2016.07.19更新

2020.3.13 記事内容の修正・更新を行いました。


◼︎治療について


「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の約90%を占めるといわれる「単純性眼瞼下垂」です。

 

単純に眼瞼下垂のみの症状で、それ以外の異常を伴いません。

 

単純性眼瞼下垂の手術方法については、〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋腱膜前転術」〔眼瞼下垂]の手術「眼瞼挙筋短縮術」〔眼瞼下垂]の手術「前頭筋吊り上げ術」という眼瞼下垂の主な3つの手術方法を通してそれぞれブログ記事で、ご説明しています。



特にまぶたを上げるときに重要な役割を果たす上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)の発達障害などにより、生まれつき目を大きく開けることが困難な先天性眼瞼下垂となります。

 

個人的には、単純性の先天性眼瞼下垂症の場合は、解剖学的に上眼瞼挙筋の繊維化を認め、その結果、硬くて伸びにくくなっております。

 

また、眼瞼自体の結合組織 ファシアが発達しているため、手術においては、それらの処理が非常に大事だと考えております。

 

ファシアについては、高田院長の眼瞼下垂ブログ記事:眼瞼下垂症の新しい手術概念:ファシアリリース(剥離)法 をご覧になってください。

 

では、先天性の場合、いつ手術を行うのか?については、子どもにとっての手術の時期は慎重に考える必要があります。



ただ、その前に重要なステップとなるのが、眼瞼下垂の診断です。大人の眼瞼下垂では、"上まぶたの縁から黒目の中央部の距離"などの測定によって診断をいたしますが、子どもの場合は、静止していることが困難なために正確な眼瞼下垂 の診断を下すことが困難なこともあります。

 

その際には、写真を使って判断すると良いように思います。

 

今では、スマートフォン等で、子供の写真や動画を撮ることは容易となっており、診断の大事な手がかりとなります。

 

診察の前に準備しておくと診断の助けとなります。

 

判断の要素としては、まぶたの左右対称かどうか、眉毛やアゴの位置などから判断を行うことになりますが、症状によっては手術の必要がないこともあります。

 

また、斜視で片目を閉じる癖がついているために眼瞼下垂と間違われる場合などもあるため、診断は慎重に行ってもらうことが大切です。

 

さらに、「先天性動眼神経麻痺(せんてんせいどうがんしんけいまひ)」など、ほかの眼瞼下垂症との区別も必要になります。


◼︎手術について

単純性眼瞼下垂の具体的な治療方法は、ブログ記事:[先天性眼瞼下垂]の症状「単純性眼瞼下垂」でもご説明しています。

 

当院では、ファシアリリース(剥離)法を行うことで、前頭筋吊り上げ術(筋膜移植)に頼らない手術を行っております。

 


手術の時期は、できる限り早期に行う立場から思春期前まで待つという考え方まで多様ですが、高田眼科では思春期まで待ってから行うようにしております。

 

単純性の先天性眼瞼下垂症の場合、下を向いている際は目が開いており、通常はアゴを上げて見ているため、視機能は正常に発達しているという観点からです。

 

アゴや眉毛を上げて物を見る行為は、正常な視機能の発達にもつながります。

 

視力が健全かどうかを注意しながら成長を見守流ことが必要となりますので、思春期まで手術をしないにしても、定期的な眼科検診を行う必要性があります。

 

思春期(概ね、小学校高学年ぐらい)になれば、手術に関する説明をある程度、理解することができるという背景もあります。

 


幼児の眼瞼下垂症手術では、全身麻酔で手術することが多いため、不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。

 

大人の場合には、手術する部位のみの痛みをとる局部麻酔だけで十分なのですが、子供の場合には、手術中に受ける恐怖心などを考えると全身麻酔が必要となるケースとなります。

 

しかしながら、幼児といえども、全身麻酔下での眼瞼下垂症手術は、お勧め出来ない要素があります。

 

それは、全身麻酔下では、眼瞼下垂症で大事なデザインの確認が出来ないからです。

 

結果として、幼児の眼瞼下垂症は、出来るだけ、局所麻酔が可能となる思春期ぐらいまで待つのが良いように思います。

 

