている場合は早めの治療が必要になりますが、一部のまぶたの被りに過ぎず、赤ちゃんが見ようとしているのであれば、あわてて手術をせず視力を観察しながら成長を見守り、3歳を過ぎてから行うのが一般的です。

審美的な観点からも、ある程度、体の成長が安定する時期まで待ってから、手術する方が望ましいとも言えます。


いずれにしても先天性眼瞼下垂は、視力とも関わりますので眼科受診を継続することが大切。

さまざまな原因や症状が考えられるため、医師と相談しながら慎重にすすめてください。

投稿者: 高田眼科

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な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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