加えて、全身麻酔の場合、麻酔を専門に行う医師(麻酔科医)の関与が必要となり、その場合には、麻酔科医の在籍している規模の大きい医療施設での手術に限られます。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.3.25 記事内容を修正・更新しました。


■片側顔面痙攣について

「片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)」と読むこの疾病は、顔の半分が自分の意思とは関係なくピクピクと痙攣したり、引きつったりする症状を発します。

 

原因は、顔面神経根部(付け根の部分)が血管(多くは動脈)と接触することで圧迫され、顔面神経が異常興奮することによります。

40~50代に始まり中高年における発症率が高く、特に女性に多く発症します。

 


最初は、片側のまぶたの周辺の軽い痙攣に始まりますが、この段階での症状は疲れたときによくある、まぶたのピクピクに感じることもあるようです。

 

日常診療において、「瞼(まぶた)がピクピクする」という症状を訴えて来院される患者様は多いですが、


瞼が痙攣(けいれん)しているからといって、眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)、片側顔面痙攣と判断することは出来ません。


実は、片側顔面痙攣(けいれん)において、瞼のピクピクとした症状だけを自覚することはほとんどないからです。


自覚症状でピクピクを感じるだけなのは「眼瞼ミオキミア」という状態であることが多いです。


眼瞼ミオキミアの原因については、全てが解明されているわけではありませんが、目の周りの筋肉(眼輪筋)が疲れて勝手に収縮を繰り返すものと考えられており、筋肉のむくみや凝りなどが神経を圧迫して、神経を走る情報に乱れが生じている可能性も指摘されています。

 

つまり、眼瞼ミオキミアと違って、片側顔面けいれんの症状は徐々に進行し、頬骨辺りから口元へと広がり、やがてアゴの下の筋肉も痙攣するようになります。

 

進行するという点で、眼瞼ミオキミアとは異なっております。

 

また頻度も、最初は緊張したときなどに限られますが、徐々に痙攣する時間が長くなっていきます。

 

そして一日中起きるようになり、就寝中も継続して痙攣するようになります。


痙攣が顔の片側全体に及ぶようになると「目の痙攣がひどくて片目が開けられなくなる」事態になり、「物にぶつかる」「運転中に痙攣が起きると危なくて乗っていられない」あるいは「見た目が気になって人前に出られない」など精神状態にまで影響が広がり、生活に支障が出るようになります。

 

また、痙攣するごとに耳鳴りが生じるようになるケースもみられます。



◼︎治療方法につて

片側顔面痙攣は、まぶたが下がる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」のような症状を引き起こします。

 

したがって、眼瞼下垂症と区別するために「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」と呼ばれます。



疾病自体は生命に関わるものではないため、放置しても差し支えありませんが、前述のように、対人関係に不具合が生まれ、視力に支障が出始めるとなると、仕事にも影響が及んでしまいます。

 

そうなってしまうと、ご本人の気持ちにしたがって治療を考えるということになります。


片側顔面痙攣に対する治療法は、顔面神経根部を圧迫する血管を治療する手術があり、もう1つはボツリヌス毒素治療があります。

 

ボツリヌス毒素は、食中毒の原因として知られるようになったボツリヌス菌の毒素ですが、微量のこの毒素を顔面の筋肉に注射することで、筋肉を麻痺させ、顔のひきつりなどを治療する治療法です。

 

このボツリヌス毒素治療は、厚生労働省より「眼瞼痙攣」の治療薬としての適応が認可されています。

投稿者: 高田眼科

2016.05.20更新

2020.5.29 記事内容を修正・更新しました。


 

「眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)」は、まぶたの縁が眼球側に向かって倒れている(内反)状態になる疾病です。

 

内反とは、字の如く、瞼がひっくり返る状態になります。

 

高齢者に発症することが多く、主に下まぶたの方に症状がみられ、両目あるいは片目だけの発症もあります。

 

睫毛が眼球に当たることになり、非常に異物感が強く、辛い状況です。

 

逆さ睫毛と内反症のイラスト

 

下眼瞼において起こる眼瞼内反症は、上眼瞼とは発生の機序が異なっております。

 

まず、下眼瞼の内反症の機序を説明しますと、目のまわりを覆っているドーナッツ状の筋肉で、まぶたの開け閉めに関わるのが眼輪筋(がんりんきん)」なのですが、加齢にしたがって、皮膚組織と共にゆるんでしまいます。

 

さらに、眼球の周囲の脂肪眼窩脂肪が上眼瞼から下眼瞼の方へ移動することで下眼瞼のボリュームが増えてしまい、下眼瞼の縁が押し出されてしまうことで発生します。

 

上眼瞼については、眼瞼挙筋が働いているので、まぶた自体が下眼瞼の眼瞼内反症のように、ひっくり返るようなことはおこりません。

 

どちらかといえば、眼瞼下垂症が合併することで発生します。

 

眼瞼挙筋は、まぶたを引き上げると共に、睫毛を引き上げる作用もあるのですが、眼瞼下垂症が発生すると、この眼瞼挙筋の効果が薄まり、睫毛は、下に向いてしまいます。

 

さらに。眼輪筋、皮膚組織のユルミが合わさることで、睫毛が目にあたります。

 

つまり、皮膚弛緩性の眼瞼下垂症ともいえます。

 

つまり、上眼瞼の眼瞼内反症について言えば、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の症状が出るのですが、実際は「偽(ぎ)眼瞼下垂」と呼ばれ区別されます。詳しくは(8)眼瞼下垂は3タイプ[偽眼瞼下垂]とはをご参照ください。

 

眼瞼内反症は、まつげを抜くと一時的に症状が改善するのですが、まつげが生えると再発してしまいます。


一方で、加齢によって引き起こされるのではなく、生まれつき、つまり先天性の眼瞼内反症も存在し、日本人には多く見られます。

 

ふくよかな顔立ちで、まぶたの皮膚がふっくらしている乳幼児に発症することが多く、この皮膚にまつげが押されて眼球の側に向いてしまうことが原因となります。

 

成長するにつれて大人の顔立ちになると改善されるケースもありますので、小学校高学年を迎えても気になる場合は手術を選択することになります。



同じ「内反」が付く疾病として、眼瞼がひっくり返らず、まつ毛だけが内側に倒れてしまう「睫毛内反(しょうもうないはん)」と区別されております。

 

俗に「逆さまつ毛」といわれる症状で、本来は外側を向いているはずのまつ毛が内側を向き、眼球に触れてしまっている状態で、眼の表面(角膜や結膜に)を傷つけることがあります。

 

したがって、まつ毛が眼球に当たって痛みを感じますし、パッチリとした目の印象にならないなどの悩みが生じます。

 

乳児期から幼児期に多くみられ、軽度の睫毛内反は乳幼児では珍しくありませんし、通常は5~6歳までに自然に治癒しますが、小学校高学年になっても完治しない場合は専門医に相談してみてください。

 

一方で、壮年期以降にみられる逆さまつ毛の多くは、加齢による眼瞼内反症によるものです。

いずれにしても、眼瞼の構造に問題がある疾患と言えますので、手術による改善が一番といえます。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

2020.3.29 記事内容を修正・更新しました。


眉毛下垂って?


アンチエイジングという言葉が、特に女性向けに盛んに発信されています。

 

これは、老化の進行を遅らせる"抗老化"を意味しますが、この場合に老化を表す現象の一つに挙げられるのが肌のたるみです。

 


肌は、手で触れることができる外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で構成されています。

 

化粧品の広告でよく出る(肌の保湿とバリア機能をもつ)角質層は、この表皮の最も上層にあり、これもよく目にするコラーゲン(繊維状タンパク質)は、真皮内にあって肌を支えています。

 

したがって、この真皮が肌を支えハリや弾力を保つ働きを果たしているのです。

 

20代の肌は、きめ細かなコラーゲンが豊富で、3次元的で厚みがあります。

 

歳を重ねるごとに、肌のコラーゲン組織は荒く硬くなり、平面的で薄くなります。

 

例に挙げると、鶏肉は、若鳥であれば、プリプリとしていて弾力がありますが、噛み切れる柔らかさがあると言えますが、逆に、親鳥では、その肉質は硬く噛み切れにくい状態となります。

 

年齢が高くなるに従い、皮膚組織は、薄く硬くなり、硬化したゴムのようになります。

 

当然、復元力がなくなり、伸びた状態となるわけです。

 

「眉毛下垂(びもうかすい)」は、血行や代謝が悪くなって真皮内のコラーゲンや(水分を保持する)ヒアルロン酸が減ってしまう肌の老化と大きく関係します。

 

こうしてコラーゲンの繊維が肌を支える力が衰えることで前額部の皮膚のたるみが生まれ、これに筋肉のたるみも加わって眉毛が下がり、まぶたを押し下げることが「眉毛下垂(びもうかすい)」の原因となります。



眉毛が下がる症状

「眉毛下垂(びもうかすい)」は、「まぶたが重く開けづらい」など、眼瞼下垂と似たような症状をもつ「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」の一つで「眼瞼下垂は3タイプとは」で詳しく説明しています。



老化に伴う眼瞼下垂というと、([後天性眼瞼下垂]の症状「老人性眼瞼下垂」が挙げられますが、眉毛下垂は、まぶたの開け閉めに関わる筋肉や神経には障害が起きていない点などが、眼瞼下垂とは違います。



また、単に眉毛が下がる症状のみを取り上げると、事故などによる外傷や手術後に顔面神経麻痺が発症するケースがありますが、これについては[後天性眼瞼下垂]の症状「機械的眼瞼下垂」、[後天性眼瞼下垂]の症状「外傷性眼瞼下垂」に述べているとおり、偽眼瞼下垂ではなく、後天性眼瞼下垂になります。



皮膚の老化に伴う症状のため対策といっても限界がありますが、例えば眉毛を無造作に抜くことは皮膚のたるみにつながるので避けた方が無難です。

 

眉毛を抜くと、どうしても皮膚が引っ張られてしまいますが、何度も繰り返すと皮膚が伸びやすくなり、肌のたるみにつながってしまう可能性があると言われております。

投稿者: 高田眼科

2016.04.11更新

※2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


 

「機械的眼瞼下垂(きかいてきがんけんかすい)」の「機械的」とは、「機械的刺激」のことを指し、何らかの物理的な力や摩擦を意味します。

 

こうした刺激によってまぶたの開け閉めに関わる「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」やミュラー筋などが変化し引き起こされる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」を、機械的眼瞼下垂と呼んでいます。


この物理的刺激を与える原因となるものに、まず最初に、眼瞼(がんけん)、つまりまぶたや、眼窩(がんか)の腫瘍が挙げられます。まぶたに生じる良性および悪性腫瘍の重みによって、まぶたを動かす筋肉が耐えられず下垂してしまうケースです。

 

眼瞼腫瘍によって眼瞼下垂が引き起こされる疾病は、眼瞼下垂ブログ記事:[先天性眼瞼下垂]の症状「眼瞼腫瘍」にも詳しく書かれています。

 

眼窩腫瘍の「眼窩」とは、眼球が入っているくぼみのことです。眼窩腫瘍による眼瞼下垂は、この眼窩上緑(上部)に腫瘍ができることで、眼瞼腫瘍と同じ経緯によって発症します。

次に挙げられるのが、頭蓋骨の前頭部を形成する前頭骨の骨折です。

 

交通事故や転倒・転落、殴打などが原因となって生じる主に額の部分の骨折により、その範囲が眼窩壁(眼窩の奥にある薄い骨)にまで及んだ場合に、まぶたや眼球の運動障害を生じさせ眼瞼下垂を引き起こします。


異物による刺激は、主にハードコンタクトレンズが原因となって起こります。

 

眼瞼下垂を生じさせる理由としては、一日に2万回程度も行われるまばたきの際に、角膜上に装着されたハードコンタクトレンズ(ときにはソフトコンタクトレンズでも)と、まばたきによるまぶたの上下運動の間で摩擦が生じることによるとも言われております。

 

これらの物理的な障害によって、まばたきする際の動力となる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」が徐々に伸びてしまったり、その先にある「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」やミュラー筋が伸びたり、場合によっては線維化するなどして、眼瞼挙筋の力がまぶたに伝わりにくくなって眼瞼下垂が発症します。

 

また、ハードコンタクトレンズを装着するとき、あるいは取り外すときに、上まぶたを引っ張りすぎる行為が何度も繰り返されることで、挙筋腱膜と瞼板の接合部に負担がかかって外れやすくなることで同様の事態が引き起こされ、眼瞼下垂が発症します。

 

そのため、ハードコンタクト専用ですがスポイトを使用することで、まぶたをひっぱることなくレンズを外すことができるため、まぶたのたるみ対策として効果的です

投稿者: 高田眼科

2016.03.19更新

2020.3.30 記事内容を修正・更新しました。


老人性眼瞼下垂って?


「老人性眼瞼下垂(ろうじんせいがんけんかすい)」は、「後天性(こうてんせい)眼瞼下垂」のなかではよくみられる眼瞼下垂症の病態の一つで、加齢と共に上まぶたの皮膚がたるんでしまい垂れ下がり、まぶたが開きにくくなり、上方の視野が制限されてしまう症状が出現します。

 

コンタクトレンズの装着や外傷が原因でない場合に該当しますが、その原因はやはりまぶたの機能と関係しています。

 


ほとんどの場合、まぶたを上げる際に大切な役割を担う「瞼板(けんばん)」につながる「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」という薄くて堅い膜に何らかの障害が発生してゆるんでしまって起きることが多いです。

 

これは腱膜性眼瞼下垂と呼ばれますが、まぶたを上げる挙筋機能は失われておらず、眼球運動も特に問題がありません。

 

(腱膜性眼瞼下垂症については、こちらの眼瞼下垂症ブログ記事をご参照ください。)

 

老人性眼瞼下垂の場合、さらに加齢による経年変化でまぶたの皮膚がたるむ「眼瞼皮膚弛緩症(がんけんひふしかんしょう)」も、多くの方が併発しています。

 

症状には左右差が生じることがありますが、両方の目に現れる両側性がほとんどです。

 

また、尾毛下垂とも呼ばれますので、詳しくは、別の眼瞼下垂症ブログ記事にて説明させて頂いておりますので参照ください。


老人性眼瞼下垂になったら

額(おでこ)の筋肉を使ってまぶたを上げれば、視界の制限にも対処できる程度の軽傷の場合は特に治療の必要はありません。

 

ただ、額の筋肉を上げて目を大きく開こうとするとき、後頭部から頭の上を通って眉毛にまで至る後頭前頭筋(こうとうぜんとうきん)が収縮します。

 

こうした状況が持続し、緊張して凝ったようになると血流の悪化に結びついて、頭痛や肩こりの原因ともなります。こうしたメカニズムは(5)なぜ肩こりや頭痛になるの? をご参照ください。

 


一方で老人性眼瞼下垂が重症になるとまつ毛を内側に押し込んで、いわゆる「逆さまつ毛」になり眼球を傷つけるケースも生じます。もちろん、視野が制限されて生活に支障をきたす場合は治療が必要です。

 


老人性眼瞼下垂の治療は、まぶたに関わる筋肉への処置は行わず、たるんだ皮膚を切除することで視野が確保できます。

投稿者: 高田眼科

2016.03.19更新

※2020.3.11 記事内容の修正・更新を行いました。


 腱膜性眼瞼下垂って?


「腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)」は、「後天性(こうてんせい)眼瞼下垂」のほとんどを占めており、腱膜性眼瞼下垂とその他を原因とする眼瞼下垂に大別できるほどです。


腱膜性眼瞼下垂の「腱膜」とは、まぶたを上げる際に大切な「眼瞼挙筋腱膜(きょきんけんまく)」を指すのですが、詳しくは、まぶたの開け閉めで説明しているので、こちらをご参照ください。


腱膜性眼瞼下垂の原因は、この挙筋腱膜とまぶたの骨格ともいえる軟骨組織である「瞼板(けんばん)」との付着部分が外れたり、挙筋腱膜が伸びたり薄くなったり、途中で切れたりすることにあります。

そのような状況になると、瞼板が自然に持ち上がらなくなり、まぶたが開きづらくなる症状が生じます。これが腱膜性眼瞼下垂です。 


腱膜性眼瞼下垂は、長期のコンタクトレンズの使用(特にハードコンタクトレンズ使用)、花粉症やアトピー性皮膚炎、アイメイクのし過ぎなどで、目をこすり過ぎることで発症するといわれています。

 

また、加齢による経年劣化も原因とされていますが、これは「老人性眼瞼下垂」と呼ばれ、[後天性眼瞼下垂]の症状「老人性眼瞼下垂」で説明しています。

 

以前は、加齢による腱膜性眼瞼下垂が多かったのですが、ライフスタイルの変化によって、上記を原因とする若い世代の腱膜性眼瞼下垂も増加傾向にあります。


腱膜性眼瞼下垂の進行

腱膜性眼瞼下垂の場合は、開きづらくなったまぶたを努力して開いている時期が「(予備の能力で機能を維持している)代償期」、そうした努力しても開けられなくなる時期が「(症状として現れる)非代償期」となります。 


この代償期では、まぶたを上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を補佐している「ミュラー筋」の力を貸りたりするのですが、それによりミュラー筋を司る交感神経の興奮を引き起こすことにより肩こりが発生しているという研究もあります。

 

また、単純に眉を引き上げることで、瞼の開きを補うために、おでこの筋肉(前頭筋)が緊張することにより、それに連なる首や肩の筋肉の緊張を引き起こすことで発生するという考え方もあります。

 

眼瞼下垂と肩こりの関係は、こちらで説明しておりますのでご参照ください。


そして、こうした代償期の状況が続くと、いつしかミュラー筋も伸びてしまい、 常にまぶたが垂れ下がる腱膜性眼瞼下垂の症状を呈します。

投稿者: 高田眼科

2016.02.24更新

※2020.6.29 記事内容の修正・更新を行いました。


 ◼︎眼瞼痙攣って、どんな疾患?

眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の画像

「眼瞼下垂(がんけんかすい)」と同じように瞼(まぶた)が上がりにくくなるものの、

眼瞼下垂症に認められる動眼神経、眼瞼挙筋、眼瞼挙筋腱膜などに異常がない「偽眼瞼下垂(ぎがんけんかすい)」につながる原因疾患に「眼瞼痙攣(がんけんけいれん)」があります。


一般的に痙攣(けいれん)と言うと、自分の意志とは関係なく筋肉がピクピクと動くイメージがあります。

 

これを「不随意の筋肉の収縮」と言いますが、眼瞼痙攣は、このように目の周囲がピクピク動くといった症状のほか、「光がやたらとまぶしくなる」「目を開けているのがつらい」「目がしょぼしょぼする」「まばたきが増える」「目が乾いた感じがする」などを自覚します。


眼瞼痙攣より、むしろ「顔面痙攣(がんめんけいれん)=片側顔面痙攣(へんそくがんめんけいれん)」の方に認知度があるかもしれません。

 

どちらも「痙攣」という病名がついているので、筋肉がピクピクする病気と思いがちですが、顔面けいれんは片側の顔面筋がピクピクする症状が必ず現れることから、顔面けいれんは、片側顔面痙攣ともいいます。

 

顔の半分が自分の意思とは関係なく痙攣するもので、ふつう目の周囲から始まりだんだん口元へと広がります。

 

初期の状態では眼精疲労などにより、まぶたのピクピクする症状との区別が困難ですが、徐々に進み、あごの下の筋肉も痙攣するようになります。

 

頻度は、最初は緊張したときなど時々だけですが、徐々に痙攣している時間が長くなっていきます。

 

やがて一日中、ときには寝ていてもおこるようになることもあります。


これに対して眼瞼痙攣は、ピクピクするような筋肉の動きが必ずしも伴うとは限りません。

 

むしろ目が開けづらくなって物にぶつかるなどの事態が生じ、重症になるにつれて全く目が開けられなくなって、視力があるのに失明と同じ、機能的失明という深刻な状況も心配される疾病です。


こうした症状が、眼瞼下垂と似て異なる偽眼瞼下垂につながることがあります。


さらに、この2つの疾病は初期症状が似ているため、区別がつきにくくなっています。


この眼瞼痙攣は、もう一つ「ドライアイ」と間違えられることも多いのです。

 

ドライアイとは「乾燥性角結膜炎」とも言うように、涙の不足などで目が乾いてしまい、傷や障害が発生する疾病ですが、

 

「目がしょぼしょぼする」などの症状が似ているため、眼瞼痙攣だったのにドライアイの治療をされて一向に症状が改善されないという事例も多いと言えます。

 

ドライアイと診断され,種々のドライアイ治療に抵抗する患者の 57%(ドライアイと診断された患者の 8.6%)が眼瞼けいれんであったという報告もあるぐらいです。

 

また、眼精疲労や自律神経失調症、更年期障害などと診断されることもあるので、眼瞼痙攣の症状を自覚したら診断も慎重に進めておきたいものです。


◼︎眼瞼痙攣(眼瞼けいれん)の原因は未解明


さまざまな疾病との紛らわしさを指摘されるのは、眼瞼痙攣の原因が完全に解明されたわけではない、という事情が影響しているかもしれません。

 

大脳の一部の機能障害でまぶたに関係する動きに異常が発生するという説や、頭蓋内での血管による神経の圧迫という原因を指摘する医師もいますが、それが確かに認知されているというわけでもありません。

 

また、抗うつ剤など、全く別の病気で服用した薬剤で発症し、服用を止めたら眼瞼痙攣の症状もなくなったという事例や、パーキンソン病などによる発症なども報告されています。

 

しかし、まだ完全には解明されていない疾病の一つです。

投稿者: 高田眼科

2016.02.24更新

※2020.3.12 記事内容の修正・更新を行いました。


 

◼︎眼瞼下垂は肩こりや頭痛の一因

肩こりや頭痛は、多かれ少なかれ誰しも抱える症状ですが、その程度がひどくなると、整形外科や整骨院、整体院などに通院される方もいらっしゃると思います。

 

ただ、そういった病院で、CTやMRIで検査を受けても原因が分からず、薬をもらっても治らないと悩まれていたり、整骨院の施術でもほとんど解消されない、という方も多いのではないでしょうか。

 

そんな場合、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」から肩こりや頭痛などの症状が生まれているケースも考えられます。

 

ただ、一部で「頭痛・肩こりの原因はすべて眼瞼下垂」と解釈されかねない説明がなされたこともあり、誤解を受けやすいテーマでもあります。

 

高田眼科においても、眼瞼下垂症手術の説明の際には、手術により頭痛・肩こりなどが治るというような説明はしておりません。

 

過度な期待を持たせて、手術を無責任に勧めることを良しとしていないからです。

 

確かに、眼瞼下垂症手術を受けられた方の多くで、肩こり・頭痛が改善したということは、日常茶飯事ですが・・・・

 

眼瞼下垂は、あくまで"肩こりや頭痛の原因の一つ"という事実を改めてご確認のうえ、お読みください。


◼︎ミュラー筋の緊張が原因に

肩こりや頭痛の一般的な原因は、頚椎(けいつい)や椎間板(ついかんばん)など骨格の状態悪化、あるいは血管の炎症など、さまざまな体のトラブルに起因しますが、眼瞼下垂と関係するとみられる筋肉との関係をみていきましょう。


この場合の肩こりは、首筋や背中の筋肉のこわばりから生まれますが、そうした筋肉のこわばりに眼瞼下垂が関連します。

 

ミュラー筋の過緊張により、肩こり・頭痛が引き起こされていると考える学説があります。

 

その説では、「まぶたの働き」で、まぶたを開け閉めする筋肉について説明していますが、眼瞼下垂になると、まぶたを上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」を補佐している「ミュラー筋」が力を貸すようになります。

 

すると、このミュラー筋を支配している交感神経(意思とは関係なしに働く自律神経の一つ)が常に緊張している状態になるため、首周辺の筋肉まで力が入ってしまって、肩こりにつながるのです。


さらに、こうした筋肉の緊張が血流の悪化に結びついて発症する緊張性頭痛まで引き起こすと考えております。

 

朝から痛む場合もあれば、夕方に疲れるに従って痛むケースもありますが、頭痛の大半は、この緊張性頭痛といわれ、「肩こり頭痛」といわれる先生もいらっしゃいます。

 

一般的に「頭全体が締め付けられるように痛む」と、その特長が表されます。


まぶたに関わる「ミュラー筋」という筋肉が、眼瞼下垂によって体全体に悪い影響を与えることもあるとも言われております。

 

◼︎前頭筋の緊張が原因だと単純に考えた方がわかりやすい。

 

高田眼科では、ミュラー筋の過緊張説は行き過ぎた誤解を産むとして、その正誤については言及しないようにしております。

 

むしろ、単純に、眼瞼下垂症になれば、前頭筋が補助することにより、下垂症状の代償が働きます。

 

わかりやすく言えば、眉を引き上げることで、まぶたを開こうとする代償です。

 

じつは、前頭筋は、そのまま、僧帽筋などの頭部や首、肩の筋肉と繋がっており、

 

前頭筋の緊張状態が、そのまま、頭部や首、肩の筋肉の緊張を引き起こし、

 

ひいては、慢性の肩こり、頭痛を悩まされることになるという考え方です。

 

この説明の方が、単純でわかりやすいと思います。

 

眼瞼下垂症手術を行うと、眉が下がります。つまり、前頭筋の緊張が取れます。

 

術前、オデコのシワが強い症例、眉の引き上げが強い症例ほど、術後の肩こり、頭痛の改善の度合いが強いイメージです。

 

最初に述べたように、過度な期待を持って、眼瞼下垂症手術を受けられるのは、よくないとは思いますが、

 

本当に肩こりや頭痛で悩まされていて、何とかしたいという気持ちが強いのであれば、眼瞼下垂症手術を前向きに検討されてもよいと思います。

投稿者: 高田眼科

2016.02.24更新

※2020.3.12 記事内容の修正・更新をいたしました。


■まぶたの開け閉めする4つの筋肉


私たちがまぶたを開けたり閉めたりする際は、①「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」、②「ミュラー筋」、③「前頭筋(ぜんとうきん)」、④「眼輪筋(がんりんきん)」の4つの筋肉を使っています。

 

①眼瞼挙筋は、まぶたを上げる際の動力の主役となる筋肉で、この筋肉に障害が発生することが、「眼瞼下垂(がんけんかすい)」の重要な要因となります。


まぶたを上げる(開ける)ときに大きな力になる筋肉である眼瞼挙筋ですが、

 

眼瞼挙筋はまぶたの後ろにあって、まぶたの先に近づくにつれて「挙筋腱膜(きょきんけんまく)」という薄くて堅い膜になり、まぶたの先端部分にある「瞼板(けんばん)」という板状になった軟骨の前面に付着しています。

 

まぶたは、まず脳(動眼神経核)から動眼神経を通って眼瞼挙筋に信号が送られることで、

 

この筋肉が収縮し、さらに挙筋腱膜を介して瞼板が引っ張られることによって上がります。


②また、眼瞼挙筋の裏側で瞼板に直接つながっているのが「ミュラー筋」で、この筋肉も補助的にまぶたを上げる働きをしています。

 

体全体につながる筋肉で、交感神経に支配されているため、緊張感が続くと肩こりや腰痛などの原因になるともいわれます。

 

ミュラー筋の役割は、感情、特に驚いたり、怒ったりした際に、目をほん少し見開く際に働く筋肉です。



③そして、前頭筋は顔の表情をつくる筋肉の一つで、眉毛の上から頭頂部付近まで縦に伸びています。眉

 

毛を上げる役割を果たし、同時に額にシワを作ることになります。

 

目を見開くようにまぶたをあける場合がありますが、このときは前頭筋を使っているのです。

 


④一方で、まぶたを閉じる際に使う筋肉が、眼輪筋です。

 

上まぶたから下まぶたにかけて、その名の通り輪のようにまぶたの周囲をくるくると同心円状に取り囲むようについていて、これが収縮することでまぶたが閉じられます。

 

前頭筋と同じく表情をつくる筋肉の一つです。



眼球を上に回転させる働きがあり、白目をむくようなときにも使われる「上直筋(じょうちょくきん)」を、まぶたを上げる筋肉に含ませることもあります。


眼瞼下垂は、挙筋腱膜と瞼板が外れたり、挙筋腱膜が伸びてしまうことで、眼瞼挙筋の力がまぶたに伝わりにくくなった状態から発症することが多く、腱膜性眼瞼下垂症と呼ばれるものです。

投稿者: 高田眼科

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な手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

当院では、「何が原因で悪くなってしまったのか」を患者様とともに考え、治療後のよい状態を常に保つことができるような手術を行います。眼科治療を通じて国民の皆様の全身的な健康に寄与することを目標に努力してまいります。

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